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2024年7月15日 (月)

わかりやすさがChristian McBrideの美徳であり魅力だ。

_20240711_0001 "Kind of Brown" Christian McBrid & Inside Straight (Mack Avenue)

我ながら訳のわからない主題だと思いつつ,Christian McBrideのこのアルバムを久しぶりに聞いて感じたのが,この音楽としての「わかりやすさ」というのは重要だということだ。以前,私がこのバンドのライブ盤を取り上げた際,「スリルとエンタテインメント性を両立させられるのはChristian McBrideだ」と書いたことがある(記事はこちら)が,それと相通じる感覚をまたもおぼえてしまったってところだろう。

ジャズという音楽は間口が広い音楽ゆえに,いろいろなスタイルがあり,各々に違った魅力があるとは思っているが,蕎麦屋のBGMに有線でジャズが流れるこのご時世において,こういうタイプの音楽こそ食欲を増進させるのではないかと思うし,傾聴もできれば,聞き流すこともできるという受容性の高さというのが貴重だと思える。私はジャズに限らず,音楽はジャンルにこだわらない人間だが,やはり時と場合に応じて聞きたい音楽は当然変わる。しかし,どのようなタイミングにおいても鳴ってさえいれば受け入れ可能だと思わせるのが本作に収められているような音楽だ。

エンタテインメント性はありつつも,ジャズ的なスリルも感じさせてくれる音楽を提供し続けている筆頭が私はChrisitan McBrideだと思う。そうは言っても,New Jawnのように私にはイマイチ評価できない活動(私が聞いた時がまだバンドとしての活動開始間もない頃だったための生煮え感もあっただろうが...)もない訳ではないが,そっちが例外的なのであって,基本はわかりやすくも,魅力的な音楽を提供し続けるのがChristian McBrideのキャラってことになると思う。聴衆を楽しませてこそミュージシャンという信念に満ちたと思わせるキャラこそが私は美徳だと思えるのだ。

ここでの音楽も小難しさゼロである。アルバムの魅力としては前述のライブ盤に譲るとしても,この聞いていて感じられる安心感は大事だと思えるし,この人がミュージシャンから引き合いが多いのもそうした要素ゆえだろう。"Kind of Blue"ではなく,Christian McBrideが敬愛するRay Brownに引っ掛けたであろう"Kind of Brown"とするのも,Christian McBrideのしゃれと思われる。やっぱりそういう人なのだ。もちろん,リーダーを支えるメンツにも恵まれるところが人徳。星★★★★。

ただねぇ,このアルバムはジャケで損をしていると思うのは私だけではあるまい。

Personnel: Christian McBride(b), Steve Wilson(as), Warren Wolf, Jr.(vib), Eric Scott Reed(p), Carl Allen(ds)

本作へのリンクはこちら

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