初演者,高橋アキによる"For Bunita Marcus"を聞く。
"Morton Feldman: For Bunita Marcus" 高橋アキ (カメラータ東京)
Morton Feldmanが書いた"For Bunita Marcus"については,以前Marc-André Hamelinの演奏を取り上げたことがある(記事はこちら)。弱音が続き,オーディオ・セットが壊れたのではないかとさえ思わせたその演奏は,もはやアンビエント・ミュージックのようにさえ感じていた私だった。曲そのものがミニマルの極致という気がしたが,この曲の初演者が高橋アキだったことは後になって知った。だとすれば,結構な数の高橋アキの現代音楽のアルバムを買っている私としては,これは聞かねばならんということで,まとめ買いの一部として少し前に仕入れていたものだ。
一聴して,Marc-André Hamelinの演奏と比べると,弱音は弱音でも,高橋アキの演奏の方が音の粒立ちははっきりしているように思え,ミニマリズムではありながら,与える印象は結構違うように思えた。端的に言えば,Marc-André Hamelinよりも音楽的に響くのだ。そうした感じ方には高橋アキへの贔屓目もあるかもしれないが,最初に聞いた時の印象はそうだった。いずれにしても,弾く方も,聞く方も集中力を要する作品ではあり,こんな曲を生で聞かされたら,それこそ身じろぎもできないライブ体験必定というところではあるが,一度は聞いてみたいと思わせる演奏なのだ。
私が現代音楽のピアノを聞くのは,小難しいことを論じるよりも,こういう音楽に単純に身を委ねたいと思うことが多いのだが,本作はそうした私の欲求を満たすアルバムであった。星★★★★★。ジャケの写真は1985年の初演時のものとのことだ。高橋アキが若いのも当然だ。
Recorded on October 27-29, 2007
Personnel: 高橋アキ(p)
本作へのリンクはこちら。
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