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2025年2月 9日 (日)

こういうのをいい映画だと言いたくなる「リアル・ペイン ~心の旅~」。

A-real-pain 「リアル・ペイン ~心の旅~("A Real Pain")」(’24,米/ポーランド,Searchlight)

監督:Jesse Eisenberg

出演:Jesse Eisenberg, Kieran Culkin, Will Sharpe, Daniel Oreskes, Liza Sadovy, Jennifer Grey, Kurt Egyiawan

Jesse Eisenbergが監督と主演を兼ねた一種のロード・ムービーだが,その背景にはホロコーストの記憶が横たわるという映画。1時間30分という昨今としては短い上映時間ながら,シナリオともども非常によくできた映画となっている。

元々ポーランド移民のユダヤ人としてのJesse Eisenbergがこの物語を書かせたことは間違いないところだが,本人演じるDavidと,Kieran Culkin演じるBenjiという従兄弟のキャラクターの違いに加えて,ルワンダ虐殺の生存者を演じたKurt Egyiawanの存在を通じて,ユダヤ人社会に起きたホロコーストという悲劇が強く炙り出されるという感覚を覚えた。Kieran Culkinはその名からもわかる通り,あの「ホーム・アローン」のMacaulay Culkinの弟であるが,この映画でオスカーの助演男優賞にノミネートされている。助演と言っても,ほぼ主演と言ってもよい役回りであるが,オスカー受賞確実の演技と言われているのも納得できるものであった。

ある意味Kieran Culkin演じるBenjiは無垢な人であるがゆえに,人々との間にいらぬ軋轢を生むこともあれば,その純粋さゆえの親しみを生むこともあるというのに対し,Jesse Eisenberg演じるDavidは現実的な人物としての対比も効いているし,その周りの登場人物の造形も面白いのはよくできたシナリオゆえというところだろう。主題にも書いた通り,これは実にいい映画であった。監督,シナリオ・ライターとしてのJesse Eisenbergも大したものだ。星★★★★★。

2025年2月 8日 (土)

"Kid A":Radioheadの大きな変貌。

_20250207_0001"Kid A" Radiohead(EMI)

私はRadioheadは完全に後追いで聞いている。きっかけはBrad Mehldauが"Art of the Trio Vol.3"で"Exit Film (for a Film)"を取り上げたことによるところが大きく,まずは同曲が収録された"OK Computer"を手始めに聞き始めて,なるほど,Brad Mehldauが彼らに惹かれるのもわかると思った。優れたメロディ・ラインとロックを感じさせる彼らの魅力は十分に感じられるものであった。

しかし,その"OK Computer"に続いた本作には驚かされたリスナーも多かったのではないか。あまりに前作からの変貌ぶりが激しく,同じバンドのアルバムとは思えなかったというのも事実である。だから本作リリース時の賛否両論があったことは納得がいく。リズム・セクションが明確に存在感を発揮する曲もあるものの,これはそうした「バンド」としての構造からは完全に逸脱したものだったと感じる。

このアルバムがリリースされて約四半世紀を経過した現在においては,本作への評価は爆上がりしたと言ってもよいだろうが,"The National Anthem"で聞かれるサックスなんて,フリー・ジャズ一歩手前みたいな感じなのにも抵抗がなくなったということなのかもしれない。それにしてもこのアルバムが英米のチャートで1位になったというのは信じがたい。"OK Computer"を聞いて思いきり期待値が上がったリスナーがこぞって買ったってところだろうが,どれだけ受け入れられたかは私にはわからない。ある意味このアルバムはチャレンジングなものだったと思えるだけに,大ヒットしたこと自体が凄いことであった。

私としてはこのチャレンジを受け入れるだけの度量がリリース当時はなかったが,それでもその後もRadioheadのアルバムは買い続けているのだから,相応には評価していたってことだろう。久しぶりにこのアルバムを聞いたのだが,現在の耳にはこれもありだと思わせるのは立派なことだと思う。本作は姉妹作"Amnesiac"も聞いて評価すべきだろうから,そっちも聞いてみることにしよう。

本作へのリンクはこちら

2025年2月 7日 (金)

"Acid Rain":これがAndy Middletonの初リーダー作のようだ。

_20250206_0001"Acid Rain" Andy Middleton(Owl/Time Line)

一般的にはAndy Middeltonって誰?ってことになるだろう。しかし私はこの人のアルバム"Nomad's Notebook"を通じて忘れられない人である。なぜかと言えば,そのアルバムにはRalph Townerが参加していたからで,しかもベースはDave Hollandという布陣はTownerファンを自認する私にとって気になるアルバムであり,出来もよかった(記事はこちら)。

そんなAndy Middletonのアルバムでもう一枚気になっていて,結構苦労して購入したのが本作。こちらのポイントはJoey Calderazzoの参加であった。Joey Calderazzoの初リーダー作"In the Door"が出たのは91年のことだったが,まさに日の出の勢いとでも言うべき若き日のCalderazzoの参加は大きな付加価値であった。そもそも本作をリリースしたOwl/Time Lineはプレス枚数が少ないのか,Dave Liebmanの"Spirit Renewed"も大いに苦労したし,再発されたSteve KuhnのVanguardでの残りテイク集"The Vanguard Date"もこのレーベルからだった。ということで,確か中古にしては値段もそこそこしたアルバムであった(と言っても国内盤CDの新譜+α程度の値段)。

このアルバムを久しぶりに取り出して,よくよくライナーを見てみれば,プロデュースはDave Liebmanだし,ライナーはRichie Beirachが書いているから,この人脈と関係があったってことねなんてことを改めて知った。そして演奏は無伴奏ソロなども交えて,これが初リーダー作とは思えない堂々たる出来であり,Joey Calderazzoは華を添えているが,それなしでもリーダーの実力だけで十分聞かせる音楽である。曲は"My Ideal"を除いてAndy Middletonのオリジナルだが,それも結構聞かせるものとなってるが,"Nomad's Notebook"に比べるとよりハード・ドライビングな印象(とか言いながら"Nomad's Notebook"も暫く聞いていないので,あくまで印象...)だ。テナーもソプラノもDave Liebmanを髣髴とさせるようなプレイぶりには感心するしかなかった。久々に聞いたこともあって,これまで以上に楽しめたと言ってもよい快作。ついつい星も甘くなり星★★★★☆。

Recorded on March 11, 1990

Personnel: Andy Middleton(ts, ss), Joey Calderazzo(p), Mike Abbott(g), Peter Herbert(b), Pete Abbott(ds)

2025年2月 6日 (木)

"More Stuff":これが私が買った最初のStuffのアルバムであった。

_20250205_0001 "More Stuff" Stuff(Warner Brothers)

本作がリリースされたのが1977年であったから,私はまだ高校1年だ。本作が私が買ったStuffとしては最初のものなのだが,購入したのが出てすぐだったか,少し後だったかは全然おぼえていない。いずれにしても,ロックからジャズへと聞く音楽を広げつつある時期か,もう少し前のことだったであろう。いずれにしても,このアルバムのミュージシャンがどの程度の人たちなのかなんてのは後からわかったことであって,当時はほとんど知る由もなかったのだ。当然,まだCornell DupreeとEric Galeの個性の違いすら分かっていなかったのだから私も若かった(笑)。しかし,その後,様々なジャンルのアルバムのクレジットにStuffのメンバーの名前を見ないことがないぐらいで,このバンドの意味合いは後付けで理解したようなものだった。

それはさておき,Stuffとして第2作となる本作にはプロデュースにVan McCoyが関わっている。Van McCoyと言えば,私の世代は「ハッスル」ってことになるが,その「ハッスル」にはCornell DupreeとChris Parker以外のStuffのメンツが関わっているという関係性からの縁ってところだろう。

この第2作にはヴォーカル・チューンも入っているのが第1作との違いで,よりソウル的な感覚が強くなっているところをリスナーがどう感じるかだろうが,久しぶりに聞いた感覚で言うと,例えばStevie Wonder作の"As"はもう少しソフトにやっていた記憶があったが,ちょっと違っていたのは私の中で第1作の"My Sweetness"の印象が強くなっていたからではないか。この辺りには前作のプロデュースがTommy Lipumaだったところもあり,今となっては私個人としてはStuffは第1作から聞くべきだったなぁと考えている。

もちろん,本作とて悪い出来ではなく,第1作同様のレベルだとは思うので星★★★★とするが,こうなると結局は好みの問題。フュージョン好きとしては第1作,R&B好きとしては本作って感じか。

Personnel: Cornell Dupree(g), Eric Gale(g), Richard Tee(p, key, vo), Gordon Edwards(b, vo), Steve Gadd(ds), Christopher Parker(ds), Genen Orloff(vln)

2025年2月 5日 (水)

Roy Hargrove:相当力の入った企画盤と言ってよいだろう。

_20250204_0001 "With the Tenors of Our Time" Roy Hargrove(Verve)

正直なところ,私はRoy Hagroveはトランぺッターとしては評価していても,アルバム単位では決定的な作品ってあったかなぁなんて思っているクチである。確実に佳作と呼べる水準は保っているのだが,これは凄いと思わせる作品は正直記憶にない。そんなRoy Hargroveではあるが,驚異の新人ってん感じでシーンに登場し,Novusレーベルにアルバムを残してきたが,更なるメジャー化を図るべくVerveへの移籍第一作となったのが本作だ。

そうした事情もあって,タイトルに示す通り,テナー・サックス界の大物をゲストに迎えた実に豪華な作りとなっている。だってゲストがPersonnel: Roy Hargrove(tp, fl-h), という強者揃いなのだ。これだけのゲストを迎えてしまっては,レギュラーだったRon Blakeが可哀想って話もあるが,それなりに出番は準備してある。

それにしても,この時のレギュラー・クインテットってのはいいメンツが揃っていたと思わせる。ピアノはCyrus Chestnutだしねぇ。Roy Hargroveもレーベル移籍で気合が入ったと見えて,全編に渡ってナイスなソロを聞かせる。特にいいと思わせるのがワンホーンで演じる"Never Let Me Go"ってのはどうなのよ?って気もするがレコーディング当時まだ20代半ばってのが信じがたいような,味のあるバラッド・プレイぶりにはやはり驚かざるをえない。

ゲスト陣は余裕のプレイぶりってところだろうが,間違いない!って感じで吹いているところに彼らの力量を感じる。久しぶりに聞いたが,これは企画はよくあるって感じではあるものの,Roy Hargroveとしてもやはり力の入ったアルバムだったなということで,改めて評価したい。とにかく見事なフレージングでベテラン陣に対峙しているのは立派。半星オマケして星★★★★☆としよう。

Recorded on December 28, 1993,January 16 & 17,1994

Personnel: Roy Hargrove(tp, fl-h), Johnny Griffin(ts), Joe Henderson(ts), Branford Marsalis(ts), Joshua Redman(ts), Stanley Turrentine(ts), Ron Blake(ts, ss), Cyrus Chestnut(p), Rodney Whitaker(b), Gregory Hutchinson(ds)

2025年2月 4日 (火)

これがHelge Lien Trioの初作?どのように買ったのかは記憶が曖昧。

Helge-lien-trio

"What Are You Doing the Rest of Your Life" Helge Lien Trio (Curling Legs)

Helge Lienは"Natsukashii"などその筋のリスナーの琴線に触れるアルバムをリリースしているが,本作はそれに先立つこと10年ほどの2000年にレコーディングされた,Helge Lienにとっては初のピアノ・トリオによるリーダー作と思われる。

本作の特徴はHelge Lienのオリジナルは1曲だけで,よく知られたジャズ・チューンを4曲やっていることだろうが,"So What"までやっているのには久しぶりに聞いて驚いてしまったのであったる印象は少々違う。抒情性はここでも感じさせるが,アブストラクトな感覚やよりコンベンショナルな感覚もあって,個性確立に向けての助走(序奏)って感じもさせる演奏と言うべきかもしれない。

私としては冒頭の"Fall"や最後のMichel Legrand作のタイトル・トラック辺りの演奏が最もフィット感が強いと思ったが,やはりこの人の抒情性は魅力的に響くってことだろう。星★★★★。

それにしても,私はこのアルバムをいつ,どこで,なんで購入したのかに関する記憶が曖昧である。おそらくはショップのポップにでもつられたのだろうが,結構買った時の記憶は残っている方の私としては,謎として残っているアルバムであった。

Recorded in 2000

Personnel: Helge Lien(p), Frode Berg(b), Knut Aalefjær(ds)

2025年2月 3日 (月)

今はなきBradley'sにおけるKenny Barronの優れたライブ盤。

_20250202_0001 "Live at Bradley's" Kenny Barron(Verve)

私の2年弱という短いNYC生活の中で,数々のジャズ・クラブを訪れる機会があったことは自分の人生においても,実に貴重な経験であったと思う。そうした中で,一番好きなクラブはどこだったかと言えば,私はBradley'sだったと言いたい。もちろん,Sweet Basilや55 Barも好きだったが,インティメイトな感覚という意味ではBradley'sに勝る店はなかった。今やこの3つの店は閉店してしまってもうない...。そのほかの店も今でも残っている店の方が少ないぐらいなのは残念だが,イースト・ヴィレッジには結構新しい店も開いているようだ。因みに現存する店で言えば,ぎゅうぎゅう,きつきつに客を詰め込むBlue Noteは嫌いだったし,その後もあまり行きたいと思わない店の筆頭と言ってもよい。それに比べれば,テーブルもゆったりしたBirdlandの方がはるかにいい店だ(きっぱり)。

私がBradley'sを訪れるのは決まって2軒目としてで,それはジャズ・クラブのはしごとしてでもいいし,友人と食事をした後でもよかったのだが,決まって私はバーに陣取っており,テーブルに座ったことは一度もないし,食事を頼んだこともない。あくまでも酒を飲みながら,くつろいで音楽を聞くのに最適な店だったから,この店ではやかましい音楽が演奏されていることはまずなく,トリオやデュオ編成が多かった。

そんなBradley'sが惜しくも閉店した1996年に吹き込まれたライブ音源が本作であるが,私はこのアルバムを聞いた瞬間,Kenny Barronへの評価が爆上がりしたのであった。本作はレコーディングから暫くした2001年にリリースされたものだが,あまりのよさに,当時いろいろな人にこのアルバムを勧めまくっていたのであった。それももう四半世紀前近くになってしまった。

ここでもBradley'sで演奏されるに相応しいタイプの演奏が並んでいる。冒頭から"Everybody Loves My Baby, But My Baby Don’t Love Nobody But Me"のような古い曲をやっていてびっくりするが,決して古臭さを感じさせるものではない。アルバム全体のトーンは基本的には落ち着いたものと言ってよいが,James Williamsが書いた"Alter Ego"のイントロなんて痺れるしかない出来だ。しかし,2曲目の"Solar"ではスリリングなところも聞かせて,アルバムとしてのバランスもよいのだ。その後,このアルバムの続編も出たのだが,そっちも悪くないとしても,本作がよ過ぎたということで,割を食ったのである。私としてはKenny Barronのリーダー作と言えば今も昔もこれにならざるをえない傑作。星★★★★★。まぁだまされたと思って聞いてみて下さい。

Recorded Live at Bradley's on April 3 and 4, 1996

Personnel: Kenny Barron(p), Ray Drummond(b), Ben Riley(ds)

本作へのリンクはこちら

2025年2月 2日 (日)

人生初の声楽リサイタルを聞きに,お馴染みイタリア文化会館に出向く。

Carolina-lippo私はクラシック音楽もそこそこ聞くものの,オペラはさておき,声楽は極めて少ない例外を除いてスルーというのが実態である。そんな私であるから,声楽家によるリサイタルなんて全く縁のない話であったが,今回,毎度おなじみイタリア文化会館における無料コンサートで,Carolina Lippoなるソプラノ歌手のリサイタルが行われるということで,ネットで申し込みの上,九段下まで行ってきた。

当日は武道館でMC Tysonなるラッパーのライブがあったらしく,私とは全く異なる風体の若者たちがうようよしていたのだが,彼らを横目に私は市ヶ谷方面に向かって,九段の坂を上って行ったのであった。

当日のイタリア文化会館はいつもの無料コンサート同様,(私自身を含めた)高齢者が多数派という客層であったが,いつも思うが,大概同じ人間が来ているのではないかと感じてしまうのだ。そんな中,私にとって人生初の声楽のリサイタルであったが,このCarolina Lippoという人については詳しくは知らない。声楽とピアノを学び,舞台にデビューし,現在は教鞭も執っているようだ。知っている曲はアンコールで歌ったロッシーニの"La Danza"だけというところに私の声楽音痴ぶりが表れているようにも思うが,イタリア人,スペイン人作曲家のレパートリーはあまり知られていないものではなかったかと思えた。そんな中,Carolina Lippoは表情豊かに歌いこなしていたが,聞きながらこういうのもたまにはいいねぇなんて感じていた。

まぁこういう機会を与えてくれるイタリア文化会館には感謝だが,次はどんな企画なのか楽しみに待ちたい。久しぶりにジャズ系のミュージシャンも呼んで欲しいと思っているのはきっと私だけではあるまい。無料なんだからどうこう言えた立場ではないが...(笑)。

プログラムは本人の休憩10分(聴衆は着席で待機)とアンコール含めて約80分だったが,帰り道に武道館帰りの連中とは遭遇しない時間に終了というのはよかった。

イタリア文化会館のFBページに当日の写真が掲載されていたので,貼り付けておこう。

Live at イタリア文化会館 on January 30, 2025

Personnel: Carolina Lippo(vo),小埜寺美樹(p)

Carolina-lippo-at-iic

2025年2月 1日 (土)

今年最初の映画館で見た映画が「ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー」であった。

High-low-john-galliano_20250126105301 「ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー("High & Low ‐ John Galliano")」(’24,英/米/仏)

監督:Kevin Macdonald

出演:John Galliano, David Harrison, Hamish Bowles, Jeremy Healy

少し前のことになるが,珍しや家人の誘いでミニ・シアターに観に行ったのがこの映画であった。本作は昨年公開されたものだったが,細々と公開が続けられていたようだ。

正直言ってファッションに何の関心もない人間にとってはJohn Gallianoって誰よ?ってことになるのだが,これはその姿を追ったドキュメンタリー映画。"High & Low"のタイトルは黒澤明の「天国と地獄」の英語タイトルだが,John Gallianoにとっての「天国と地獄」を描いたもの。私にとっては何の前提となる知識もない中で見たことになるが,これがなかなか面白い映画であった。

デザイナーとして大きな成功を収めていたJohn Gallianoが,奇異な行動や人種差別発言によって,転落の道を歩みながら,その後,復活を遂げる姿が描かれているから「天国と地獄」な訳だが,なかなかにドラマチックな人生だと思ってしまう映画だ。天才には天才なりの悩みがあって,それが暴発することによる自業自得に陥るというものだが,私は見ながらずっと「へぇ~」なんて思い続けていたのであった。よくできたドキュメンタリーだというのが正直な感想。私の通常見に行く映画のテリトリーには決して入ってこない作品だが,勉強になりました。星★★★★。

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