「太陽がいっぱい」からの流れで「リプリー」をNetflixで見た。
「リプリー ("The Talented Mr. Ripley")」(’99,米,Paramount)
監督:Anthony Minghella
出演:Matt Damon, Gwyneth Paltrow, Jude Lowe, Cate Blanchett, Philip Seymore Hoffman, Jack Davenport
先日,Alain Delonを偲んで,「太陽がいっぱい」を見た流れで,そのリメイクである本作をNetflixで見た。「太陽がいっぱい」も旅情をかき立てるシーンが相応にあったが,この映画もイタリア国内の名所がバンバン出てきて,以前のイタリア旅行の時を思い出してしまった私である。
それはさておき,この映画は「太陽がいっぱい」よりもPatricia Highsmithの原作への忠実度が高いらしいが,「太陽がいっぱい」と同じようなシークエンスも見られるところが面白い。まぁ原作が一緒なのだから,翻案の仕方に違いこそあれ,そうなることはまぁ納得できるが,エンディングはどちらもほろ苦いものの,受ける感覚はだいぶ違う。
Matt Damon演じる嘘を重ねる主人公Tom Ripleyが,結果的に犯罪を重ねることになるというストーリーを,本作ではよりサスペンスフルに仕立てた感じがするので,「太陽がいっぱい」より更にダークでピカレスクな印象がある。それが風光明媚なイタリアの観光地の風景と対照的なところが何とも皮肉に映る。「太陽がいっぱい」とどっちが好きかは見る人によって異なるだろうが,本作が「太陽がいっぱい」よりもテンション高めなことは間違いないだろう。
まぁ,Jede Loweが演じるDicky Greenleafがジャズ好きということもあって,演奏シーンやレコードを視聴するシーンなど,音楽好きが注目してしまうシーンもあり,それはそれで楽しめる。但し「やっちゃった」というのが1958年が舞台にもかかわらず,Miles Davisの"Tutu"のLPレコードのジャケットがばっちり映るシーンには笑ってしまったが。時間軸が完全にずれてまっせ(笑)。
いずれにしても,「太陽がいっぱい」と比較されることが避けられない中で,結構楽しめる作品ではあったが,Alain Delonと比べると,Matt Damonがあまり野心的に見えない。ここではむしろJude Loweのエキセントリックな感じの方が印象に残るってところか。映画としてはそこそこよく出来ているので星★★★★。
次はNetflixでドラマ版でも見るか(笑)。
本作のBlu-rayへのリンクはこちら。
« 映画で使用されたStingの曲を集めた好コンピレーション。 | トップページ | 改めてJ.D. Southerを偲んで,彼の1stアルバムを聞く。 »
「映画」カテゴリの記事
- 「アラビアのロレンス」を大スクリーンで観る至福(Again:笑)。(2025.04.07)
- Netflixで「正体」を見た。(2025.04.02)
- 「教皇選挙」を見に行ったが,実に面白かった。(2025.03.30)
- Amazon Primeで見た「ニューヨーク1997」。B級もここまで行くと笑える。(2025.03.23)
« 映画で使用されたStingの曲を集めた好コンピレーション。 | トップページ | 改めてJ.D. Southerを偲んで,彼の1stアルバムを聞く。 »
コメント