Blomstedt/N響でシューベルトを聞く。

Herbert Blomstedt,97歳にしていまだ現役。しかし,昨年のN響公演は来日そのものがキャンセルされたものの,今年もN響とやると発表され,次はあるのか?と思うと,さすがに今回はチケットを買ってしまった私である。こういうのはCharles Lloydのライブとかと同じ感覚なのだ。しかし,そんなことを考えていたら,来年のN響定期にはBlomstedtの名前が...。マジか!?。それはさておき,今回のCプロのシューベルトの「未完成/グレイト」というプログラムは相当魅力的であった。「未完成」は生で聞いた記憶はないし,「グレイト」の生は88年にロンドンでTennstedt/LPOで聞いて以来だ。
Blomstedtはこのプログラムを3年前にライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とレコーディングしているが,97歳のBlomstedtが2曲で90分を生で指揮できるのかという不安もありつつも,やっぱりこれを逃す訳にはいかない。そもそも来日できるのかという不安はBプロ,Aプロを既に振っていたので解消していたが,さて一体どうなるのかという心持ちでNHKホールに向かった私である。
第一部は「未完成」だったが,正直言ってそれほど感銘を受けるってほどではなく,淡々と演じられた感覚が強かった。だが,休憩後の「グレイト」で印象は一変した。「未完成」は前菜に過ぎず,メイン・ディッシュは間違いなく「グレイト」であった。BlomstedtもはN響「グレイト」に向けて力を温存していたとしか思えない素晴らしい演奏であった。
これが97歳の指揮者か?と言うべき演奏であり,終演後の怒涛の「ブラボー」を聞いても,聴衆も同じように感じていたはずだ。私は真にGreatな「グレイト」を聴いたと思ったというのが実感だ。Blomstedtは下半身の衰えは顕著でもその指揮っぷりは活力に満ちたものであり,実に素晴らしかった。私は血湧き肉躍る感覚さえおぼえていたが,こんなのはKleiberでベト4/7を聴いて以来だと言ってもよかった。
正直言ってここまでの演奏を聴けるとは思えなかったが,まさに望外の喜びを感じる演奏であった。Herbert Blomstedt恐るべし。感動した!
Live at NHKホール on October 25, 2024
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