「デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界」:さすがにこれはやり過ぎではないか...。
「デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界」村上春樹(文藝春秋)
David Stone Martinと言っても,普通の人々にとっては誰それ?にしかならないだろうが,ClefやNorgran,Verveといったジャズ・レーベルのアルバム・デザインを担ったデザイナーである。これらのレーベルでのDavid Stone Martinの活動は1950年代が中心と随分昔のことになるので,もはやクラシックな世界と言ってもよい。このDavid Stone Martinのデザインのファンは結構多いが,村上春樹もその一人ということで,この書籍に至ったということになろう。これは私がECMのスリーブ・デザインに惹かれるのと同じようなものなので,デザインの観点から語るという行為自体には特に異論はない。
だが,音楽関係の書籍として見ると,取り上げられているミュージシャンが,Charlie ParkerやStan Getzを除けば,必ずしも私の嗜好にフィットした人たちばかりではないし,音楽についての記述も決して細かいものではないところには不満が残る。そもそもデザインが音楽のクォリティと比例しないことは村上春樹の記述からも明らかなところに,この書籍の無理矢理感を覚えるのだ。結局私にとってはどっちつかずな感じがしてしまうし,「ふぅ~ん」ぐらいの反応しか示せなかったというのが実感。星★★★。
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