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2025年1月17日 (金)

年末年始に見た映画(8):恥ずかしながら初めて見た「地獄の黙示録」はそのファイナル・カット。

Apocalypse-now 「地獄の黙示録("Apocalypse Now")」(’79/’19,米)

監督:Francis Ford Coppola

出演:Marlon Brando, Robert Duvall, Martin Sheen, Frederic Forrest, Sam Bottoms, Lawrence Fishburn, Harrison Ford, Dennis Hopper, Scott Glenn

年末年始にストリーミングで見た映画の最後が本作であった。私が見たのはファイナル・カット版ということで,オリジナルより30分長いらしい。その前にはRedux(特別編集版)というファイナル・カットより更に20分長いヴァージョンも存在するというのは,今回見るまで全然知らなかった。

オリジナルが公開された当時,相当話題になっていたはずの本作をなんで見ていないかったと言えば,私は公開当時浪人中であり,さすがに映画を見る余裕はなかった。とか何とか言いつつ,毎日ジャズ喫茶に入り浸って,読書ばかりしている生活を送っていたが...(笑)。今更ながらであるが,私が現役での受験に失敗したのは全て国語の点数によるものであった。高校時代に国語が苦手という意識はなかったが,受験時の成績(今はどうかわからないが,当時,わが母校は不合格者にだけ点数を教えてくれた)を見れば明らかだったから,私は一念発起して,本を読みまくっていたのだ(笑)。ついでに高校の同級生の女子には迷惑だっただろうが,複数の女子に手紙を書きまくって文章能力を磨いていた(爆)。

それでもってこの映画を初めて見て,あまりの強烈さにまいってしまった。映画を見ていて途中に出てくるフランス人の農園のシークェンスが浮いている感じがしたが,ここはオリジナルにはなかったものを復活させたらしい。この映画を見ていると,前半と後半でトーンが少々違って,この辺りに違和感を覚える人がいるのは仕方ないと思う。それほど前半の戦争シーンの印象が強烈で,まさに狂気すら感じさせるものだから,終盤でMarlon Brandoが登場してくる土俗的な感覚の映像とのギャップに戸惑うと言えばその通りとも言える。

だが,この映画,描き方は前後半で変わるとしても,全編を通じて「狂気」が貫かれているというのが私の感覚である。そのトーンの変化のトリガーがフランス人の農園のシーンだったとも思えるが,そのシーンにもやはり「狂気」は存在していたと思えるのだ。

正直言って,年末年始の休暇の最後に見る映画としては相当に重苦しい映画だったとも言えるが,絶対に見て損はないと思えた。とにもかくにもこの緊張感は半端ではなかったし,出ている役者陣が実に面白いキャスティングで,それを見ているだけでも楽しめてしまった。特にびっくりしたのがLawrence Fishburn。現在の姿と似ても似つかぬ痩せっぷり。そのほか,Harrison Fordは出てるわ,Scott Glennはセリフなしのチョイ役で出てるわ,Dennis Hopperは出てくるわと彼らを見ているだけでも楽しんでしまった。それでも一番の儲け役はRobert Duvallだったかもなぁ。Coppolaの映画ではこの人,いいところを持っていくねぇと思ってしまった。星★★★★★。

それにしても,Doorsの"The End"と言い,「ワルキューレの騎行」といい,音楽の使い方も実に見事であったが,よくよくクレジットを眺めているとAirto Moreiraらの名前も出てくるのも面白かった。

本作のBlu-rayへのリンクはこちら

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コメント

脚本は毎日変わる。キャストや天候にも悩まされて、撮影は進まない。遂には資金も底をつく。自宅などを抵当に入れて資金確保して撮影は続けられましたが、元々ラストをどうするか決めてなかったらしく、そのための追加撮影や撮影後の編集にも大変な時間が掛かってる。とても過酷だったみたいですよ。

それで仕方なくオリジナルは戦争映画っぽく編集して資金回収。特別編集版は本来の姿に戻して話をわかりやすく提示。ファイナルカットは長すぎた特別編集版を話が破綻しない程度に再編集した。こんな感じですよね。

地獄の黙示録の3バージョンを観るのも良いですが、本編より評価された(?)製作時のドキュメンタリー「ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録」を観ると良いと思います。本編以上に混乱した製作時のエピソードがとても興味深いです。

Rooster Cogburnさん,こんにちは。

頂いたコメントで本作の背景がよくわかりました。ありがとうございます。

>地獄の黙示録の3バージョンを観るのも良いですが、本編より評価された(?)製作時のドキュメンタリー「ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録」を観ると良いと思います。本編以上に混乱した製作時のエピソードがとても興味深いです。

さすがに3ヴァージョンはきついですが,ドキュメンタリー蜂興味深いですね。こちらも情報ありがとうございます。

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