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2025年1月 8日 (水)

中古で拾ったCharlie HadenのMontreal TapesはJoe Hendersonとのトリオ盤。

_20250104_0001 "The Montreal Tapes: Tribute to Joe Henderson" Charlie Haden (Verve)

これは昨年暮れに中古盤屋をうろついていてゲットしたアルバム。"Montreal Tapes"のシリーズは私も何枚か保有しているが,全部買っておけばよかったと思っても,後の祭りである。私が保有しているだけでもCharlie Hadenらしさ満載と言ってよいアルバム群である。そうした中で,多少ほかのアルバムから遅れて2003年にリリースされたのが本作は,タイトルの如くJoe Hendersonが2001年に亡くなった上での追悼盤と考えてよい。リリースが遅れたのは当初は出すつもりがなかったってことかもしれないが,もしこれが埋もれていたら惜しいと思わせたに違いない。

ライナーにCharlie Hadenも書いている通り,Joe Hendersonはこのライブに際して,"Charlie, let’s play something free like you did with Ornette."と声掛けをしてライブに臨んだらしいが,全編に渡ってそういう感じという訳ではなく,最もそれっぽいのは3曲目の"In the Moment"ということになる。ピアノレスのトリオなので,そもそも演奏の自由度は高いところに,意図的にそうしたフレイヴァーを持ち込んでいるのが顕著に表れたのがこの演奏で,最もOrnette Coleman的なサウンドに傾斜したものとなっているのも,Charlie Hadenがライナーで認めている通りだ。

ほかの演奏については,基本的にコンベンショナルな範疇での演奏と捉えてよいものではあるが,Joe Hendersonのフレージングは相当刺激的だ。私は生前のVerve時代のJoe Hendersonはややソフトな感触があって,アルバムとしては悪くないとしても,ぞくぞくするような感覚は得られていないと感じるところもあった。しかし,本作でのJoe Hendersonは昨年末に発掘リリースされた"Forces of Nature: Live at Slugs'"ほどではないとしても,Verveのアルバム群とは明らかに異なる吹きっぷりだと思えた。

最短が冒頭の"Round Midnight"の12分で,全編が長尺で演奏される中で,Joe Henderson,Charlie Haden,Al Fosterの3者が自在に演奏するさまは,Joe Hendersonを追悼するには最適な音源であったと言ってもよい。惜しむらくは"All the Things You Are"のフェード・アウト(かつフェード・イン気味)であるが,これだってそれでも19分越えなのだ。こうしたところが,当初リリースを見送られていた理由ではないかと想像するが,それでも埋もれていなくてよかった。星★★★★☆。

これでこの時の音源で正式にリリースされていないのはPat MethenyとJack DeJohnetteとの演奏ということになるが,ストリーミングでも非公式音源として公開されているのでご参考まで(ラジオMC入りのストリーミング音源へのリンクはこちら

Recorded Live at Monteal Jazz Festival on June 30, 1989

Personnel: Charlie Haden(b), Joe Henderson(ts), Al Foster(ds)

本作へのリンクはこちら

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