まさに待望:Lizz Wrightの新作。
"Shadow" Lizz Wright (Blues & Greens)
主題の通り,まさに待望の新作が届いた。私はLizz Wrightには全幅の信頼を置いてきたと言ってよく,アルバムがリリースされるたびに無条件購入している。しかし,前作のライブ盤(これも素晴らしかった。記事はこちら)はストリーミング/ダウンロード・オンリーで,フィジカルのリリースはなんと2017年の"Grace"以来となった。その"Grace"も年間最高作の一枚に選ぶほど,私はLizz Wrightを評価しているのだ。
そんなLizz Wrightの新作がリリースされたので,早速聴いてみた。今回はギターのChris Bruceがプロデューサーを務め,Lizz Wright自身はエグゼクティブ・プロデューサーとなっている。もう冒頭の"Sparrow"が流れた瞬間から私の心は鷲掴みにされてしまった。ここにゲストでAngelique Kidjoを入れるところなど,まさに適材適所。今回もオリジナルにカヴァー曲を交えるといClう構成だが,Clarence Carterの"Sweet Feeling"のブルージーな感覚なんて最高である。このカヴァー曲の選曲のセンスはまさに絶品なのだ。今回はClarence Carter以外はCaitlin Canty,Toshi Reagon,Sandy Denny,そしてGillian Welchといったフォーク,アメリカーナ系の女性シンガーのカヴァーが多くなっている。
それらの曲を含めてアルバム全体を通して素晴らしい歌唱が続くのだが,1曲だけCole Porterの"I Concentrate on You"が雰囲気が違うのはどうかなぁと感じてしまったのも事実。私としてはこの曲の歌のうまさは感じられるとしても,アルバム全体としては少々バランスを崩しているのではないかと疑問に思った。それでもLizz Wrightへの私の評価が揺らぐことはないのだが。星★★★★☆。
Personnel: Lizz Wright(vo), Adam Levy(g), Chris Bruce(g, key, b, perc), Lynne Earls(el-p, g, hand perc), Glenn Patscha(p,el-p, org), Kenny Banks, Sr.(p, org), Rashaan Carter(b), Meshell Ndegeocello(b), Deantoni Parks(ds), Abe Rounds(perc), Brandy Younger(harp), Tina Basu(vln), Arun Ramanurthy(carnatic vln), Katherine Hughes(vln), Elizabeth Brathwaite(vln), Jeff Yang(vla), Melissa Bach(cello), Hanna Benn(strings arr)
本作へのリンクはこちら。
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コメント
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私もようやくリズ・ライトのニュー・アルバムを取り上げることが出来ました。
ゴスペルで基礎を鍛えてのブルース、ソウルのヴォーカル世界は文句なくハイレベルで安心して聴いていられると同時に、自己のアメリカ社会での生き様を歌い上げるところは感動すら与えてくれますね。
アルバム『GRACE』以来ファンになってますが、今回も非常にインパクトを感じています。
Angelique Kidjo, Meshell Ndegeocelle の協力など、彼女らの結束は素晴らしいですね。
リンクさせてください ↓
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-c0570f.html
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2024年4月24日 (水) 21時33分
photofloyd(風呂井戸)さん,こんにちは。リンクありがとうございます。
>ゴスペルで基礎を鍛えてのブルース、ソウルのヴォーカル世界は文句なくハイレベルで安心して聴いていられると同時に、自己のアメリカ社会での生き様を歌い上げるところは感動すら与えてくれますね。
はい。信頼に値するとは彼女のことです。一時期のCassandra Wilsonと同じぐらいのインパクトを持つ歌手だと思います。
>Angelique Kidjo, Meshell Ndegeocello の協力など、彼女らの結束は素晴らしいですね。
まさに適材適所ですし,素晴らしいネットワークだと思います。
投稿: 中年音楽狂 | 2024年4月26日 (金) 12時54分