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2025年4月 6日 (日)

才人Vijay IyerとWadada Leo Smithのデュオ第2作。

_20250405_0001"Defiant Life" Vijay Iyer / Wadada Leo Smith(ECM)

Vijay IyerとWadada Leo Smithのデュオ作"A Cosmic Rhythm wiith Each Stroke"がリリースされたのが2016年のことであったから,もう9年も経過したのかとついつい思ってしまうが,あれはよくできたアルバムだったと思う。そしてこの二人にJack DeJohnetteを加えた"A Love Sonet for Billie Holiday"をはさんで,リリースされたのが本作である。

"A Cosmic Rhythm wiith Each Stroke"は比較的(あくまでも比較的だが)聞き易さも備えたアルバムだったのに対し,"A Love Sonet for Billie Holiday"は正調フリー・ジャズと言いたくなるような作品であった。そして本作であるが,これは二人の静かな対話という趣と言えばよいかもしれない。

もはやこれは現代音楽的と言ってもよいような響きに加え,アンビエント的に響く部分もあるのだが,そこはこの二人のやることであるからレベルは高い。但し,耳に心地よいかと言えばそんなことはないから,ついつい身構えてしまうような音楽と言ってもよい。だが,Wadada Leo Smithは既に傘寿を過ぎていることを考えれば,このクリエイティビティと衰えぬラッパの吹奏能力には驚かされる。またそれに寄り添うVijay Iyerのピアノの的確なことよ。基本的には二人の完全即興と考えてよさそうだが,"Floating River Requiem for Patrice Lumumba"と"Kite"はそれぞれWadada Leo SmithとVijay Iyerが作曲者としてクレジットされているし,ジャケットに写るのは前者の譜面と思われるから,ちゃんと書かれているというのもある意味驚きだ。それでも"Elegy: The Pilgrimage"なんかは美的に響く部分もあるから,どこまでが書かれていて,どこからが即興かは正直わからないが...。

いずれにしても,才人二人による名コンビと言いたくなるようなアルバム。"A Cosmic Rhythm wiith Each Stroke"の方が私はいいと思っているので,半星引いて星★★★★☆。ただねぇ,どういうタイミングでプレイバックするかはかなり難しい(苦笑)。

Recorded in July 2024

Personnel: Wadada Leo Smith(tp), Vijay Iyer(p, rhodes, electronics)

本作へのリンクはこちら

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コメント

こんばんは。

ずっと昔のことですが、ワダダ・レオ・スミスのソロアルバムを聴いて、あまり相性が良くなかったということがありましたが、このところだいぶいいなあ、と思っています。

即興能力の2人の高さはびっくりするくらいですし、本当に即興?と思えるようなところもありました。けっこう私、フリーは好きなんですけど、それでも、次いつ聴くか、っていう悩みもありますね。さすかにマンフレート・アイヒャーのプロデュース、と思いました。

当方のブログアドレスは下記のとおりです。
https://kudo-jazz.blog.jp/archives/7666831.html

910さん,こんばんは。リンクありがとうございます。

>ずっと昔のことですが、ワダダ・レオ・スミスのソロアルバムを聴いて、あまり相性が良くなかったということがありましたが、このところだいぶいいなあ、と思っています。

Vijay Iyerとの相性もあると思いますが,この二人はいいですよね。

>即興能力の2人の高さはびっくりするくらいですし、本当に即興?と思えるようなところもありました。けっこう私、フリーは好きなんですけど、それでも、次いつ聴くか、っていう悩みもありますね。

おっしゃる通り,そんなしょっちゅうプレイバックしたいというものではないと思いますが,たまに思い出したように聞く感じでしょうねぇ。私も次がいつかはわかりません(爆)。

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