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2025年2月28日 (金)

久しぶりに聞く父の遺品:"Django"。

_20250224_0001 "Django" Modern Jazz Quartet(Prestige)

元来クラシック好きだった私の父だが,晩年はジャズも聞くようになっていたことはこのブログにも何度か書いた。そんな私の父がこの世を去って,もはや四半世紀近い時間が経過して,私も父が亡くなった年齢に徐々に近づきつつあるが,音楽的な嗜好には結構違いが大きいままだ。父はジャズで言えば,Thelonious MonkやこのModern Jazz Quartetを好んで聞いていたように思う。特にMJQに関しては,父が残したCDを見ていると,MJQそのものに加え,Milt Jacksonが好きだったように思える。私はMonkもMJQも当然聞くが,Monkはさておき,MJQを積極的に聞いてきたとは言えない。"Concorde"と"Last Concert"を除けば,現在私が保有しているMJQのアルバムは父の遺品である。"Django"も昔はアナログで保有していたが,CDで買い直すところまではいかなかったのだ。

そんな私だが,久しぶりにこのアルバムを聞くにつけ,この「ノーブル」と言ってもよい響きやJohn Lewisが書くオリジナル曲が,必ずしも私の好むタイプのものではなかったようにも思えてくる。私も父と同じように,Milt Jacksonは好んで聞いていても,MJQのプレイバック頻度が上がってこないのは,結局は好みの問題ではある。しかし,本作を聞くにつけ,1953年から1955年にかけてのレコーディングにしてはいい音で録れていると思ってしまうし,やはり往年の名盤としての地位は揺るがないだろう。

このアルバムではドラムスはKenny Clarkeが叩いているが,後年のConnie Kayがどちらかと言えば堅実にグループをサポートする感じだったのに対し,バッパーとしての自己主張を感じさせる部分もあるものの,そこは実力者,演奏を破綻させることのない大人な対応である。それでもってこのアルバムにおいては,冒頭に置かれたタイトル・トラックがやはり有名曲としての存在感で頭抜けているように思えるが,全編を通じて熱くなることはないのがいかにもMJQ。そんな感じだから,Kenny ClarkeがMJQ単独アルバムとしては本作だけで脱退するのもまぁ当然だったって気がする。むしろ,改めて聞いてみると,Percy Heathが思った以上に目立っていたと思えたのが面白かった。

まぁ私としてはMJQならばこれより好きなアルバムもあるってことで,星★★★★としておこう。

Recorded on Jun 25, 1953,December 23, 1954 and on January 9, 1955

Personnel: Milt Jackson(vib), John Lewis(p), Percy Heath(b), Kenny Clarke(ds)

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2025年2月27日 (木)

Jazz Pulse@Cotton Club参戦記

Jazz-pulse

NY在住の森智大が率いるJazz Pulseのライブを観にCotton Clubに行ってきた。決してメジャーな人たちではないと思ったので客入りを心配していたのだが,そこそこの聴衆が集まっていた。そもそもこの人たちについて私は知っていた訳ではないのだが,夜の部活メイト(笑)に直接DMが来たらしく,そのお誘いに乗っての参戦となった。

Kanoa

そもそもびっくりしたのがベースが小柄な女性だったことだが,このKanoa Mendenhallはジュリアードに加えて,コロンビア大学でも学んだ才媛。さすがジュリアードで学んだだけはあって,ベースの腕は確かで,私の最大の注目ポイントは彼女だったと言っても過言ではない。日本にも小西佑果のような女性ベース・プレイヤーもいるから,驚くことではないのかもしれないが,小柄なのに凄いなぁと思っていたのも事実。

一方のリーダーの森智大は大林武司との共演盤もリリースしているようだが,私は今回が初聞き。まぁそれなりのテクニックは持っている人だと思ったが,日頃からレベルの高いミュージシャンのライブを聞いていると,このレベルのトリオはNYCにはゴロゴロいるだろうし,正直「普通」という感じで驚きがない。作曲もこなしているが,メロディにどこかで聞いたことがあるような既視感があるのも事実だし,ややリーダーが叩き過ぎという感覚もあったことも否定できないのだ。

もちろん一定の水準は維持した演奏であったが,残念ながら大絶賛というところまでは行かないと思っていた。ついつい辛口になるのは日本人ミュージシャンのライブでもこのレベルを越える演奏は聞けるからであるし,だからこそベースのKanoa Mendenhallに目が行ってしまったことは告白しておかねばなるまい。まぁこれも勉強である。

Live at Cotton Club東京 on February 26, 2025 2ndセット

Personnel: 森智大(ds), Davis Whitfield(p), Kanoa Mendenhall(b)

2025年2月26日 (水)

これぞジャズの醍醐味:3管メッセンジャーズの傑作ライブ"Ugetsu"。

_20250221_0001 "Ugetsu" Art Blakey and the Jazz Messengers(Riverside)

久しぶりにこういう優れたアルバムを聞くと嬉しくなってしまう。一夜のライブにおいてこのような演奏が繰り広げられていたというところに,当時のジャズ界の充実,そしてArt Blakey and the Jazz Messengersの凄みを感じるが,まさに主題の通り,これこそジャズを聞く醍醐味を体感できるというところだ。

そもそもWayne Shorterを音楽監督に据えた3管編成のメッセンジャーズはメンツも実力者ばかりだし,これぐらいできてしまうメンツだったと言ってもよい。そしてオリジナル・アルバムに収められた6曲中3曲がShorter,Walton,Fullerが1曲ずつにスタンダード"I Didn’t Know What Time It Was"という構成だが,このメンバーのオリジナルが全てよくできた曲で,演奏能力に加え,作曲能力の高さも示されているところに彼らの才能を感じざるをえない。

まぁここのでのWayne Shorterの演奏を聞いていれば,Miles Davisが彼を引き抜きたくなったのもよくわかる。当然星★★★★★。まさに聞いていて血沸き肉躍った私であった。

Recorded Live at Birdland on June 16, 1963

Personnel: Art Blakey(ds), Wayne Shorter(ts), Freddie Hubbard(tp), Curtis Fuller(tb), Cedar Walton(p), Reggie Workman(b)

2025年2月25日 (火)

哀愁と抒情を絵に描いたようなMathias Eickの"Lullaby"。いいねぇ。

_20250223_0001"Lullaby" Mathias Eick(ECM)

Mathias Eickという人はトランぺッターでありながら,ラッパらしい熱量を感じさせない人だ。トランぺッターと言えば,ハイノートを炸裂させるとか,優れた技巧を聞かせるとか,いろいろな個性の発揮の仕方があると思うが,Mathias Eickはラッパらしからぬところその個性と言ってもよいかもしれない。常に美的なフレージングを聞かせて,ECM好きの心を捉えているが,まさにノルウェイという場所から生まれる音楽だと思ってしまう。今回の新作も主題の通り,哀愁と抒情に満ちた音楽にうっとりしてしまった私である。

全編,Mathias Eickのオリジナルで構成された本作では,Manfred EicherはExecutive Producerの役割なので,実質的にはMathias Eick本人によるプロデュースであろう。Mathias Eickのラッパも魅力的なのだが,このアルバムの魅力を増幅させるのがKristjan Randaluのピアノだ。この人のECMでのアルバム"Absence"もよかったが,クラシックのアダプテーションにも取り組む(最近は「詩人の恋」もやっているようだ)ところから感じられる繊細なタッチが,Mathias Eickの音楽の魅力を増幅させている。

本作において,Mathias Eickはその声も聞かせているが,トランペットでのフレージンや音を声で置き換えている感じがあって,これがまた面白く,私の「ツボ」に入る音楽だ。まさに楚々としたサウンドが実に素晴らしい。そして最後の"Vejle (for Geir)"になってリズミックな展開を見せつつ,曲のエンディングはしっとりと締めるというのも面白かった。こういう音楽は何回でもプレイバックできると思ってしまうアルバム。星★★★★★。

Recorded in January 2024

Personnel: Mathias Eick(tp, vo, key), Kristjan Randalu(p), Ole Morten Vågan(b), Hans Hulbækmo(ds)

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2025年2月24日 (月)

Jack Wilkinsの発掘ライブ音源。凄過ぎる。本当にメジャーにならなかったのが惜しい!

Jack-wilkins-in-boston "Live in Boston, 1984" Jack Wilkins(ストリーミング音源)

Jack Wilkinsが亡くなったのは2023年のことであった。それまでも素晴らしい技量を持ったギタリストであることは認識されながら,決してメジャーになることがなかった人だった。私はChiaroscuroレーベルでの"The Jack Wilkins Quartet"以来,この人を結構贔屓にしてきたのだが,売れたって話は聞いたことがなかった。以前このブログでも取り上げた"You Can’t Live without It"はMichael Breckerファンから注目されたが,それはあくまでもBreckerゆえであり,Jack Wilkinsゆえではなかったのがこの人の不幸なところだ。本人としてはもっと売れて然るべきだと思っていただろうが,一般的なレベルでは知る人ぞ知るのままだったと言ってよいだろう。

そんなJack Wilkinsのライブ音源が突然ストリーミングで聞けるようになってびっくりしたのだが,聞いてみるとこれまたびっくりするような音源であった。おそらくは出来のいいオーディエンス録音ってのがこの音源の出自だとは思うのだが,よくぞ残しておいてくれたと言いたくなるようなものなのだ。

メジャーになれなかった人だから,私もJack Wilkinsのライブに触れたことはないのだが,この音源を聞けば一度聞いたらこの人の魅力に取りつかれる人は多いのではないかと思えてしまう。だからこそ惜しいのだ。音源を聞くとCTIから出た2枚のアルバムのリリースから間もない頃の演奏だと思うが,コンベンショナルなギター・トリオ編成の中で,まさに弾きまくり,弾き倒しのJack Wilkinsだ。そもそも冒頭の"Captain Blued"からしてエグいプレイぶりであり,これは長年Jack Wilkinsを贔屓にしてきた私にとっても驚きの音源であった。是非今は亡きJack Wilkinsの技に皆さんにも触れて頂きたい思いも込めて星★★★★★。

Recorded Live in Boston in 1984

Personnel: Jack Wilkins(g), Harvie S(b), Akira Tana(ds)

本作のストリーミングへのリンクはこちら

2025年2月23日 (日)

実話に基づく「セプテンバー5」:スリリングかつ真面目に撮られた映画。

September-5 「セプテンバー5("September 5")」(’24,独/米,Paramaount)

監督:Tim Fehlbaum

出演:Peter Saasgard, John Magaro, Ben Chaplin, Leonie Benesch, Zinedine Soualem

1972年のミュンヘン・オリンピックで起きた黒い九月によるテロ事件は,人質全員死亡という悲劇的な結果に終わったことは私は子供心に記憶している。その後,Steven Spielbergが映画「ミュンヘン」でも描いたから,事件そのものについては理解しているつもりだ。この映画はその事件を報道する米国ネットワークABCのスタッフの対応について描いたもので,まさに事実は小説より奇なりと言うべきサスペンスフルな映画。

出てくるABCの面々は実在の人物で,私にとっては在米中にニュースのアンカーだったPeter Jenningsの名前が懐かしかった。リアルな報道と同時にスクープのために結構なことをやっていたのだなぁなんて感じてしまうが,ギリギリの中での取材への取り組みぶりは相当リアルな世界だったのだろうと思わせる。そうした中での「伝えるべきか,伝えざるべきか」という判断も絡んで,相当高いテンションが続く映画であり,この緊張感は90分強という尺が適切と思わせるものであった。

ほぼTVの中継スタジオという密室で描かれるドラマはシナリオもよく出来ており,オスカーへのノミネーションにもうなずけるもので,私は見ていて緊張を強いられながらも,大いに嬉しくなっていたのであった。今年観た映画はみんな当たりということで,評価も甘くなり星★★★★★にしてしまおう。

それにしても,こんな事件がありながら,オリンピックを一時中断だけで継続させたIOCの判断は本当に正しかったのかと今更ながら思うのであった。

2025年2月22日 (土)

Ulf Wakeniusの"Enchanted Moments":例えは変だが"Farmer's Trust"のような響きに酔う。

_20250220_0001 "Enchanted Moments" Ulf Wakenius (Dragon)

このアルバムはUlf Wakeniusが全編アコースティック・ギターで,2曲のオリジナルを除いて,よく知られたスタンダードを聞かせるバラッド・アルバムなのだが,久しぶりに聞いて,このサウンドへのデジャブを感じていた私である。全編という訳ではないのだが,特にアルバムの前半を聞いていると,Pat Metheny Groupの"Travels"に収録されていた"Farmer's Trust"に近しい趣を感じてしまったのだ。Ulf Wakeniusのギターの音もそうなら,バックに聞こえるシンセの音もそうなのだ。

そんな感覚をもおぼえさせながら,John McLaughlinが本作に寄せたコメントの如く,実に美しい響きを聞かせて,生で聞いていたらうっとりしてしまうか,あるいは心地よい眠りに誘われるという感じの音楽だ。「眠りに誘う」というのは決して悪い意味ではない。よい音楽は心地よさゆえに睡魔を呼ぶところがあるということだと考えて頂ければよい。

もちろん,やっている曲はほとんどが有名曲なので,その曲のよさというのもありながら,極めて詩的に作られたアルバム。バックを支えるのがLars JanssonとLars Danielsson+ドラムスというメンツなのだから鉄板と言ってもよいが,彼らはほぼバックに徹しており,音量も控えめ(と言うより,ピアノの登場シーンは少ないし,ドラムスはほとんど聞こえてこない感じ)だから,あくまでも主役はUlf Wakeniusというのが徹底されていると言ってもよい。タイトルに偽りなしの「魅惑の時」とでも言うべきこの響きを楽しめばいいと思えるアルバム。星★★★★。

Recorded on May 16. October 2, 3, 5, 1995 and on March 2, 1996

Personnel: Ulf Wakenius(g), Lars Jansson(p, synth), Lars Danielsson(b, synth), Raymond Karlsson(ds, perc)

本作へのリンクはこちら

2025年2月21日 (金)

Jimi Tunnell:この人の昨今の動静もよくわからんが...。

_20250219_0001 "Trilateral Commission" Jimi Tunnell (Glass House)

一時期,骨のあるフュージョン・アルバムをリリースしていたGlass Houseレーベルであったが,数枚で活動を終えたはずである。まぁ,アルバムをリリースしていたのは日本で言えばバブル末期からバブルがはじけた頃だから,自然消滅もさもありなんというところではある。日本の企業が「メセナ」とか言って,コンサートを主催や後援していたものが,一気になくなってしまったのとも重なる。

それはさておき,以前にも書いたことがあるが,私はこのJimi TunnellがSteps Aheadに在籍中のライブをNYCのBlue Noteで見たことがある。それがもはや30年以上前のこととなってしまうが,そこでのメンツとも結構被る編成で,少なくともフロントはMike Mainieri抜きのSteps Aheadみたいなメンツと言ってもよい。

しかし,ここで披露される演奏はSteps Aheadよりはハードな印象が強い。Jeff Andrews~Omar Hakimというタイトなリズムに乗った演奏は,その筋のサウンドが好きなリスナーには結構受けるはずだ。Weather Report的なところも感じさせる本作はその後,ジャケも地味に変更の上,他社から再リリースされていて,現在はストリーミングでも聞けるようになっているが,どの程度のリスナーの耳に届いているかは疑問で,ややもったいない気もする。

リーダーであるJimi Tunnellのギターもソリッドな弾きっぷりで,その後の活動の動静があまり聞こえてこないのが不思議に思える。本人のWebサイトを見ると,以前はドレッド・ヘアーだったのが,いまや...みたいになっているところに時の流れを感じる。いずれにせよ,現在は活動そのものはあまり活発でないように見えても,このアルバム自体の価値は下がることはないと思う。星★★★★。

Personnel: Jimi Tunnell(g, vo, key, perc, prog), Omar Hakim(ds), Bendik Hoffseth(sax, vo), Jeff Andrews(b), Rachel Z(key), Arto Tunçboyacian(perc, vo)

比較的入手しやすい再発盤へのリンクはこちら

2025年2月20日 (木)

久しぶりに聞いたPedro Aznarのアルバム。2枚目がカヴァー集だったってすっかり忘れていた。

Quebrado "Quebrado" Pedro Aznar (Tabriz)

Pedro Aznarと言えばPat Metheny Groupってことになるが,このブログでは彼のライブ盤やDavid Lebonとのデュオ作を取り上げたことがあり,PMGに留まらず気になる人ではある。

そのPedro Aznarが2008年にリリースした2枚組なのだが,Disk 1がオリジナル,Disk 2カヴァー曲集という構成ゆえに「割れ物("Quebrado")」と名付けたのはしゃれだったのか?(笑) それはさておきである。このアルバムも久しぶり過ぎて,そうした構成になっていたこともすっかり失念していた私である。

それにしても魅力的な声だ。オリジナル曲も相応に魅力的だが,カヴァー曲では更にそのよさが更に炙り出されるって気がする。よく知られた英語圏の曲で言えば"Fragile"(Sting),"Jealous Guy"(John Lenon),"Time of No Reply"(NIck Drake), "Isn’t It a Pity?"(George Harrison),"Angie"(Rolling Stones),"Junk"(Paul McCartney),そして"Love"(John Lennon)なんて歌われたらそれこそたまったもんではない。はっきり言ってしまえば,Pedro Aznarには申し訳ないが,Disk 2ばかり聞きたくなってしまうのが人情ってものだ。

このアルバムでもマルチ・ミュージシャンぶりを発揮するPedro Aznarであるが,ここでは歌い手としてのPedro Aznarの魅力を感じればいいだろう。上述のような有名曲では,オリジナルへのリスペクトを感じさせるような演奏だが,"Fragile"では本人が弾くエレクトリック・ベースが効いている。こういうのに比べるとDisk 1のオリジナル曲集が負けるのは仕方ないな。★★★★。

Personnel: Pedro Aznar(vo, b, g, p), Andres Beeuwsaert(p, el-p, org, key), Federico Dannemann(g), Andres Vilanova(ds, perc), Julian Semprini(ds), Pepi Taveira(ds), Facundo Guevara(perc), Ramiro Gallo(vln), Patricio Villarejo(cello)

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2025年2月19日 (水)

Sebastian Weiss:昨今の動静はあまり伝わってこないが...。

_20250216_0001 "Polaroid Memory" Sebastian Weiss Trio(Fresh Sound New Talent)

このアルバムがリリースされたのも四半世紀近く前になる。その後,このドイツ出身のSebastian WeissはFresh Sound New Talentからもう一枚アルバムをリリースしている(そちらは未聴)が,昨今の動静があまり伝わってこないし,Web上でもJaki ByardとMark Soskinに師事し,Rodney Jones, Lonnie Plaxico, Eric Harland, Jane Monheit, José Jamesらとの共演経験ありとはあるが,そのほかの詳しい情報はわからないままだ。しかし,このデビュー・アルバムと思しき本作を聞けば,相当実力のあるピアニストだったということはわかる。ライナーにはFred Herschがコメントを寄せているのもその証左だろう。

この人はリリカルなピアノ,ややコンベンショナルとも思えるスタイルから,アブストラクトなタッチ,更にはハード・ドライビングなピアノまで器用にこなし,ここでは自身のプロデュースで全曲オリジナルを揃えるという意欲作であったし,出来としてもなかなかのものだと思える。現在は欧州に拠点を移しているようだが,その後,表立ったシーンでの活動があまりなかったのはもったいないとも感じさせる出来。まぁNYCにはこの程度のピアニストはゴロゴロいたということとも言えるが,ベース,ドラムスとのコンビネーションもよく,なかなか楽しめる佳作だが,やや器用貧乏な感もあり星★★★☆ぐらい。

Recorded in October 1999

Personnel: Sebastian Weiss(p), Bob Bowen III(b), Dan Weiss(ds)

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2025年2月18日 (火)

GRP時代のブラジルに傾斜していた頃のLee Ritenourのアルバム。

_20250215_0001 "Festival" Lee Ritenour (GRP)

現在も尚,ブラジル風味の音楽も聞かせるLee Ritenourであるが,アコースティック・ギター(一部アコギ・シンセもあり)にほぼ専念して,ブラジル風味も結構効かせたアルバムが本作。

Lee Ritenourのアルバムの平均点は高く,明らかな駄作というのは少ない人だ。もちろん,私にも好き嫌いはあるから,ダメだと思うアルバムもない訳ではないが,大概の場合は満足させられてしまうというのは,私のファン心理が働いている部分もあるとは言え,多くの人にとっても同じような感じではないかと思う。だからこそ,私はLee Ritenourが来日するとついついライブに通ってしまうのだ。

このアルバムも盤石と思えるミュージシャンを揃えて質の高い音楽を聞かせているが,裏ジャケにもある通り,ニューヨーク,ブラジル,そしてLAのミュージシャンが参加して,フュージョン好きなら確実に満足するだろう音楽を聞かせているのは立派。特に気になるのがブラジルからの参加メンツで,João Bosco,Caetano Veloso,そしてCarlinhos Brownらを迎えて,まさにわかっているねぇという感じである。

Lee Ritenourは元来エレクトリックでも強烈な技を聞かせる一方,アコースティックも上手いことは従来からわかってはいたことだが,ナイロン弦のアコースティック一本で勝負しても見事なものだ。こういう演奏を聞かせてくれるから,アルバムが出るとついつい買ってしまう人なのだとつくづく思ってしまう。私はLee Ritenourのアルバムを全て購入するところまでは行かないとしても,相当数のアルバムを保有しているが,久々にこのアルバムを聞いてもやっぱり満足してしまう佳作であった。まぁ全部が全部いいという訳ではないが,印象的な曲が多い。ここでの共演は1曲だけだが,Caetano Velosoの声との相性は素晴らしかった。星★★★★。

Personnel: Lee Ritenour(g, g-synth), Dave Grusin(key), Bob James(key), Marcus Miller(b), Anthony Jackson(b), Omar Hakim(ds), Carlinhos Brown(perc), Pahlinho Da Costa(perc), Ernie Watts(ts, as), João Bosco(vo, g), Caetano Veloso(vo), Gracinha Leporace(vo)

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2025年2月17日 (月)

デンマーク発正調Joni Mitchellトリビュート。

_20250213_0002 "Takes You to Unknown and Famous Songs of Joni Mitchell" Big Yellow Taxi(自主制作盤)

私はJoni Mitchellのコアなファンと言ってもよいと思う。だからこそ,ブログ記事のカテゴリーに個別のミュージシャンとして設定されているのはJoni MitchellとBrad Mehldauだけなのだ。それはさておき,世の中にはJoni Mitchellの信奉者が多数いて,Joni Mitchellのサイトを見ていても,しょっちゅうトリビュート・コンサートが開催されている。このブログでも開設した年にスウェーデン発のトリビュート・アルバムを取り上げたことがある(記事はこちら)が,このアルバムはデンマーク発である。

Big Yellow Taxiというバンド名からしてもわかるのだが,この人たちもJoni Mitchellフォロワーだが,元々はカフェでデュオで歌っていたらしい二人が吹き込んだアルバム。"Unknown"とタイトルにあるように,Joni Mitchell本人の公式レコーディングはない曲が3曲含まれており,そのほかはお馴染みのJoni Mitchellナンバーである。これが主題の通り,正調と言うか,実にストレートなトリビュート・アルバムで,ヴォーカルのChristina Friisの声が若い頃のJoni Mitchellを髣髴とさせるのだ。これは結構似ているなぁと思いつつ聞いていたが,完コピに近い感じもありながらも,オリジナリティを若干ながらも打ち出しているところはある。そういうものだと思えば腹も立たない。

しかし,むしろそこはJoni Mitchellの書く曲の素晴らしさもあって,何の苦もなく聞き通せてしまうのは凄いことだ。この人たち,何枚かアルバムを残していて,私が保有しているこのCDには彼らの1stアルバムであるその名も"A Tribute to Joni Mitchell"がオマケで付いているし,Chrisitina Friisはソロ名義でもJoni Mitchellへのトリビュートを続けるという徹底した姿勢。2018年にはソロ名義で"The Quiet of Knowing: Joni Mitchell Unknown"というアルバムもリリースしていて,こちらはストリーミングでも聞けるのでご関心のある方はどうぞ。本作の方は自主制作ってこともあり,なかなか見つかりそうにないかもだが。

Personnel: Big Yellow Taxi<Christina Friis(vo), Henning Olsen(g, b, perc)> with Frede Ewerl(p, org, synth), Dinn Fustafsson(g), T. Skovgaard(sitar-g, g), Michael Klinke(mouth org), Rune Olsen(perc)

2025年2月16日 (日)

舞台劇を見るかのような「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」。そしてこの色彩感にまいる。

The-room-next-door_20250212192601 「ザ・ルーム・ネクスト・ドア("The Room Next Door")」(’24,西/米/仏,Warner Brothers)

監督:Pedro Almodóvar

出演:Tilda Swinton, Julianne Moore, John Turturro, Alessandro Nivola

安楽死という深刻なテーマを扱いながら,二人の名女優が舞台劇のような演技合戦を繰り広げると言ってもよい作品。先のヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を獲得した映画だが,この二人の演技にも目を奪われる一方,私の印象に残ったのがテーマとは対照的と言ってよい衣装,そしてセットに見られる見事なまでの色彩の美しさであった。このヴィヴィッドなカラーは二人の演技同様に強い印象を残したと言ってよい。

そうした中で,スクリプトには非常にリベラルなセリフがある一方で,Tilda Swinton演じるMarthaが安楽死を遂げた後,Julianne Moore演じるIngridを取り調べるAlessandro Nivola演じる警官の執拗なまでに原理的な宗教観との対比が面白いと思ってしまった。脚本も書いた監督のPedro Almodóvarのリベラリズムの発露っていうところか。この辺りは気にいらない人も出てきそうだが,私のようなリベラルな人間にとっては全く問題ない。

Buster Keatonの映画やJohn Hustonの『ザ・デッド/「ダブリン市民」より』を引用しながらのストーリー展開も違和感がなかったが,エンディング近くのサプライズも「こう来るか」という見事な映画だったと思う。星★★★★☆。私が行った時はそこそこ客が入っていたが,これほどの映画にもかかわらず,上映館,上映回数が少な過ぎるのが惜しい。昨今の洋画の不人気ぶりは何とかして欲しいと思うのはきっと私だけではあるまい。もっとこういう映画を見たいのだ!

2025年2月15日 (土)

ユニークな構成のRalph Petersonのアルバム。

_20250212_0001 "The Duality Perspective" Ralph Peterson(Onyx)

このアルバムにはRalph Petersonのサインが入っている。これは2015年にWayne Escofferryのバックで来日した時に,現地で売っていたCDを購入してサインをしてもらったはずだ。この時は"Volition"を持って行ってサインを頼んだら,会場でCDも売っているからそっちも買ってよ!みたいな会話になって,OK,OKとなって一旦買いに行ってから,ソファでくつろくPetersonたちのところに戻ってサインしてもらったように記憶する。

Ralph PetersonはOTBでシーンに登場したと言ってもいいだろうが,日本のバブル期とも合致した「いけいけ系(笑)」のV Quintetで人気を博したものの,バブルの終焉とともに,日本での盛り上がり方も徐々に下がっていったように思える。それでも2021年に亡くなるまで,パワフルなドラミングを聞かせ続けた人であった。上述のライブの時も強烈至極のドラミングを聞かせていたことも懐かしい。

このアルバムはそのRalph Petersonが率いる二つのグループ,Fo'tetとセクステットの演奏を前後半に分けて収録している。完全に二部構成というのも面白いと思ったが,そもそもこのFo'tetというバンドは,メンツは変われどもクラ,ヴァイブ,ベース,ドラムスというユニークな編成は同じで活動を続けていた。編成が編成だけにサウンドもユニークなバンドであったが,当初はDon Byronがクラリネット担当だったはずだ。後半はハードバップ時代を思わせる3管編成のセクステットだが,フロントには当時の実力十分な中堅を集めて,V Quintetの頃の音楽とは異なる感じの音楽に仕立てている。これも時代の流れの中での変化だったのかもしれないが,激しさだけでも飽きられるから,これぐらいが丁度よいという感じもすれば,Ralph Petersonならもっと激しくできたかもなぁという感覚も残る。まぁ,ラストの"Pinnacle"ぐらいやってくれると,こっちも嬉しくなる部分があるのも事実。

それでも聞き応えとしては十分で,リーダーとしての才覚もちゃんと発揮していた人だったと改めて思わされるアルバムであった。それにしてもこれだけの人数のメンツを集めて,一日で録音してしまうというのも凄いねぇ。下記のPersonnelでwith...と記されたメンツはゲストとしての参加だが,それでもちゃんと出番を与えるところもリーダーとしての資質だよなぁ。星★★★★。

Recorded on January 24, 2012

Personnel: Ralph Peterson(ds), <Fo'tet: Joseph Doubleday(vib), Alexander L.J. Toth(b), Felix Peikli(cl, b-cl)>, <Sextet: Luques Curtis(b), Zaccai Curtis(p), Sean Jones(tp), Walter Smith III(ts), Tia Fuller(as, ss)> with Bryan Carrott(marimba), Reinaldo Dejusus(perc), Edwin "Eddie" Bayard(ts), Victor Gould(p)

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2025年2月14日 (金)

ジャコパスのベース・ソロ・ライブ:まぁブートに毛の生えたようなものだが。

_20250213_0001 "Live at Berliner Jazztage" Jaco Pastorius (Altus Jazz)

ベース・ソロでライブをやってしまうというのはECMの所属アーチストにはあるものの,エレクトリック・ベースとなると,やるのはジャコパスことJaco Pastoriusぐらいのものだろうという感じだ。そんなジャコパスが1979年に行ったベルリンでのライブ音源。元ネタは放送音源なので,最後にはドイツ語のナレーションが被るという,主題の通りブートに毛の生えたようなもので,音自体は若干音揺れが感じられる部分なきにしもあらずだが,ジャコパス亡き今となっては貴重な音源ということになる。

演奏についてはいかにもジャコパスというものが並んでいるが,1曲だけ"Sophisticated Lady"にToots Thielemansが桑あるものの,残りはシークエンサーは使いつつ,ジャコパスの完全ソロ。50分近い音源だが,それをほぼ一人で聞かせる技の数々というのもジャコパスならではと言える。特にハーモニクスの凄さには驚く。まぁ一般のリスナーにとってはハードルが高い音源とも言えるが,ファンにとってはたまらないだろうなぁ。

正直言って,晩年のライブでの狂いっぷり(Live under the SkyでのGil Evansとの共演時)を見てしまった私にとっては,印象を悪くしたジャコパスではあったが,実質10年程度の活動期間を駆け抜けたことに思いを馳せる音源であったと思う。評価としては星★★★★ぐらいでいいだろう。

Live at Berliner Jazztage on November 2, 1979

Personnel: Jaco Pastorius(b),Toots Thielemans(hca)

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2025年2月13日 (木)

Silver:一種の一発屋だが。

Silver_20250212104701 "Silver" (Arista)

"Wham Bam(恋のバンシャガラン)"がスマッシュ・ヒットして,このアルバムをリリースしたものの,大した成果も残せず一枚のアルバムを残しただけで消えたのがSilverというバンドである。まさに一発屋と呼ぶに相応しい(笑)。私がこのアルバムを購入した理由も,時期も全く記憶から消え去ってしまっているが,これも久しぶりにプレイバックしたもの。

いきなりバラッド調の"Musician(It’s Not an Easy Life)"からスタートするところに,アルバムのプロダクションとしてはどうなのよ?って気がしてしまう。ここはもう少しノリのよい曲でスタートして,アルバム全体のトーンを設定して,その上で"Musician"のような曲をはさむというのが王道だと思うが,彼らには彼らなりの思いがあったものとは思う。しかし,やはりここはもう少し考えた方がよかったかなぁなんて思ってしまう。どうせなら"Wham Bam"を冒頭に持ってくるぐらいが妥当だったように思える。

そうは言いつつ,いかにもウエスト・コーストっぽい音がする佳曲が並んでいて,コーラス・ワークはEagles的なところを感じさせる。メンバーにはBernie Leadonの弟,Tom Leadonが参加しているからそれもさもありなんってところか。いずれにしても,この手の音楽好きにはそれなりに売れる可能性はあったようにも思えるが,そうはならなかったというのが残念なところ。結局は知る人ぞ知るみたいになっているバンドだと思うし,そもそも"Silver"で検索してもこのバンドに行きつくのは結構大変ってのも難点だな(笑)。検索には「シルヴァー・ファースト」が一番ヒット率が高いだろう。いずれにしても音楽的には星★★★★には相当する佳作。

Personnel: John Batdorf(vo, g), Greg Collier(vo, g), Tom Leadon(vo, b), Bret Mydland(vo, key), Harry Stinson(vo, ds)

本作へのリンクはこちら

2025年2月12日 (水)

諸般の事情により...。

ってほどのことではないのだが,ブログを書いている余裕がないので,今日はお休みです。明日にはまたちゃんと書きたいと思います(笑)。

2025年2月11日 (火)

ECM New Seriesの"A Compendium"がデリバリーされた。

A-compendium"A Compendium" (ECM New Series)

ECM New Seriesからリリースされたアルバムを紹介する,その名も「概要」と題された本がデリバリーされた。まさにECM New Seriesのアルバム群を概観するには最適な書籍と言ってもよい。本の体裁としてはデザイン系に重きを置いたと思われる"Sleeves of Desire"や"Windfall Light"に近いのだが,よりカタログ的な色彩が強い。

前半は作曲家別,後半はプレイヤー別にアルバム群が整理されているが,アルファベット順で並んでいる訳ではないので,この並びにはManfred Eicherの思い入れが働いているのかもしれない。まぁ,作曲家のトップがArvo Pärtなのは,ECM New Seriesの始まりがArvo Pärtの"Tabula Rasa"だったから,理解はできるのだが,ちょいとわかりにくいと言えばわかりにくい。まぁ巻末にインデックスが付いているからよしとしよう。

しかし,単なるカタログにしてはデザインにしろ,紙質にしろにECMらしいこだわりが出ていると言うべきか。一種の美術書としての楽しみ方もあるかもしれないなと思わせるのがECMのECMたる所以。

ECM関係の書籍としては"ECM - A Cultural Archaeology"や"Horizons Touched - The Music of ECM"も保有している私だが,単なる蔵書化しており,デザイン系の書籍はさておき,これらをいつ読むんだ?って思ってしまった(爆)。それにしてもどれもこれも随分値段が上がっているなぁ。状態良好で保存せねば(笑)。

2025年2月10日 (月)

Kraftwerk:初のオフィシャル・ライブ"Minimum-Maximum"は踊れるよねぇ(笑)。

_20250208_0001"Minimum-Maximum" Kraftwerk (EMI)

当ブログに前にも書いたことがあると思うが,私は若い頃はKraftwerkの何がいいのかさっぱりわからなかった。それが徐々に変化して,今や私は彼らのボックス,ドイツ語版"Der Katalog"も保有していれば,そのライブ・ヴァージョンと言ってよい"3-D Catalog"も保有していて,後者についてはBlu-rayボックスさえも保有というはまりっぷりなのには我ながら笑うしかない。人間変われば変わるのだ。

本作は今のところ,Kraftwerkにとっての最新(と言ってももう20年前だ!)のスタジオ作"Tour de France"を受けてのワールド・ツアーからの各地の音源を集めたもので,Kraftwerkにとっては最初のオフィシャル・ライブ作。そういうこともあり,"Tour de France"からの選曲が多いものの,基本的にはお馴染みのヒット曲が並んでいる。改めて聞いてみると,Kraftwerkの音楽って踊れるよなぁなんて思ってしまう訳だが,その割に私が観に行ったオーチャード・ホールでのライブでは聴衆がおとなしかったなぁ...。

いずれにしても,久しぶりに聞いてもKraftwerkの音楽の楽しさは不変。星★★★★★。そう言えば,本作の映像版も持っていたな。今度見てみるか(笑)。

因みに私が保有しているCDはすこぶる評判の悪かったCCCDだが,現在のストリーミング全盛,そしてLP復権の時代においては考えられない仕組みであった。何てたって音響機器での再生保証しない,故障しても責任を持たないという無茶苦茶な仕組みなんだから批判されて当然。日本で一番積極的だったのがエイベックスってのがさもありなん。

Recorded at Various Venues in 2004

Personnel: Kraftwerk<Ralf Hütter, Fritz Hilpert, Henning Schmitz, Florian Schneider

本作へのリンクはこちら(リンク先はCCCDではないと思われる)。

2025年2月 9日 (日)

こういうのをいい映画だと言いたくなる「リアル・ペイン ~心の旅~」。

A-real-pain 「リアル・ペイン ~心の旅~("A Real Pain")」(’24,米/ポーランド,Searchlight)

監督:Jesse Eisenberg

出演:Jesse Eisenberg, Kieran Culkin, Will Sharpe, Daniel Oreskes, Liza Sadovy, Jennifer Grey, Kurt Egyiawan

Jesse Eisenbergが監督と主演を兼ねた一種のロード・ムービーだが,その背景にはホロコーストの記憶が横たわるという映画。1時間30分という昨今としては短い上映時間ながら,シナリオともども非常によくできた映画となっている。

元々ポーランド移民のユダヤ人としてのJesse Eisenbergがこの物語を書かせたことは間違いないところだが,本人演じるDavidと,Kieran Culkin演じるBenjiという従兄弟のキャラクターの違いに加えて,ルワンダ虐殺の生存者を演じたKurt Egyiawanの存在を通じて,ユダヤ人社会に起きたホロコーストという悲劇が強く炙り出されるという感覚を覚えた。Kieran Culkinはその名からもわかる通り,あの「ホーム・アローン」のMacaulay Culkinの弟であるが,この映画でオスカーの助演男優賞にノミネートされている。助演と言っても,ほぼ主演と言ってもよい役回りであるが,オスカー受賞確実の演技と言われているのも納得できるものであった。

ある意味Kieran Culkin演じるBenjiは無垢な人であるがゆえに,人々との間にいらぬ軋轢を生むこともあれば,その純粋さゆえの親しみを生むこともあるというのに対し,Jesse Eisenberg演じるDavidは現実的な人物としての対比も効いているし,その周りの登場人物の造形も面白いのはよくできたシナリオゆえというところだろう。主題にも書いた通り,これは実にいい映画であった。監督,シナリオ・ライターとしてのJesse Eisenbergも大したものだ。星★★★★★。

2025年2月 8日 (土)

"Kid A":Radioheadの大きな変貌。

_20250207_0001"Kid A" Radiohead(EMI)

私はRadioheadは完全に後追いで聞いている。きっかけはBrad Mehldauが"Art of the Trio Vol.3"で"Exit Film (for a Film)"を取り上げたことによるところが大きく,まずは同曲が収録された"OK Computer"を手始めに聞き始めて,なるほど,Brad Mehldauが彼らに惹かれるのもわかると思った。優れたメロディ・ラインとロックを感じさせる彼らの魅力は十分に感じられるものであった。

しかし,その"OK Computer"に続いた本作には驚かされたリスナーも多かったのではないか。あまりに前作からの変貌ぶりが激しく,同じバンドのアルバムとは思えなかったというのも事実である。だから本作リリース時の賛否両論があったことは納得がいく。リズム・セクションが明確に存在感を発揮する曲もあるものの,これはそうした「バンド」としての構造からは完全に逸脱したものだったと感じる。

このアルバムがリリースされて約四半世紀を経過した現在においては,本作への評価は爆上がりしたと言ってもよいだろうが,"The National Anthem"で聞かれるサックスなんて,フリー・ジャズ一歩手前みたいな感じなのにも抵抗がなくなったということなのかもしれない。それにしてもこのアルバムが英米のチャートで1位になったというのは信じがたい。"OK Computer"を聞いて思いきり期待値が上がったリスナーがこぞって買ったってところだろうが,どれだけ受け入れられたかは私にはわからない。ある意味このアルバムはチャレンジングなものだったと思えるだけに,大ヒットしたこと自体が凄いことであった。

私としてはこのチャレンジを受け入れるだけの度量がリリース当時はなかったが,それでもその後もRadioheadのアルバムは買い続けているのだから,相応には評価していたってことだろう。久しぶりにこのアルバムを聞いたのだが,現在の耳にはこれもありだと思わせるのは立派なことだと思う。本作は姉妹作"Amnesiac"も聞いて評価すべきだろうから,そっちも聞いてみることにしよう。

本作へのリンクはこちら

2025年2月 7日 (金)

"Acid Rain":これがAndy Middletonの初リーダー作のようだ。

_20250206_0001"Acid Rain" Andy Middleton(Owl/Time Line)

一般的にはAndy Middeltonって誰?ってことになるだろう。しかし私はこの人のアルバム"Nomad's Notebook"を通じて忘れられない人である。なぜかと言えば,そのアルバムにはRalph Townerが参加していたからで,しかもベースはDave Hollandという布陣はTownerファンを自認する私にとって気になるアルバムであり,出来もよかった(記事はこちら)。

そんなAndy Middletonのアルバムでもう一枚気になっていて,結構苦労して購入したのが本作。こちらのポイントはJoey Calderazzoの参加であった。Joey Calderazzoの初リーダー作"In the Door"が出たのは91年のことだったが,まさに日の出の勢いとでも言うべき若き日のCalderazzoの参加は大きな付加価値であった。そもそも本作をリリースしたOwl/Time Lineはプレス枚数が少ないのか,Dave Liebmanの"Spirit Renewed"も大いに苦労したし,再発されたSteve KuhnのVanguardでの残りテイク集"The Vanguard Date"もこのレーベルからだった。ということで,確か中古にしては値段もそこそこしたアルバムであった(と言っても国内盤CDの新譜+α程度の値段)。

このアルバムを久しぶりに取り出して,よくよくライナーを見てみれば,プロデュースはDave Liebmanだし,ライナーはRichie Beirachが書いているから,この人脈と関係があったってことねなんてことを改めて知った。そして演奏は無伴奏ソロなども交えて,これが初リーダー作とは思えない堂々たる出来であり,Joey Calderazzoは華を添えているが,それなしでもリーダーの実力だけで十分聞かせる音楽である。曲は"My Ideal"を除いてAndy Middletonのオリジナルだが,それも結構聞かせるものとなってるが,"Nomad's Notebook"に比べるとよりハード・ドライビングな印象(とか言いながら"Nomad's Notebook"も暫く聞いていないので,あくまで印象...)だ。テナーもソプラノもDave Liebmanを髣髴とさせるようなプレイぶりには感心するしかなかった。久々に聞いたこともあって,これまで以上に楽しめたと言ってもよい快作。ついつい星も甘くなり星★★★★☆。

Recorded on March 11, 1990

Personnel: Andy Middleton(ts, ss), Joey Calderazzo(p), Mike Abbott(g), Peter Herbert(b), Pete Abbott(ds)

2025年2月 6日 (木)

"More Stuff":これが私が買った最初のStuffのアルバムであった。

_20250205_0001 "More Stuff" Stuff(Warner Brothers)

本作がリリースされたのが1977年であったから,私はまだ高校1年だ。本作が私が買ったStuffとしては最初のものなのだが,購入したのが出てすぐだったか,少し後だったかは全然おぼえていない。いずれにしても,ロックからジャズへと聞く音楽を広げつつある時期か,もう少し前のことだったであろう。いずれにしても,このアルバムのミュージシャンがどの程度の人たちなのかなんてのは後からわかったことであって,当時はほとんど知る由もなかったのだ。当然,まだCornell DupreeとEric Galeの個性の違いすら分かっていなかったのだから私も若かった(笑)。しかし,その後,様々なジャンルのアルバムのクレジットにStuffのメンバーの名前を見ないことがないぐらいで,このバンドの意味合いは後付けで理解したようなものだった。

それはさておき,Stuffとして第2作となる本作にはプロデュースにVan McCoyが関わっている。Van McCoyと言えば,私の世代は「ハッスル」ってことになるが,その「ハッスル」にはCornell DupreeとChris Parker以外のStuffのメンツが関わっているという関係性からの縁ってところだろう。

この第2作にはヴォーカル・チューンも入っているのが第1作との違いで,よりソウル的な感覚が強くなっているところをリスナーがどう感じるかだろうが,久しぶりに聞いた感覚で言うと,例えばStevie Wonder作の"As"はもう少しソフトにやっていた記憶があったが,ちょっと違っていたのは私の中で第1作の"My Sweetness"の印象が強くなっていたからではないか。この辺りには前作のプロデュースがTommy Lipumaだったところもあり,今となっては私個人としてはStuffは第1作から聞くべきだったなぁと考えている。

もちろん,本作とて悪い出来ではなく,第1作同様のレベルだとは思うので星★★★★とするが,こうなると結局は好みの問題。フュージョン好きとしては第1作,R&B好きとしては本作って感じか。

Personnel: Cornell Dupree(g), Eric Gale(g), Richard Tee(p, key, vo), Gordon Edwards(b, vo), Steve Gadd(ds), Christopher Parker(ds), Genen Orloff(vln)

2025年2月 5日 (水)

Roy Hargrove:相当力の入った企画盤と言ってよいだろう。

_20250204_0001 "With the Tenors of Our Time" Roy Hargrove(Verve)

正直なところ,私はRoy Hagroveはトランぺッターとしては評価していても,アルバム単位では決定的な作品ってあったかなぁなんて思っているクチである。確実に佳作と呼べる水準は保っているのだが,これは凄いと思わせる作品は正直記憶にない。そんなRoy Hargroveではあるが,驚異の新人ってん感じでシーンに登場し,Novusレーベルにアルバムを残してきたが,更なるメジャー化を図るべくVerveへの移籍第一作となったのが本作だ。

そうした事情もあって,タイトルに示す通り,テナー・サックス界の大物をゲストに迎えた実に豪華な作りとなっている。だってゲストがPersonnel: Roy Hargrove(tp, fl-h), という強者揃いなのだ。これだけのゲストを迎えてしまっては,レギュラーだったRon Blakeが可哀想って話もあるが,それなりに出番は準備してある。

それにしても,この時のレギュラー・クインテットってのはいいメンツが揃っていたと思わせる。ピアノはCyrus Chestnutだしねぇ。Roy Hargroveもレーベル移籍で気合が入ったと見えて,全編に渡ってナイスなソロを聞かせる。特にいいと思わせるのがワンホーンで演じる"Never Let Me Go"ってのはどうなのよ?って気もするがレコーディング当時まだ20代半ばってのが信じがたいような,味のあるバラッド・プレイぶりにはやはり驚かざるをえない。

ゲスト陣は余裕のプレイぶりってところだろうが,間違いない!って感じで吹いているところに彼らの力量を感じる。久しぶりに聞いたが,これは企画はよくあるって感じではあるものの,Roy Hargroveとしてもやはり力の入ったアルバムだったなということで,改めて評価したい。とにかく見事なフレージングでベテラン陣に対峙しているのは立派。半星オマケして星★★★★☆としよう。

Recorded on December 28, 1993,January 16 & 17,1994

Personnel: Roy Hargrove(tp, fl-h), Johnny Griffin(ts), Joe Henderson(ts), Branford Marsalis(ts), Joshua Redman(ts), Stanley Turrentine(ts), Ron Blake(ts, ss), Cyrus Chestnut(p), Rodney Whitaker(b), Gregory Hutchinson(ds)

2025年2月 4日 (火)

これがHelge Lien Trioの初作?どのように買ったのかは記憶が曖昧。

Helge-lien-trio

"What Are You Doing the Rest of Your Life" Helge Lien Trio (Curling Legs)

Helge Lienは"Natsukashii"などその筋のリスナーの琴線に触れるアルバムをリリースしているが,本作はそれに先立つこと10年ほどの2000年にレコーディングされた,Helge Lienにとっては初のピアノ・トリオによるリーダー作と思われる。

本作の特徴はHelge Lienのオリジナルは1曲だけで,よく知られたジャズ・チューンを4曲やっていることだろうが,"So What"までやっているのには久しぶりに聞いて驚いてしまったのであったる印象は少々違う。抒情性はここでも感じさせるが,アブストラクトな感覚やよりコンベンショナルな感覚もあって,個性確立に向けての助走(序奏)って感じもさせる演奏と言うべきかもしれない。

私としては冒頭の"Fall"や最後のMichel Legrand作のタイトル・トラック辺りの演奏が最もフィット感が強いと思ったが,やはりこの人の抒情性は魅力的に響くってことだろう。星★★★★。

それにしても,私はこのアルバムをいつ,どこで,なんで購入したのかに関する記憶が曖昧である。おそらくはショップのポップにでもつられたのだろうが,結構買った時の記憶は残っている方の私としては,謎として残っているアルバムであった。

Recorded in 2000

Personnel: Helge Lien(p), Frode Berg(b), Knut Aalefjær(ds)

2025年2月 3日 (月)

今はなきBradley'sにおけるKenny Barronの優れたライブ盤。

_20250202_0001 "Live at Bradley's" Kenny Barron(Verve)

私の2年弱という短いNYC生活の中で,数々のジャズ・クラブを訪れる機会があったことは自分の人生においても,実に貴重な経験であったと思う。そうした中で,一番好きなクラブはどこだったかと言えば,私はBradley'sだったと言いたい。もちろん,Sweet Basilや55 Barも好きだったが,インティメイトな感覚という意味ではBradley'sに勝る店はなかった。今やこの3つの店は閉店してしまってもうない...。そのほかの店も今でも残っている店の方が少ないぐらいなのは残念だが,イースト・ヴィレッジには結構新しい店も開いているようだ。因みに現存する店で言えば,ぎゅうぎゅう,きつきつに客を詰め込むBlue Noteは嫌いだったし,その後もあまり行きたいと思わない店の筆頭と言ってもよい。それに比べれば,テーブルもゆったりしたBirdlandの方がはるかにいい店だ(きっぱり)。

私がBradley'sを訪れるのは決まって2軒目としてで,それはジャズ・クラブのはしごとしてでもいいし,友人と食事をした後でもよかったのだが,決まって私はバーに陣取っており,テーブルに座ったことは一度もないし,食事を頼んだこともない。あくまでも酒を飲みながら,くつろいで音楽を聞くのに最適な店だったから,この店ではやかましい音楽が演奏されていることはまずなく,トリオやデュオ編成が多かった。

そんなBradley'sが惜しくも閉店した1996年に吹き込まれたライブ音源が本作であるが,私はこのアルバムを聞いた瞬間,Kenny Barronへの評価が爆上がりしたのであった。本作はレコーディングから暫くした2001年にリリースされたものだが,あまりのよさに,当時いろいろな人にこのアルバムを勧めまくっていたのであった。それももう四半世紀前近くになってしまった。

ここでもBradley'sで演奏されるに相応しいタイプの演奏が並んでいる。冒頭から"Everybody Loves My Baby, But My Baby Don’t Love Nobody But Me"のような古い曲をやっていてびっくりするが,決して古臭さを感じさせるものではない。アルバム全体のトーンは基本的には落ち着いたものと言ってよいが,James Williamsが書いた"Alter Ego"のイントロなんて痺れるしかない出来だ。しかし,2曲目の"Solar"ではスリリングなところも聞かせて,アルバムとしてのバランスもよいのだ。その後,このアルバムの続編も出たのだが,そっちも悪くないとしても,本作がよ過ぎたということで,割を食ったのである。私としてはKenny Barronのリーダー作と言えば今も昔もこれにならざるをえない傑作。星★★★★★。まぁだまされたと思って聞いてみて下さい。

Recorded Live at Bradley's on April 3 and 4, 1996

Personnel: Kenny Barron(p), Ray Drummond(b), Ben Riley(ds)

本作へのリンクはこちら

2025年2月 2日 (日)

人生初の声楽リサイタルを聞きに,お馴染みイタリア文化会館に出向く。

Carolina-lippo私はクラシック音楽もそこそこ聞くものの,オペラはさておき,声楽は極めて少ない例外を除いてスルーというのが実態である。そんな私であるから,声楽家によるリサイタルなんて全く縁のない話であったが,今回,毎度おなじみイタリア文化会館における無料コンサートで,Carolina Lippoなるソプラノ歌手のリサイタルが行われるということで,ネットで申し込みの上,九段下まで行ってきた。

当日は武道館でMC Tysonなるラッパーのライブがあったらしく,私とは全く異なる風体の若者たちがうようよしていたのだが,彼らを横目に私は市ヶ谷方面に向かって,九段の坂を上って行ったのであった。

当日のイタリア文化会館はいつもの無料コンサート同様,(私自身を含めた)高齢者が多数派という客層であったが,いつも思うが,大概同じ人間が来ているのではないかと感じてしまうのだ。そんな中,私にとって人生初の声楽のリサイタルであったが,このCarolina Lippoという人については詳しくは知らない。声楽とピアノを学び,舞台にデビューし,現在は教鞭も執っているようだ。知っている曲はアンコールで歌ったロッシーニの"La Danza"だけというところに私の声楽音痴ぶりが表れているようにも思うが,イタリア人,スペイン人作曲家のレパートリーはあまり知られていないものではなかったかと思えた。そんな中,Carolina Lippoは表情豊かに歌いこなしていたが,聞きながらこういうのもたまにはいいねぇなんて感じていた。

まぁこういう機会を与えてくれるイタリア文化会館には感謝だが,次はどんな企画なのか楽しみに待ちたい。久しぶりにジャズ系のミュージシャンも呼んで欲しいと思っているのはきっと私だけではあるまい。無料なんだからどうこう言えた立場ではないが...(笑)。

プログラムは本人の休憩10分(聴衆は着席で待機)とアンコール含めて約80分だったが,帰り道に武道館帰りの連中とは遭遇しない時間に終了というのはよかった。

イタリア文化会館のFBページに当日の写真が掲載されていたので,貼り付けておこう。

Live at イタリア文化会館 on January 30, 2025

Personnel: Carolina Lippo(vo),小埜寺美樹(p)

Carolina-lippo-at-iic

2025年2月 1日 (土)

今年最初の映画館で見た映画が「ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー」であった。

High-low-john-galliano_20250126105301 「ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー("High & Low ‐ John Galliano")」(’24,英/米/仏)

監督:Kevin Macdonald

出演:John Galliano, David Harrison, Hamish Bowles, Jeremy Healy

少し前のことになるが,珍しや家人の誘いでミニ・シアターに観に行ったのがこの映画であった。本作は昨年公開されたものだったが,細々と公開が続けられていたようだ。

正直言ってファッションに何の関心もない人間にとってはJohn Gallianoって誰よ?ってことになるのだが,これはその姿を追ったドキュメンタリー映画。"High & Low"のタイトルは黒澤明の「天国と地獄」の英語タイトルだが,John Gallianoにとっての「天国と地獄」を描いたもの。私にとっては何の前提となる知識もない中で見たことになるが,これがなかなか面白い映画であった。

デザイナーとして大きな成功を収めていたJohn Gallianoが,奇異な行動や人種差別発言によって,転落の道を歩みながら,その後,復活を遂げる姿が描かれているから「天国と地獄」な訳だが,なかなかにドラマチックな人生だと思ってしまう映画だ。天才には天才なりの悩みがあって,それが暴発することによる自業自得に陥るというものだが,私は見ながらずっと「へぇ~」なんて思い続けていたのであった。よくできたドキュメンタリーだというのが正直な感想。私の通常見に行く映画のテリトリーには決して入ってこない作品だが,勉強になりました。星★★★★。

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