中古で入手した高橋アキのダイレクト・カッティング盤。
ブログのお知り合いの記事でこのアルバムの存在を知って,猛烈に欲しいと思っていたので,ショップのウォント・リストに登録して出品を待っていた。ようやくそれが出品されたとの情報を入手し,すかさずゲットである。
70年代後半にダイレクト・カッティングという方式が結構はやって,私が当時購入していたのがLee Ritenourの"Gentle Thoughts"やDave Grusinの"Discovered Again!"あたりだった。まぁその頃には高橋アキは私の関心の完全な対象外だったから,彼女にもダイレクト・カッティング盤があるなんてことを知る由もなかったし,知っていても買っていなかったことは間違いない。しかし,ピアノによる現代音楽が好物となってしまった今の私にとって,これはどうしても聴きたい!あるいはどうしても欲しい!という物欲を刺激したのであった。
私がゲットしたのは見本盤で,ジャケの状態は決して良好とは言えないものだが,もはや半世紀近く前のレコードだから,多くは望むまい。盤質はほぼまともだから,音楽を聞く上での問題はない。ダイレクト・カッティング盤ゆえの音のクリアさは,私のしょぼいオーディオ装置でも感じられるものである。アルバムのライナーにはエンジニアの弁として「音像を左右に広げて,音の一音一音の粒立ちを適確にとらえ,和音を左右の広がった面で表現しようとした。」とあるが,それは成功していると思える。加えて,何よりも高橋アキの明晰なピアノが素晴らしい。やはりこの人の弾く現代音楽の魅力には抗い難いと思ってしまう。この響きがたまらんのだ。
世の中,探せば私が入手したレコードより状態のよいものはあるだろうが,当然価格も上がるであろう。まぁ今回入手した盤の値段はまぁ許せるというものだったからOKである。因みに以前私が入手した「高橋アキの世界」のアナログもディスクはきれいでも,箱は結構ぼろかった。それでもこういうアルバムは保有していることに意義があるのだ,と開き直りたい。だからこそ「高橋アキの世界」は売却する気もないので,かなり激しく(笑)テープで補修したのである。
いずれにしても,こういうレコードを入手できたことを喜びたい。それを含めて星★★★★★だ。それにしてもよくぞこんなアルバムを作ったものだ。世の中に何枚ディスクが存在しているのかも実に興味深い。
Recorded on July 27-29, 1977
Personnel: 高橋アキ(p)
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