何十年かぶりで聞くGouldのMozart。
"Plays Mozart Piano Sonatas" Glen Gould (Columbia)
主題の通りである。私は以前,Glenn Gouldによるアナログのモーツァルトのピアノ・ソナタ全集を保有していたが,いつ手放したのかも覚えていないぐらいの時期に手放したはずだ。その時は正統的な内田光子や,父の遺品のChristoph Eschenbachの全集を聞いていればいいやって感覚もあったかもしれない。だが,それから幾星霜を経て,突然ではあったが,やっぱりまたGouldのモーツァルト演奏が聞いてみたいと思えてきてしまった。そう思って見てみると,CDの全集は随分安く手に入るではないか。ポイントもたまっていることだし,まぁいいかってことでの再購入となった。
全てを聞き通すのはこれからということにはなるのだが,前々からわかってはいるとは言え,やはりこれは普通じゃないよなぁと改めて感じさせる演奏である。それはやはりGlenn Gouldによるテンポの設定があると思えた。極端に遅いか,極端に速いかどっちかって感じであり,変わっているなぁと思わせるに十分。だが,これって変わっているがゆえに,はまると抜けられない麻薬的な部分があるのかもと思ってしまった。今,私が聞いているのはソナタの#1~#6を収めたディスク1であるが,もうそれだけでずっぽしはまった感をおぼえる私であった。
この演奏を異端と言うのは簡単だが,そうした異端性が普遍的な魅力にも変容するということを強く感じるそんな演奏。聞いていて楽しいことこの上ないと思う私はやはり変態なのか?(笑) いずれにしてもあのK331を改めて聞くのが楽しみになってきた。
Personnel: Glenn Gould(p)
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