今年最後の音楽記事は,残念ながら来日できなかったHilary Hahnの無伴奏ヴァイオリン。
"Eugène-Auguste Ysaÿe:Six Sonata for Violin Solo op.27" Hilary Hahn(Deutsche Grammophon)
今年最後の音楽記事は何にしようか考えていたのだが,前々から買おうと思いつつ,入手しそこなっていたHilary Hahnによるイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタにしよう。
Hilary Hahnは今年の12月に来日が予定されていたが,神経系の病により長期療養が必要と診断されて,あえなく中止となってしまったのは残念なことであった。と言いつつ,私はそのチケットを買っていた訳でもないが,このアルバムを聞くと,彼女の病気からの早期の復活を祈りたくなる。それほど本作はよいのだ。
不勉強にしてイザイの無伴奏ソナタは初めて聞いたが,自らもヴァイオリニストとして名を成したイザイが書く曲であるから,多分技巧的には相当難しいのだろうと思わせるが,一聴してこれは大変な曲だと思えた。しかし,Hilary Hahnは見事に弾きこなしていて,こんな演奏ならもっと早く聞いておけばよかったと反省してしまった。
亡くなった父の影響もあって,私はヴァイオリンの演奏を好む傾向はあるが,無伴奏と言えばついついバッハとバルトークになってしまうというその程度のリスナーであり,イザイなんて名前も知らんわってのが実態であった。しかし,こんな演奏を聞かされては,自らの不見識を反省せざるをえないし,そう思わせてくれたHilary Hahnには感謝しなくてはならない。実に見事な演奏であった。星★★★★★。リリース後にすぐに聞いていれば,昨年のベスト作の一枚に入っていたこと間違いなし。
Recorded in November and December 2022
Personnel: Hilary Hahn(vln)
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