Amazon Primeで「暗殺の森」を観た。難しいねぇ(苦笑)。
「暗殺の森("Il Conformista")」(’71,伊/仏/西独)
監督:Bernardo Bertolucci
出演:Jean Louis Trintignant, Stefania Sandrelli, Gastone Moschin, Dominique Sanda, Enzo Trascio
Bernardo Bertolucciのこの作品は「午前十時の映画祭」でも上映されていて,その時にも観に行きたいと思ったのだが,タイミングが合わず見逃していたものがAmazon Primeで見られるようになったので観てみた。
正直言って私はBernardo Bertolucciには特段の思い入れはないが,この映画を観ていて,演出だけでなく,カメラ・ワークが面白いなぁと漠然と思っていた。正直言って,私は回想シーンがやたらに挿入されるシナリオは得意にしていないので,この映画もその時間軸の揺れになかなかついていけない感じがしていた。
映画を観ていて,Jean Louis Trintignant演じるMarcelloの優柔不断さと,それゆえの「転向」のようなものが描かれるが,実際にこんな人間がいたら,最低だよなぁと思わせるところで,Bernardo Bertolucciの術中にはまっているような気もする。まさに人格破綻者である。ファシストなんてそんなものってのがBernardo Bertolucciの言いたかったところかもしれないが,根が単純な私としてはこういう映画は正直難しい。
Alberto Moraviaの原作「孤独な青年」をどの程度翻案しているかはわからないが,一番記憶に残るのは米国版のポスターにもあるDominique SandaとStefania Sandrelliのダンス・シーンなのだ。ここで感じられる感覚がいかにもBernardo Bertolucci的と言うほどは私は彼の映画は見ていないが,とにかくこのシーンの官能的な感覚は確実に記憶に残る。あまりに魅力的なシーンなので,下にも貼り付けておこう。
終盤に向けてどんどん重々しい展開になっていく(それはStefania Sandrelli演じるGiuliaの見た目の落差でも明らか)のも私には辛い部分があったが,まぁこういうのも勉強,あるいは修行ということにしておこう。星★★★☆。それにしても,この映画のイタリア版のポスターはカラフルなものだが,この映画のトーンを示しているのは上の米国版だと思うが,皆さんはどう思われるだろうか。
本作のBlu-rayへのリンクはこちら。

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