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2024年7月16日 (火)

リユニオン・ライブが近づくKurt Rosenwinkel The Next Step Bandの96年ライブの発掘。私の最注目ポイントはBrad Mehldauの1曲ゲスト参加(笑)。

_20240714_0001 "Live at Smalls 1996" Kurt Rosenwinkel the Next Step Band(Heartcore)

間もなく来日公演を行う予定のKurt RosenwinkelのリユニオンしたNext Step Bandだが,それに合わせるかたちで1996年,NYCはSmallsにおけるライブ音源がリリースされた。私は来日時のライブに参戦予定なので,その予習も兼ねての購入となったが,実は本作の購入にはもう一つの大きな動機があった。それは1曲だけではあるが,"Zhivago"におけるBrad Mehldauの客演である。Brad Mehldauの正式音源コンプリートを目指す私としては,これだけで買わない訳に行かないということもあった。

その"Zhivago"に関しては後述するとして,ここでKurt Rosenwinkelと共演しているMark Turnerであるが,以前このブログで取り上げた"The Remedy"(記事はこちら)でもいい共演ぶりを示していたが,そちらが2006年のレコーディングだったから,随分と前から共演していたってことを今頃認識する。しかしよくよく考えてみれば,Criss CrossにおけるMark Turnerのアルバム"Yam Yam"にもBrad MehldauともどもKurt Rosenwinkelは参加していて,それが94年のレコーディングだから,このバンドについても,その辺りの縁を踏まえたものだろう。

改めてこの音源を聞いてみると,こうしたメンツがあのSmallsというヴェニューで演奏を展開していたということ自体に驚きを感じざるをえない。現在でもSmallsは実にいいクラブだし,いいミュージシャンも出演しているが,必ずしもメジャーな人ばかりではない。この頃のKurt Rosenwinkelもリーダー作はリリースしていたとしても,まだ名門Village Vanguardに出るほどではなかったということかもしれない。何分1996年と言えば,Kurt Rosenwinkelもまだ20代半ばであり,更なるメジャー化に向けて邁進している時期だったのだからまぁそれもうなずける話である。

正直言って私はKurt Rosenwinkelとは必ずしも相性がいい訳ではなく,彼のアルバムをこのブログでも取り上げても,必ずしも絶賛していないし,むしろ辛口に書くことが多いぐらいだ。ここでの演奏はスリリングなところもあって聞きどころも多いが,Kurt Rosenwinkelの書くオリジナルが必ずしも魅力的に響かない部分があるのは事実だ。それでもKurt RosenwinkelのフレージングやMark Turnerの吹奏は見事なもので,ライブの雰囲気もヴィヴィッドに伝えていて,Smallsという場のアンビエンスはよく示していると思う。もうすぐ行われる来日ライブを聞けば,感慨は更に変わるかもしれないが,現状ではアルバムとしては星★★★★ってところだろう。

そんな中で,Brad Mehldauが参加した"Zhivago"は,私の最大の関心が向いている部分もあって,一番の聞きものに思えてしまう。ここでBrad Mehldauは結構激しいソロを聞かせていて,当時のギグではこういうところもあったのねぇなんて思ってしまう。このアルバムのタイトル・トラックでKurt Rosenwinkelはピアノを弾いているのだが,ピアニストとしての資質の違いが明らかになっただけのようにも思えてしまうのがBrad Mehldauの罪作り(笑)なところと言っておこう。まぁ,Kurt Rosenwinkelもわかっていて"Zhivago"を収録したんだろうからそれでもいいのだが...。ついでに言っておけば,後にBrad Mehldau Trioに加入するJeff Ballardとはこの頃知り合ったってことかもしれないが,そう言えばKurt Rosenwinkelの同じくSmallsでレコーディングされた初リーダー作,"East Coast Love Affair"にはBrad Mehldau Trioの前任ドラマー,Jorge Rossyが参加していて,この辺りのメンツはいろいろ絡み合っていたのだなぁと思ってしまうのであった。

Recorded Liva at Smalls in 1996

Personnel: Kurt Rosenwinkel(g, p, vo), Mark Turner(ts), Ben Street(b), Jeff Ballard(ds), Brad Mehldau(p)

本作へのリンクはこちら

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コメント

こんにちは。
当方のブログにも書き込みありがとうございます。

カート・ローゼンウィンケルに関しては、今よりも、このあたりの時代の演奏の方が好みという部分もありまして、今回購入してみました。結果、当たりでした。3曲目に参加のブラッド・メルドーもけっこうインパクトのあるプレイを繰り広げていて、これだけでも元を取れたんじゃないか、という気もしています。

女声ヴォーカルがなぜか聞こえる、と思ったら、聴くところによるとカートのファルセットらしい、ということで、これまた彼らしいなあ、と思ったものでした。結果、買って正解のアルバムとなりました。

当方のブログアドレスは下記の通りです。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2024/07/post-61d675.html

910さん,こんにちは。リンクありがとうございます。

>カート・ローゼンウィンケルに関しては、今よりも、このあたりの時代の演奏の方が好みという部分もありまして、今回購入してみました。結果、当たりでした。3曲目に参加のブラッド・メルドーもけっこうインパクトのあるプレイを繰り広げていて、これだけでも元を取れたんじゃないか、という気もしています。

はい。90年代当時の若手の息吹って感じで,その後の活躍を予想させるアルバムでした。ライブでもほぼ同様のプログラムで,成長した姿を聞かせたってところでした。

>女声ヴォーカルがなぜか聞こえる、と思ったら、聴くところによるとカートのファルセットらしい、ということで、これまた彼らしいなあ、と思ったものでした。結果、買って正解のアルバムとなりました。

歌ったり,ピアノ弾いたりというのは余芸だと思うので,ギターに集中してもいいとは思いますが,いろいろやりたいんでしょうね。

閣下、こちらもリンクをありがとうございました。m(_ _)m

今更かよ、って、思ったのですが、、
今更でも、聴くことができてよかったです!
メルドーさまも、キレキレでしたね。
私、ピーター・バーンスタインの新譜でも期待してます。

閣下がお怒りの?ピアノも歌も、、
ご本人がやりたいならばやれば良いと思ってます。。
が、、、まぁ、ギタリストとしてのファンであります。。

私のリンク先も置いていきます。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-b1ff19.html

Suzuckさん,続けておはようございます。こちらもリンクありがとうございます。

>今更かよ、って、思ったのですが、、
>今更でも、聴くことができてよかったです!
>メルドーさまも、キレキレでしたね。
>私、ピーター・バーンスタインの新譜でも期待してます。

当時の若手としての彼らがどういう演奏をしていたかがわかって面白かったです。Brad Mehldauは確かにキレがよかったです。Peter Bernsteinとは本当に仲がよいようで...。私も9月のリリースを心待ちにしています。

>閣下がお怒りの?ピアノも歌も、、
>ご本人がやりたいならばやれば良いと思ってます。。
>が、、、まぁ、ギタリストとしてのファンであります。。

怒っちゃいませんが,ライブでもそうでしたが,蛇足感が強いです(笑)。
>私のリンク先も置いていきます。
>https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-b1ff19.html

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