Chick Coreaがこの世を去って4年。まだまだ残っているレガシー。
"Trilogy 3" Chick Corea / Brian Blade / Christian McBride(Universal)
早いものでChick Coreaが2021年に亡くなってから既に4年の歳月が流れている。そして私がこのトリオによるライブを観てからも6年近い時間が経過しており,時間の経過の早さをますます感じる今日この頃である。
そんなトリオの三島を含む世界各地での演奏を収めた第3作がリリースされた。このトリオであるから,悪い演奏であるはずもないので,そこは安心感ありありであったが,期待が裏切られることはない。Chick Coreaのオリジナルに加えて,Monk, Powellのジャズ・オリジナル,更にはスカルラッティのアダプテーションを含む全8曲が77分という長尺の中に収められているが,全編を通して大いに楽しめる。さすがである。
このライブ盤の好感度が高いのは,晩年のChick Coreaによくあったアドリブ・フレーズを聴衆に歌わせるという演出がないことだ。私はあの「演出」を好かん!と思っていたので,ピアノ・トリオの演奏に集中できるかたちこそ正しい姿なのだ。彼らのような実力者にはしょうもない演出は不要だと改めて強く思った私である。Chick Coreaは世を去ったが,レガシーはきっちり残ることを実証した「新作」であった。まぁ"Easy to Love"の冒頭とか,スカルラッティを入れる意味あったか?とか少々気にいらない部分もない訳ではないが,星★★★★☆には十分値する。名人芸だと思って楽しめばいいのだ。
Recorded at Various Venues between 2019 and 2020
Personnel: Chick Corea(p), Christian McBride(b), Brian Blade(ds)
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