「憐みの3章」:何ともブラックな映画であった。
「憐みの3章("Kinds of Kindness")」('24,英/米/ギリシャ/アイルランド, Searchlight)
監督:Yorgos Lanthimos
出演:Emma Stone, Jesse Plemons, Willem Defoe, Margarert Qualley, Hong Chau, Mamoudou Athie, Yorgos Stefanakos
「哀れなるものたち」も記憶に新しいYorgos Lanthimosの新作である。3話のオムニバス形式と認識していたので,私の世代だと「世にも怪奇な物語」的な形式かと思っていたら,同じ役者で全く違うストーリーを描くというものだったのには少々驚いた。しかし,出てくる登場人物はほとんどまともではないというある種のブラック・コメディ。
3話は「R.M.F.の死」,「R.M.F.は飛ぶ」,「R.M.F.はサンドイッチを食べる」という人を食ったタイトルが付いていることからしても,まぁ尋常ではないということがわかってしまう。Yorgos StefanakosがタイトルにあるR.M.F.という役回りと考えてよいが,これが完全な狂言回しなのだ。
世の中,おかしな人間なんていくらでもいるが,各々のストーリーの主人公を見ていると,まさに狂気を感じさせるというのがこの映画のテーマだろうが,「哀れなるものたち」から続くブラック度は日本で受けるかどうか...ってところだろう。まともでない人間を演じる役者陣はそれを楽しんでいるかのようでもあるが,リアルな世界ではこんな奴らには出会いたくないよなぁと映画を見ながら思っていた私であった。星★★★☆。まぁ面白いことは面白いが。いずれにしてもここでもWillem Defoeはクセ強過ぎ(笑)。
最近のコメント