Terje Rypdalの"Blue":プログレ的なるものとアンビエント的なるものの融合。
"Blue" Terje Rypdal and the Chasers(ECM)
Terje Rypdalはロック的なセンスを有するギター・プレイヤーであるが,この典型的トリオ編成でのアルバムは,ロック的な感覚は残しつつも,サウンドは主題の通り,よりプログレ的であり,アンビエント的と呼べるものと思う。ビートが明確な曲もあるが,むしろ多数派はノー・リズムで緩やかな音とが流れる。
本作と同じメンツで吹き込んだ"Chaser"というアルバムがあるので,本作ではChasersというバンド名になっているというのはちょいと安直ではないかと思いつつ,まぁバンド名何てそんなもんか...(笑)。しかし同じメンツにしては"Chaser"の,特にその冒頭の"Ambiguity"のよりロック・フレイヴァーが強いスリリングな響きや,フリーさえ吸収してしまうような音とは随分違うと感じてしまう。
こうなるとどっちが好みかって話になるだろうが,私としてはまぁどちらもTerje Rypdalだよなぁと思う。そうは言いつつ"Chaser"とていろいろな響きが混在しているから,それがTerje Rypdalの個性と考えればよいだろう。
いずれにしても,本作はややエッジは抑え気味のTerje Rypdalってところ。星★★★☆。
Recorded in November 1986
Personnel: Terje Rypdal(g, key), Bjørn Kjellemyr(b), Audun Kleive(ds, perc)
本作へのリンクはこちら。
« 買ってから全然聞いていなかったIan Matthewsのアルバムだが,これぞ選曲の妙であった。 | トップページ | 笠井紀美子の"TOKYO SPECIAL":昨今ならシティ・ポップって言われるのか...。 »
「ECM」カテゴリの記事
- Terje Rypdalの"Blue":プログレ的なるものとアンビエント的なるものの融合。(2025.01.30)
- 新年最初に聞いたのはBill Connors。(2025.01.02)
- Arild Andersenのソロ作:ECMでしか成り立たないよなぁ。(2024.12.27)
- "Ambience of ECM"に行ってきた。(2024.12.22)
- これも現物未着のためストリーミングで聞いたThomas Strønenの"Relations"。自由度高っ!(笑)(2024.12.16)
「アンビエント」カテゴリの記事
- Terje Rypdalの"Blue":プログレ的なるものとアンビエント的なるものの融合。(2025.01.30)
- 2024年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)(2024.12.28)
- Arild Andersenのソロ作:ECMでしか成り立たないよなぁ。(2024.12.27)
- ようやく到着:Ben Monderの3枚組超大作"Planetarium"。(2024.12.18)
- Robert Glasperの新音源はアンビエント・ミュージックの趣。(2024.06.17)
「ジャズ(2025年の記事)」カテゴリの記事
- "Acid Rain":これがAndy Middletonの初リーダー作のようだ。(2025.02.07)
- "More Stuff":これが私が買った最初のStuffのアルバムであった。(2025.02.06)
- Roy Hargrove:相当力の入った企画盤と言ってよいだろう。(2025.02.05)
- これがHelge Lien Trioの初作?どのように買ったのかは記憶が曖昧。(2025.02.04)
- 今はなきBradley'sにおけるKenny Barronの優れたライブ盤。(2025.02.03)
« 買ってから全然聞いていなかったIan Matthewsのアルバムだが,これぞ選曲の妙であった。 | トップページ | 笠井紀美子の"TOKYO SPECIAL":昨今ならシティ・ポップって言われるのか...。 »
コメント