Leo SmithのECM作:静謐なアバンギャルドって感じか。
傘寿を過ぎた現在も活動を続けるWadada Leo Smithであるが,1979年リリースの本作ではWadada無しのLeo Smith名義となっている。私は本作を"Art Ensemble of Chicago and Associated Ensembles"の一枚として保有していて,随分と後追いで聞いたことになるが,近年ではVijay IyerやAndrew Cyrillとの共演盤をその年のベスト・アルバムの一枚に選んでいて,その現役感には正直圧倒されている。
本作はそもそも編成からして普通ではないが,フリー・ジャズとは言っても,勢いで押すというかたちの音楽では決してない。むしろ間を活かした音楽と言った方が正しいと思えるアルバムである。後に共演することとなったVijay Iyerは,本作を"One of the greatest recorded works of all time"と大絶賛しているが,決して万人向けの音楽ではない。しかし,比較的静謐な中で繰り広げられながら,演奏される音楽はまさにアバンギャルドとしか言いようがない。
ベーシックな編成はLeo Smithのラッパに,Dwight Andrewsのホーン,そしてBobby Naughtonのヴァイブだが,これが当時のレギュラーだったらしいから,そこからして凄い。更に2曲目の"Tastalun"はこの曲のみのゲストとなるLester Bowie,Kenny WheelerとLeo Smithの3本のラッパだけで演奏され,終曲"Spirituals: The Language of Love"にはレギュラー3人にCharlie Hadenが加わるという編成を見るだけで,大概の人は身構えるはずだ(笑)。
しかし,聞いているとこれが何の抵抗感もなく受け入れる音楽だと思える私が変態なのかもしれないが,なかなかこれが深遠な感覚を生み出す音楽と言ってもよいかもしれない。私としてはこれを"One of the greatest recorded works of all time"とまでは言わないとしても,往時のECMらしい進取の精神に富んだアルバムだと評価したい。星★★★★☆。
尚,余談ながら本作のアルバム・デザインはなんとPeter Brötzmannってなんでやねん?
Recorded in September 1978
Personnel: Leo Smith(tp, fl-h, perc), Dwight Andrews(a-fl, b-cl, ts, perc), Bobby Naughton(vib, marimba, bells), Lester Bowie(tp), Kenny Wheeler(tp), Charlie Haden(b)
本作へのリンクはこちら。
« ヴォーカルを強化したBrecker Brothersの2ndアルバム。 | トップページ | ストリーミングでGerald Gradwohlの新作を聞く。 »
「ECM」カテゴリの記事
- 追悼,Ralph Towner。(2026.01.20)
- 2025年の回顧:音楽編(その2::ジャズ)(2025.12.29)
- Dino Saluzziの新作は哀愁度高く心に沁みるアルバムであった。(2025.12.17)
- "The Köln Concert: 50th Anniversary Special Edition"を入手。無駄遣いと言われればその通りだが。(2025.12.14)
- 全然ECMっぽくないのだが,音に痺れるジョンスコ~Dave Hollandデュオ。(2025.11.29)
「ジャズ(2024年の記事)」カテゴリの記事
- 2024年の回顧(音楽編:その2):ジャズ編(2024.12.29)
- Arild Andersenのソロ作:ECMでしか成り立たないよなぁ。(2024.12.27)
- Archie Sheppの"Montreux" 2 in 1:終曲のフェード・アウトが痛い...。(2024.12.26)
- 師走にボサ・ノヴァでくつろぐ。(2024.12.25)
- McCoy TynerとJoe Hendersonの凄い発掘音源。マジで物凄い!(2024.12.21)
« ヴォーカルを強化したBrecker Brothersの2ndアルバム。 | トップページ | ストリーミングでGerald Gradwohlの新作を聞く。 »


































































コメント