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2024年12月16日 (月)

これも現物未着のためストリーミングで聞いたThomas Strønenの"Relations"。自由度高っ!(笑)

Relations"Relations" Thomas Strønen (ECM)

これも発注のタイミングで,リリースされたものの現物が届かないので,ストリーミングで聞いている。このジャケを見ると魅力的なメンツが並んでいるので,バンド形態での演奏と思ったら,基本的にはリーダーThomas Strønenのソロ及び参加したメンツとのデュオ・アルバムである。

いきなりThomas Strønenのソロ・チューンでスタートし,おぉっ,これは何か雰囲気が違うと思わせるのだが,各々のメンバーと繰り広げられる演奏は主題の通り極めて自由度が高い。破壊的なフリー・ジャズという感じではないが,書かれた音楽ではなく,スポンテイニアスなインプロヴィゼーションと言ってよいものばかりだ。1曲当たりの収録時間は短く,最長でも冒頭の"Confronting Silence"の4分4秒だし,全体でも35分程度だ。まぁこういう即興的な演奏はこれぐらいが丁度いいと思わせるが,これがいかにもECM的でなかなか面白い。「高野山」なんて曲もあるしねぇ。

ECMのサイトによれば,Thomas Strønenがアルバム"Bayou"のレコーディングを早めに終了させたことで生まれたスタジオの空き時間に,総帥Manfred Eicherがソロ・パーカッションでの演奏を示唆したのが契機で,そこから数年かけて出来上がったのがこのアルバムということらしい。

メンツにはJorge Rossyも含まれているが,ここではJorge Rossyはピアノをプレイしている。Jorge Rossyはドラムスだけでなく,ヴァイブやピアノのプレイも多くなっているが,"Nonduality"をはじめとして,静謐で現代音楽的な響きを聞かせて,何でもできるねぇと思わせる。

アルバム全体を貫くのは現代音楽にも通じるクールな音空間であり,即興性を重視した演奏はおそらくはリスナーの好みは大きく分かれるはずだ。Craig Tabornはまぁわかるとしても,日頃のクリポタの演奏とは一線を画するところがあるが,私は結構楽しんだクチだ。正直言ってしまえば何度も,あるいは頻繁にプレイバックしようという感じの音楽ではないのだが,私にとっては好物に近い音楽と言ってよいだろう。こういう想定外のアルバムが出てくるところがいかにもECMである。ちょいと甘いと思いつつ,星★★★★☆としてしまおう。尚,Sinikka Langelandが弾いているカンテレというのはフィンランドの民族楽器だそうだ。へぇ~。

Recorded between 2018 and 2023

Personnel: Thomas Strønen(ds, perc), Chris Potter(ts, ss), Craig Taborn(p), Jorge Rossy(p), Sinikka Langeland(kantele, vo)

本作へのリンクはこちら

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コメント

こんばんは。

マンフレート・アイヒャーは意外なアイデアを持っているようで、私は中身をチェックしないで注文しましたが、実際に音が出るのを聴いていると、予想をけっこう裏切ってはくれました。ただ、コロナの時期に流行った録音手法でもあるし、こういう感じもまた良いなあ、と思います。今回買った3枚の中ではこれのみProduced byマンフレート・アイヒャーと書いてありました。

当方のブログアドレスは下記の通りです。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2024/12/post-bc2020.html


910さん,こんばんは。リンクありがとうございます。

>マンフレート・アイヒャーは意外なアイデアを持っているようで、私は中身をチェックしないで注文しましたが、実際に音が出るのを聴いていると、予想をけっこう裏切ってはくれました。ただ、コロナの時期に流行った録音手法でもあるし、こういう感じもまた良いなあ、と思います。今回買った3枚の中ではこれのみProduced byマンフレート・アイヒャーと書いてありました。

なるほど。本作の言い出しっぺはEicherだと思いますますが,最終的によくここまで仕上げたって思います。やっぱり大プロデューサーだ(笑)。

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