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2024年7月27日 (土)

Antonio Faraoの新作がCriss Crossから出るとは思わなかった。

_20240726_0001 "Tributes" Antonio Farao(Criss Cross)

ジャケを見て,相変わらずの強面ぶりに笑ってしまったが,久々のAntonio Faraoである。私がAntonio Faraoについてこのブログに記事をアップしたのは2015年の"Boundaries"にまで遡る。その間,2017年にエレクトリックに傾斜した"Eklektik"もリリースしているが,私はストリーミングで聞いただけ(のはず)で,記事としてはアップしていなかったし,単独リーダー作はそれ以来なので,実に久しぶりということになる。

暫くリーダー作が途絶える中,これまでEnjaやVerveからアルバムをリリースしていたAntonio FaraoがCriss Crossと契約するとは全く想定していなかった。だがライナーの謝辞にAlex Sipiaginの名前があり,そしてライナーにも記述されているが,Criss Crossと縁深いSipiaginがAntonio FaraoとCriss Crossの間を取り持ったとのことだ。

それはそれとして,私としては今回バックを支えるのがJohn PatitucciとJeff Ballardという強力リズム隊であるから,本作のリリースがアナウンスされた時から,期待値は相当に大きかった。ストリーミングではとっくに公開されていて,既にそのよさは把握していたたが,その現物がようやくデリバリーされたので早速聞いた。

Antonio Faraoのピアノは基本的にはハード・ドライヴィングな感覚が強いと思っているが,本作もそうした感覚は維持されているが,一部リリカルな部分も加わってバランスのよいピアノ・トリオ・アルバムになっていると思う。全10曲中8曲がAntonio Faraoのオリジナルで,それに加えてCole Porterの"I Love You"とChick Coreaの"Matrix"というプログラムを通じて,硬軟交えた演奏は大いに楽しめる。

このアルバムはタイトル通り,いろいろな人へのトリビュートの意味が込められていることがライナーにも記されている。直接的な影響,間接的な影響の双方があると思うが,"MT"や"Song for Shorter"のようにストレートにMcCoy TynerやWayne Shorterに捧げられているタイトルに加えて,Chick CoreaやHerbie Hancock,Michel Petrucciani,Didier Lockwoodの名前がライナーには見られて,なるほどなぁなんて思っていた。

いずれにしても,ピアノ・トリオのアルバムとしてはなかなかに楽しめるアルバムであり,久々のアルバムへのご祝儀の意味も含めて星★★★★☆としよう。

Recorded on July 26, 2023

Personnel: Antonio Farao(p), John Patitucci(b), Jeff Ballard(ds)

本作へのリンクはこちら

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コメント

こんにちは。

何とアントニオ・ファラオのアルバムがCriss Crossから、それもなかなかのメンバーで出るということで、久しぶりに楽しく聴けました。

確かにお腹がいっぱいになるような音数の多さですが、個人的にはこういうピアノは好きなので、それは全然問題ありません。Criss Crossレーベルは、代が変わっても、いい仕事をするなあ、と思いました。

当方のブログアドレスは下記の通りです。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2024/06/post-417084.html

910さん,こんばんは。リンクありがとうございます。

>何とアントニオ・ファラオのアルバムがCriss Crossから、それもなかなかのメンバーで出るということで、久しぶりに楽しく聴けました。

確かにびっくりですよねぇ。最初はレーベル・カラーとはちょっと違う気がしました。

>確かにお腹がいっぱいになるような音数の多さですが、個人的にはこういうピアノは好きなので、それは全然問題ありません。Criss Crossレーベルは、代が変わっても、いい仕事をするなあ、と思いました。

Antonio Faraoの個性なんでしょうが,確かに音数は多いですよね。でもこういうのにウハウハしてしまう自分がいるのも事実です。結局好きなんですね(笑)。Criss Crossは先代が亡くなって,レーベルの継続が疑問視されていたことを考えると,続いてよかったですよねぇというのが正直なところです。

閣下、こちらもリンクをありがとうございました。m(_ _)m

私も、アントニオ・ファラオの新譜がクリス・クロスから出るって、びっくりでした。
しかも、かなりのいいメンツで。。

ハード・ドライビングだけど、バラッドもビターな感じが素敵で、、
怖いジャケットからは想像つかない内容でしたわ。

私のリンク先も置いていきます。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-2c3ba2.html

Suzuckさん,更に続けておはようございます。こちらもリンクありがとうございます。

>私も、アントニオ・ファラオの新譜がクリス・クロスから出るって、びっくりでした。
>しかも、かなりのいいメンツで。。

レーベルのイメージとはちょっと違うって気もしましたが,結果は全然問題なしでした。

>ハード・ドライビングだけど、バラッドもビターな感じが素敵で、、
>怖いジャケットからは想像つかない内容でしたわ。

相変わらずのAntonio Faraoでしたね。強面ぶりも不変でした(笑)。

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