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2024年11月 5日 (火)

ジャズ・フェスの企画として素晴らしいと思えるLabel Bleu所属の面々によるライブ盤。

_20241102_0001"9/11 p.m. Town Hall" Various Artists(Label Bleu)

現在のニューヨークにおける夏のジャズ・フェスティバル事情はよく分からないが,私が在米中はJVC Jazz Festivalの大規模イベントとして開催され,その前はスポンサーが違ってKool Jazz Festivalとして開催されていたはずだ。今はどうなっているのだろうかと思っても,仕事でNYCに行く機会はもうないだろうし,フェスのシーズンにNYCに行ったとしても,チケットが取れる保証はなかった。私が現地でこのフェスに参加できたのは91年の1回のみだが,その時は3つぐらいライブに行ったように記憶している。それなりに面白い企画もののプログラムもあれば,Miles Davisのようなビッグネームによるライブ等あるという感覚で構成されていた。このアルバムは1988年のJVC Jazz Festivalで行われたプログラムの実況録音だが,これがなかなか面白い。

これはLabel Bleuを傘下に収めるMaison de la Culture d’Amiens(アミアン文化会館?)とMusique Française D'aujourd'hui(今日のフランス音楽)がプロデュースして,当時Label Bleuに所属していたミュージシャンを中心とする演奏を収めていて,欧州ジャズの実力者が出てくるが,その中心にいるのがJoachim Kühn,Jean-François Jenny-Clark,Daniel Humairから成るトリオである。基本はこのリズム・セクションが核となって,そこにMichel Portalらが加わるという形態であるから,一種の顔見世興行と言ってもよいのだが,そこは実力者の集まりということで,スリリングな演奏が続く。ピアノについてはMartial Solalが2曲でJoachim Kühnと代わり,ギターのMarc Ducretは1曲のみ,Michel Portalは3曲で聞ける。

ライブ・レコーディングゆえ,結構長尺の演奏が続き,最長はMichel Portalの"Alto Blues"の19分26秒であるが,演奏はどれも緊張感に溢れていてだれることがないのは立派だと思える。まぁJoachim Kühnのトリオが中心なので,テンション高めの演奏になることは必定とも言えるのだが,想定通りの音なのがある意味嬉しい。

面白いのはMichel Portalがバスクラ,アルト, バリサクに加えてバンドネオンを演奏していることだろうか。Michel Portalがまたハイ・テンションで飛ばしているが,そういう意味で出演しているミュージシャンには相応の活躍の場を与えて,その実力を知らしめるという意味で意義深いイベントだったと思える。上には顔見世興行と書いたが,ちゃんとこのイベントに向けてリハーサルを積んで臨んでいることが音からも感じられる。フェスという場でありながら,お気楽なところ皆無という感じが素晴らしい。イベントというのはこのレベルでプロデュースすべきということを強く感じさせる逸品。もちろん,このテンションだから,必ずしも耳に心地よい訳ではないが,これも欧州ジャズの一面ということを示した快作。この心意気を買って星★★★★★としよう。このアルバム,CDはなかなか入手が難しそうだが,ストリーミングではDaniel Humairで検索すれば見つかるはずなので,ご関心のある方は是非どうぞ。

Recorded Live at Town Hall, NYC on June 29, 1988

Personnel: Joachim Kühn(p),Jean-François Jenny-Clark(b),Daniel Humair(ds), Martil Solal(p), Michel Portal(b-cl, as, bs bandneon),Marc Ducret(g)

本作のストリーミングへのリンクはこちら

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