中年音楽狂日記：Toshiya's Music Bar

「野良犬」('49，新東宝)

監督：黒澤明

出演：三船敏郎，志村喬，淡路恵子，川村黎吉，千石規子，木村功

この映画を見たのは何年ぶりだろうか？見たことがあることは覚えているが，多分35～40年近くぶりになるのではないだろうかと思う。先日，BSで放映されていて，それを録画しておいて久しぶりに見たのだが，細部については記憶は薄れていたものの，以前見た時と印象は大きくは変わらなかった。

さすがに古い映画だけに，画像の粗さは致し方ないが，レビューのシーン，野球のシーン，闇市のシーン等，当時の世相を切り取った感が非常に強く感じられた。それがこの映画がドキュメンタリー・タッチと言われる要素なのだろうとも思えるが，後の黒澤映画と比べると，若干ストーリーにまだるっこしい感じがあるのも事実だ。もう少しシナリオを整理して，尺を短くしてもよかったようにも思いながら見ていた。

それでも，後半に向かって高めるサスペンス・タッチは「天国と地獄」に向けての助走のようにも感じていた私であるが，私は断然「天国と地獄」の方を評価するタイプだが。星★★★★。本作の4Kリマスター版がどの程度画質改善しているかという興味が湧いてくるという副次的な効果もあった。

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