Nik Bärtsch’s Ronin@Baroom参戦記

Nik Bärtsch’s Roninが9年ぶりに来日するということで,南青山のBaroomというヴェニューに観に行った。前回彼らが来日したのは2015年に遡るが,その時も私は代官山の「晴れたら空に豆まいて」に観に行ってからもう9年も経つのか...と思いつつ現地に向かった。メンバーはベースが変わった以外は不動。このBaroomは私は初めて行ったのだが,バーとライブ会場が並存する不思議な空間であった。私はBlue Noteに行くとき,たまに恵比寿の駅から歩いていくのだが,その途中にこんな店があるなんて,全然気づいていなかった。
Baroomのライブ・スペースは演奏者を扇型の客席が囲むという感じのユニークな作りで,キャパは100名前後と思われる。そこで繰り広げられたNik Bärtsch’s Roninのライブは前回にも増して実によかった。今回のライブにはサウンドとライティングのエンジニアも同行しており,PAは素晴らしい出来だったし,ライティングも曲とシンクロするのは,長年の阿吽の呼吸ってところだと思えた。実にスタイリッシュなライティングだったと思える。
そして演奏は彼らの言うところのZen Funkな訳だが,タイトなミニマル・ファンクの極致という感じで,演奏中私は内心興奮していたと言ってもよい。緩急を使い分けつつ,Nik Bärtschの発声によるキューで,曲が変化していく様は,まさにライブならではの醍醐味というところだったと思う。このバンドのリーダーはNik Bärtschではあるが,サウンドの屋台骨を支えているのは長年の盟友であるドラムスのKasper Rastであるところは間違いない。9年前に観た時以上にタイトで正確なドラミングあってこそのRoninのサウンドだとずっと感じていた。
リーダーNik Bärtschは前回同様,手やマレットを使ってピアノの弦を叩く,はじく,あるいはピアノのボディを叩くようなパーカッシブなプレイも行っていたが,それを右の写真でもわかるように,私の眼前でやっていたので,そうなっていたのかぁと感心していた私であった。ホーンのShaはサーキュラー・ブリージングも駆使しながらのフレージングを聞かせていた。今回はバスクラよりアルト・サックスをメインにしていたが,たまに吹くバスクラで高音を使うと,まるでアルト・フルートのようにさえ響いたのも面白かった。そして,バンドでは一番新しいメンバーであるJeremias Kellerは完全にバンドにフィットしており,メンバー・チェンジの影響を全く感じさせなかったのも素晴らしい。
9年前に観た時よりも,近いポジションで見られたこともあり,彼らの演奏はそういう風に行われていたのかぁという発見も多々あったのは収穫。いずれにしても,実に満足度の高いライブであり,今年行ったライブの中でもおそらく最も記憶に残るものの一つになると確信している。いやはや最高である。尚,ライブの戦利品もあるのだが,それについてはまた改めて。
上と下の写真は彼らのFBページにアップされていた神戸でのライブの模様。Baroomでも雰囲気はほとんど同じであった。それにしても東京でのライブは2日ともソールド・アウトってのも大したものだが,聴衆はどういう人たちなのかは実に興味深い。私みたいなオタクはどちらかというと例外のように思えたが(笑)。
Live at Baroom on July 12, 2024
Personnel: Nik Bärtsch(p, key), Sha(as, b-cl), Kaspar Rast(ds), Jeremias Keller(b)

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