久しぶりに聞いたJoe LovanoのBlue Note第1作。
"Landmarks" Joe Lovano(Somethin’ Else→Blue Note)
主題は少々誤解を招きかねないところがあるので,まずは説明しておこう。このアルバムは,私がNYCに在住している時期に現地で購入したものである。元々は日本の東芝EMI傘下でアルバムをリリースしていたSomethin’ ElseレーベルからリリースされたものをBlue Noteにライセンスして,米国で発売されたものだが,その後,Joe LovanoはBlue Note専属となって活動するから,その契機となったと言ってよいアルバムだ。
そもそもSomethin’ ElseがJoe Lovanoのアルバムを制作しようと思ったのは,John Scofield Quartetへの参加によって注目度が上がっていたことによるところが大きいだろう。そして本作もそのジョンスコがプロデューサーを務めている。このアルバムをプレイバックするのも実に久しぶりのことだったが,これが非常によくできたアルバムであった。全曲Joe Lovanoのオリジナルで占められているが,バックのメンツにも恵まれて,今にして思えば実にいいアルバムだったと思ってしまう。
冒頭の"The Owl and the Fox"こそ,ジョンスコ・バンドの同僚,Marc JohnsonとビルスチュことBill Stewartとのコードレスのトリオで演じられて,そこで聞かせるJoe Lovanoのフレージングで掴みはOKというところだ。2曲目からはギターとピアノも加わったクインテットとなるが,ここでギターを弾いているのはジョンアバことJohn Abercrombie。明らかにジョンスコとは違う個性であるが,Joe Lovanoとの相性はなかなかよいのだ。Joe Lovanoは後にPaul MotianのバンドでビルフリことBill Frisellとも共演を重ねるが,つくづくギタリストとの相性がいい人だったのだなと思ってしまう。
実はこのアルバムにはもう一つ重要な思い出がある。右の写真は,Joe Lovanoがジョンスコのバンドで,アルバム"Meant to Be"を引っ提げてSweet Basilに出た時に,本日紹介のアルバムにもらったサインである(ちょっとかすれて見づらいが,91 Sweet Basil New Yorkと書いてある。)。この時にはジョンスコやMarc Johnsonにもそれぞれサインをもらった記憶があるが,そう言えば,現地にはジョンアバも聞きに来ていたのも懐かしい。
それでもって,何が重要かと言えば,よく見て頂ければわかるのだが,ここには私の名前の下にMusic Music!!と書いてある。実はこのブログのURLである"https://music-music.cocolog-wbs.com"はこれに由来しているのだ。このブログを開設する時にURLをどうしようかと考えた時に,ふとこのサインを思い出して,このURLに決めたのであった。なので,Joe Lovanoはこのブログにも貢献しているということなのだが,そうは言いつつ,私はJoe Lovanoの大ファンって訳でもないとは言え,ある意味このブログの恩人みたいなものだと思っている(笑)。
余談が長くなったが,そうした縁もあれば,演奏のよさもあって,星★★★★☆としよう。
Recorded on August 13 & 14,1990
Personnel: Joe Lovano(ts), John Abercrombie(g), Ken Werner(p), Marc Johnson(b), Bill Stewart(ds)
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