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2024年11月12日 (火)

ECMお得意(?)のKeith Jarrett音源拾遺集。

Old-country"The Old Country: More from the Deer Head Inn" Keith Jarrett(ECM)

引退状態のKeith Jarrettの新作はもはや望むべくもないが,ECMが過去の音源を掘り起こすというのは,Keith Jarrettがまだ元気に演奏をしている時からあったから,まだまだ眠っている音源はあるはずだと考えて然るべきだ。

そんな中,リリースされたのが本作だが,これは92年に録音され,94年にリリースされた"At the Deer Head Inn"の残りテイクだから,リリース30周年という意味合いもあるように思える。まぁ聞けばわかる通り,安定のKeith Jarrettの演奏であり,眠らせておくのはもったいないと考えるのが当然だ。

"At the Deer Head Inn"が珍しかったのは,そのメンツである。Keith JarrettはGary PeacockとはStandards Trioで演奏を続けていたが,Paul Motianとは久々の共演(16年ぶりだったらしい)だったし,更にこの3人によるレコーディングは前作並びに本作以外にはないということで,その珍しさがリリース当時からあった。だが,Jack DeJohnetteのシャープなドラミングに慣れてしまっていると,Paul Motianのドラミング(特にスティック使用時)は少々ドタドタ感があるように思える。そう言えば,Paul MotianがEnrico PieranunziとやったVillage Vanguardでのライブでも同じような感覚を持っていた(それに関する記事はこちら)。Paul Motianは黄金のBill Evans Trioも支えたドラマーであるし,リーダーとしても一流だったが,ここでの演奏には若干違和感を感じる部分が一部あるように思えた。Keith Jarrettとの共演に関して言えば,American Quartetや"Hamburg '72"では全く違和感はなかったのだが,ドラムスのセッティングゆえか,あるいはスタイルの経年変化もあったのかもしれないなんて思いつつ聞いていた。

しかし,上述の通り,トリオの演奏としては安定感があって,十分に楽しめる。よく知られたスタンダードやジャズ・オリジナルでも,彼らの手にかかればやはり凡百のミュージシャンが演じるものとは異なる魅力的な音楽が生まれることを実証している。残りものと言ってしまえばそれまでだが,そんじょそこらの残りテイクとは異なるってことで,リリースされた意義も認めて星★★★★☆。

余談だが,本作が収録されたDeer Head Innがあるのはペンシルバニア州アレンタウンである。あのBilly Joelが歌った"Allentown"そのものだが,先の大統領選挙でも話題になったまさにラスト・ベルトの代表のような街だ。Keith Jarrettがこの街の出身というのは,Keithのイメージと少々違う面白い事実だと思った。

Recorded Live at the Deer Head Inn on September 16, 1992

Personnel: Keith Jarrett(p), Gary Peacock(b), Paul Motian(ds)

本作へのリンクはこちら

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コメント

何とキースジャレットではないですか!キジャレといえば「ケルンコンサート」、40数年前の北海道勤務時代にケルンコンサートを聴きまくっていました。札幌でコンサートも行きました。久しぶりにまた聴いてみよう!

ローリングウエストさん,こんばんは。

>キジャレといえば「ケルンコンサート」、40数年前の北海道勤務時代にケルンコンサートを聴きまくっていました。

キジャレ!そう呼ばれる方は初めてかもしれません。ケルンは心にやはり響きますよねぇ。特に北海道には合いそうです。

>札幌でコンサートも行きました。久しぶりにまた聴いてみよう!

私もKeithのライブは何度か行っていますが,ソロは長尺ではやらなくなってからですねぇ。Standardsも何度か見ました。懐かしいです。

毎年発掘していっても、今世紀中は大丈夫。
まだいくらでも眠ってるはず。

ディランはさすがに出尽くした感あり。

キースで好きなアルバムはと聞かれると、「Death and the Flower」とか、「Changeless」あたりが頭に浮かぶ私ですが、ソロよりはトリオになりますね。
そして最も好きなアルバム・ジャケは「At The Dear Head Inn」なんです。ジャズってやっぱり深夜遅くまで、アルコールと友人との懇談で聴くというのが最高なんです。そんな事をイメージさせる深夜のちょっと町はずれの姿をイメージせるあのジャケは、ジャズそのものの魅力です。その続編・・・このアルバム・ジャケはちょっと不満足ですが、文句は言いません。

MRCPさん,おはようございます。

>毎年発掘していっても、今世紀中は大丈夫。
>まだいくらでも眠ってるはず。

相当数はあるでしょうね。まぁ質のいいものだけ出してくれれば。

>ディランはさすがに出尽くした感あり。

The Bandとのライブ集成盤も出ましたので,ライブ音源ならまだまだありそうですが,どうでしょう。と言っても私はもはや打ち止め状態で,聞くにしてもストリーミングで十分ですが。

photofloyd(風呂井戸)さん,おはようございます。

>キースで好きなアルバムはと聞かれると、「Death and the Flower」とか、「Changeless」あたりが頭に浮かぶ私ですが、ソロよりはトリオになりますね。

それはまた渋い。

>そして最も好きなアルバム・ジャケは「At The Dear Head Inn」なんです。ジャズってやっぱり深夜遅くまで、アルコールと友人との懇談で聴くというのが最高なんです。そんな事をイメージさせる深夜のちょっと町はずれの姿をイメージせるあのジャケは、ジャズそのものの魅力です。その続編・・・このアルバム・ジャケはちょっと不満足ですが、文句は言いません。

なるほど。Keith JarrettのECMのアルバムはECMらしさが若干乏しく感じられるのも事実ですが,"At the Dear Head Inn"についてそういう見方はフォトグラファー,風呂井戸さんらしいかもしれませんね。

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