本年屈指の話題作の一枚だろう:"Milton + esperanza"。
"Milton + esperanza" Milton Nascimento / esperanza spalding (Concord)
主題の通りである。ブラジル音楽の至宝,Milton Nascimentoと,もはやジャズ界を超越した活動を展開するesperanza spauldingの共演とあっては,これは注目に値するというのが当然だ。バックを支えるのはesperazaのレギュラーの面々が基本だが,そこに多彩なゲストを迎えて制作したもの。Milton Nascimentoは現在81歳ということだが,歌いっぷりには少々危ないところもあるとしても,まだまだ矍鑠としている。
Milton NascimentoのレパートリーはPaul Simonを迎えた"Um Vento Passou"を除けば既発のもの。そこにesperanzaやドラムスのJustin Tysonの曲,更にはBeatlesの"A Day in the Life"やMichael Jacksonが書いた"Earth Song"が加わるという構成はかなりバラエティに富んでいる。そしてMilton Nascimentoは全曲に参加している訳ではないので,ゲスト的な扱いと言ってもよいのだが,そこは大御所,Milton Nascimentoへの気配りってところか。
私はesperanza spauldingがFred Herschと共演したライブ盤ではヴォーカルに徹するよりも,ベースを弾いたらなおよかったなんて思っていたが,ここではちゃんとベースもプレイしていて,やはり本来は彼女はこうあるべきだと思ってしまう。そして,私が認めるべきは彼女のプロデューサーとしての仕事ぶりだと思える。ゲストの迎え方が適材適所という印象を与えるのはesperanza spauldingの審美眼によるものだと言ってもよい。Milton Nascimentoの既発曲に新たな光を当て,新曲とも整合性を保ったアルバムに仕立てたのも立派だと思う。手放しで傑作!という気はないが,よくできたアルバムだと思う。星★★★★☆。
Personnel: Milton Nascimento(vo), esperanza spaulding(vo, b), Leo Genovese(p, el-p,org, vo), Corey D. King(synth, vo), Matthew Stevens(g, vo), Justin Tyson(ds, key, vo), Eric Doob(ds), Kalna Do Jeje(ds), Shabaka Hutchings(sax, fl), Elena Pinderhughes(fl), Guinga(g, vo), Lula Galvao(g), Ronaldinho Silva(perc), Dianne Reeves(vo), Paul Simon(vo), Fernando Lodeeiro(vo, arr), Carolina Shorter(vo), Lianne La Haves(vo), Maria Gadu(vo), Tim Bernades(vo), Orquestra Ouro Preto(strings)
本作へのリンクはこちら。ついでにMilton Nascimentoの自宅で行われたTiny Desk (Home) Concertの模様も貼り付けておこう。アルバムよりシンプルな分,こっちの方が味わい深いって気もしてしまうぐらいいいねぇ。
« 早くも登場したMeshell Ndegeocelloの新作。 | トップページ | まさに異色の共演:"Buddy Tate Meets Dollar Brand"。 »
「新譜」カテゴリの記事
- Chick Coreaの旭川でのソロ・ライブ音源が公開された。(2026.02.06)
- Joel Rossの新作はその名も"Gospel Music"。だが,典型的ゴスペルではない。(2026.02.07)
「ブラジル」カテゴリの記事
- 新年最初の音楽は気楽に聞けるCharlie Byrdのライブ盤。(2026.01.02)
- 完全にノーマークだったが,Paula Santoroのアルバムが2023年にリリースされていたようだ。(2025.10.18)
- "Toninho in Vienna":心地よさ極まれり。(2025.09.09)
- 「微熱・ボサノヴァ」とは言い得て妙なArto Lindsayのアルバム。(2025.08.05)
- 猛暑をPaul Winterでしのぐ(笑)。(2025.08.04)
「ジャズ(2024年の記事)」カテゴリの記事
- 2024年の回顧(音楽編:その2):ジャズ編(2024.12.29)
- Arild Andersenのソロ作:ECMでしか成り立たないよなぁ。(2024.12.27)
- Archie Sheppの"Montreux" 2 in 1:終曲のフェード・アウトが痛い...。(2024.12.26)
- 師走にボサ・ノヴァでくつろぐ。(2024.12.25)
- McCoy TynerとJoe Hendersonの凄い発掘音源。マジで物凄い!(2024.12.21)
« 早くも登場したMeshell Ndegeocelloの新作。 | トップページ | まさに異色の共演:"Buddy Tate Meets Dollar Brand"。 »

































































コメント