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2024年12月25日 (水)

師走にボサ・ノヴァでくつろぐ。

_20241224_0001 "The Sound of Ipanema" Paul Winter with Carlos Lyra(Columbia)

私はブラジル音楽もそこそこ好きだが,ボサ・ノヴァの持つゆったり感(それをサウダージと呼んでもよいのかもしれないが...)はいかなる状況にもフィットするものだと思っている。そんなボサ・ノヴァを聞くならブラジル人ミュージシャンのアルバムを聞いていればいいと思いつつ,アメリカ人でもちゃんとブラジル音楽を理解しているミュージシャンもいるということで,今日はPaul Winterのアルバムである。

Paul Winterと言えば,後のRalph TownerらOregon組を擁したPaul Winter Consort以降の方がよく知られたところだが,それに先んじてブラジル音楽に取り組んでいたことを忘れてはならない。ジャズ界でボサ・ノヴァと言えばStan Getzと考えられるのは仕方ないところだが,Paul Winterが"Jazz Meets the Bossa Nova"をリリースしたのはGetzが"Getz/Gilberto"をリリースするよりも前なのだ。それに続いて本作と"Rio"がリリースされ,ブラジル3部作となる訳で,Paul Winterの名誉のために言えば,"Getz/Gilberto"が売れたからボサ・ノヴァに取り組んだ訳ではないのだ。

ここではCarlos Lyraの何ともソフトな歌声もあって,実に心地よい時間が流れていく。本作を聞いていると「Paul Winter,わかってるねぇ~」と言いたくなってしまうのだ。ブラジル音楽へのちゃんとした理解があってこそできる音楽であり,Paul Winterのソフトなアルトの響きとのマッチ度も素晴らしい。裏ジャケに書かれた"The Warm Sound of Saxophonist Paul Winter, with the Lyrical Songs, the Sensitve Singing and the Gentle Guitar of Carlos Lyra, Brazil's Great Young Composer"という表現こそ,まさに言い得て妙だ。ピアノを弾くSergio Mendesも楚々とした伴奏ぶりも好印象で,総合的に見ても,アメリカ資本によるこの手のアルバムとしては屈指の作品と言いたい。星★★★★★。

Personnel: Paul Winter(as), Carlos Lyra(vo, g), Sergio Mendes(p), Sebastião Neto(b), Milton Banana(ds)

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