Amazon Primeで見た「危険がいっぱい」。
「危険がいっぱい("Les Félins")」(’64,仏)
監督:René Clément
出演:Alain Delon, Jane Fonda, Lola Albright, André Oumansky, Carl Studer
監督がRené Clémentで,主演がAlain Delonだからと言って,「太陽がいっぱい」にあやかって,「危険がいっぱい」という何とも安直な邦題が笑えるこの映画をAmazon Primeで見た。本作も見放題の収量が近いということで慌てて見たというのが実態。
まぁ原題の"Les Félins"ってのも,「ネコ科の動物」みたいな意味らしいから,それでは何のことかわからないが,映画を見ればなるほどと思えるタイトルだ。「太陽がいっぱい」がPatricia Highsmithの"The Talented Mr. Ripley"を原作としたのと同様,本作も米国人作家Day Keeneの"Jou House"が原作というのが面白い。おそらくこの辺はRené Clémentの趣味って気がする。
明らかに設定に無理のあるサスペンス劇ではあるが,この映画は完全にAlain Delonの美貌を楽しめばいいって感じではあるものの,なかなか楽しめる映画であった。Jane FondaはAlain Delonに相手にしてもらえないMilanda役を演じているが,まぁその細いことよ。その可愛らしくて若々しい姿を見ているだけでも実は嬉しくなっていた私である。もう一人の主役と言ってよいLola Albrightはこの映画の公開当時は,軸足をTVに移していた人のようで,結構な別嬪だと思えたが,Jane Fondaの何となく初々しい感じと違いがあってこの人もなかなかよい。
それにしてもAlain Delonだ。少々情ないような部分も示しながら,最終的にはカッコいいのである。運転手の恰好でサングラスをかけるだけでさまになってしまうのだから,美形は得だ(笑)。それを引き立てるのが名手Henri Decaëによるカメラ・ワーク。風光明媚なニースの風景や冒頭のNYC等,やっぱりこの人上手いわって感じなのもよかった。
そして音楽はLalo Schifrinのジャジーな響きが,この映画へのフィット感が大きかったと思う。演奏者はクレジットされていなかったが,ベースはPierre Michelotが弾いていたらしく,冒頭からいい感じを生み出していた。そうした要素も含めて星★★★☆ぐらいだと思うが,このラストは因果応報的に結構ひねりが効いていて,原題はこれで理解できるというところ。
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