録りだめしたビデオで見た「マンハッタン無宿」。懐かしさに加え,素朴ささえ覚える。
「マンハッタン無宿 ("Cougan’s Bluff")」('68,米,Universal)
監督:Don Siegel
出演:Clint Eastwood, Lee J. Cobb, Susan Clark, Don Stroud, Tisha Sterling
この映画を見るのがいつ以来かすら全く記憶にないが,TV放映では見たことがあるはずだ。後の「警部マクロード」の元ネタになったとも言われている作品だが,それよりもその後,名コンビとして鳴らすClint EastwoodとDon Siegelの第一作となったことの方が重要と思える。久しぶりに見て,細かいところは忘れていても,大体のプロットやバイクのチェース・シーンは記憶に残っていた。
まぁ作品自体は他愛のないアクション映画だと言ってもよく,今となっては素朴な味わいさえ感じさせると言ってもいいのだが,もう半世紀以上前の映画だからそれは当たり前と言ってもよいだろう。60年代後半のNYCの風景を見ると,その後,私が在住していた頃とは随分違うのは当然だが,ロケーション場所として,メトロポリタン美術館の分館であるクロイスターズが出てきて,郷愁を誘われてしまったところもある。
余談ながら,クロイスターズは中世美術が集まった渋い美術館で,回廊が魅力的な場所だった。地下鉄で190丁目駅まで行く必要があるということもあって,なかなか日本人観光客は行くことは少ないだろうが,私が訪れたのはNYC在住中で,治安もあまりよくない時代であったから,地下鉄の駅からの落書きだらけのトンネルが無茶苦茶長く感じたのも懐かしい。
また,劇中には60年代後半のサイケな感覚を感じさせるシーンもあって,とにかく時代を感じさせる。シナリオはそううまく行かんだろうというところもあるが,映画自体は結構楽しく見られるが,星★★★という評価が適切だろう。
そしてこの映画で何より笑ってしまったのが,ここにもAlbert Popwellが出演していたこと。この人,「ダーティハリー」の第1作でHarry Callahanからすごまれる強盗役(右の写真)から始まって,第4作ではEastwoodのパートナー役まで連続出演していたのだが,その源流はここだったのか!なんて思ってしまったのであった。「ダーティハリー」でClint EastwoodがAlbert Popwellに放った次のセリフは有名だよねぇ。かつては私もよく真似したもんだ(爆)。
Uh uh. I know what you're thinking. "Did he fire six shots or only five?" Well to tell you the truth in all this excitement I kinda lost track myself. But being this is a .44 Magnum, the most powerful handgun in the world and would blow your head clean off, you've gotta ask yourself one question: "Do I feel lucky?" Well, do ya, punk?
本作のBlu-rayへのリンクはこちら。
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