ボックスで出るのを待っていて正解のAndris Nelsonsによるショスタコーヴィチ交響曲全集+α。
"Shostakovich: Symphonies, Concertos, Lady Macbeth" Andris Nelsons / Boston Symphony Orchestra(Deutsche Grammophon)
以前,Andris Nelsonsのブルックナーの交響曲全集が出た時にも記事をアップした私だが,今度はショスターコーヴィチである。2015年以来,Nelsonsはボストン響とショスターコーヴィチのレコーディングを継続しており,それらのほとんどは分売されてきた。しかし,ブルックナーの時も全集で出た時は,買い手が嬉しくなるような低価格だった事例もあり,私はショスタコーヴィチも同じ商法を取るに違いないと思って,分売されたアルバムはストリーミングで聞くことはあっても,媒体はずっと買わずに来ていた。そして,予想通り今回のボックスである。19枚組が¥10,000ちょっとで買えるのだから,分売で買ってしまった人たちは臍を噛む思いなのではないか。
これだけの分量ゆえ,これから時間を掛けてゆっくり聞こうと思うが,そもそも私はこのコンビの生演奏を2022年に聞いていて,その時の記憶に従って,まずは5番からということにしたが,当時を思い出させるに十分な演奏であった。5番とカップリングされているのが6番で,曲の個性の違いがよくわかる。
このボックス,編集も丁寧と言うか,交響曲は分売されたオリジナルが例えば2/3/12/13番がカップリングされるというばらけた組合せになっているのに対し,番号順に収められているのは結構親切だ。今回聞いた5/6番の2曲なんて,収録時間が83分越えになっているが,CDの収録時間の限界ってなかったっけ?なんて思いながら聞いていた。また,同梱されている「ムツェンスク郡のマクベス夫人」は分売されておらず,このボックスにだけ収録のはずという大盤振る舞いなのだ。
正直なところ,ブルックナー同様,私はこれまでの人生においてショスタコーヴィチとも縁は薄かったと言ってもよい訳だが,遅ればせながらこのボックスを通じてショスタコーヴィチの音楽に触れる機会も増やしていければと思う。
本作へのリンクはこちら。
« マイキーの2006年のブート音源。何も変わらないことの美学(笑)。 | トップページ | Netflixで「正体」を見た。 »
「新譜」カテゴリの記事
- Deacon Blueの新譜が出た!(2025.04.08)
- 才人Vijay IyerとWadada Leo Smithのデュオ第2作。(2025.04.06)
- ボックスで出るのを待っていて正解のAndris Nelsonsによるショスタコーヴィチ交響曲全集+α。(2025.04.01)
- Branford Marsalisの久々の新作は"Belonging"に挑んだ驚きの一作。(2025.03.29)
- Susanna Hoffsの未発表音源をようやくゲット。(2025.03.25)
「クラシック」カテゴリの記事
- 亡き父の影響でプレイバック頻度が高いAshkenazyの演奏。(2025.04.20)
- Francesco Dillon@イタリア文化会館参戦記。(2025.04.10)
- ボックスで出るのを待っていて正解のAndris Nelsonsによるショスタコーヴィチ交響曲全集+α。(2025.04.01)
- 人生初の声楽リサイタルを聞きに,お馴染みイタリア文化会館に出向く。(2025.02.02)
- またもブート(まがい)の話:今度はBernsteinのマーラー5番。(2025.01.22)
« マイキーの2006年のブート音源。何も変わらないことの美学(笑)。 | トップページ | Netflixで「正体」を見た。 »
コメント