Roy Hargrove:相当力の入った企画盤と言ってよいだろう。
"With the Tenors of Our Time" Roy Hargrove(Verve)
正直なところ,私はRoy Hagroveはトランぺッターとしては評価していても,アルバム単位では決定的な作品ってあったかなぁなんて思っているクチである。確実に佳作と呼べる水準は保っているのだが,これは凄いと思わせる作品は正直記憶にない。そんなRoy Hargroveではあるが,驚異の新人ってん感じでシーンに登場し,Novusレーベルにアルバムを残してきたが,更なるメジャー化を図るべくVerveへの移籍第一作となったのが本作だ。
そうした事情もあって,タイトルに示す通り,テナー・サックス界の大物をゲストに迎えた実に豪華な作りとなっている。だってゲストがPersonnel: Roy Hargrove(tp, fl-h), という強者揃いなのだ。これだけのゲストを迎えてしまっては,レギュラーだったRon Blakeが可哀想って話もあるが,それなりに出番は準備してある。
それにしても,この時のレギュラー・クインテットってのはいいメンツが揃っていたと思わせる。ピアノはCyrus Chestnutだしねぇ。Roy Hargroveもレーベル移籍で気合が入ったと見えて,全編に渡ってナイスなソロを聞かせる。特にいいと思わせるのがワンホーンで演じる"Never Let Me Go"ってのはどうなのよ?って気もするがレコーディング当時まだ20代半ばってのが信じがたいような,味のあるバラッド・プレイぶりにはやはり驚かざるをえない。
ゲスト陣は余裕のプレイぶりってところだろうが,間違いない!って感じで吹いているところに彼らの力量を感じる。久しぶりに聞いたが,これは企画はよくあるって感じではあるものの,Roy Hargroveとしてもやはり力の入ったアルバムだったなということで,改めて評価したい。とにかく見事なフレージングでベテラン陣に対峙しているのは立派。半星オマケして星★★★★☆としよう。
Recorded on December 28, 1993,January 16 & 17,1994
Personnel: Roy Hargrove(tp, fl-h), Johnny Griffin(ts), Joe Henderson(ts), Branford Marsalis(ts), Joshua Redman(ts), Stanley Turrentine(ts), Ron Blake(ts, ss), Cyrus Chestnut(p), Rodney Whitaker(b), Gregory Hutchinson(ds)
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