どのアルバムも聞き応えのあるPrysm:その3rdアルバム。
今となっては私も随分と欧州ジャズを聞くようになったが,ECMに吹き込むミュージシャンを例外として,以前はあまり欧州のミュージシャンも知らなかった中,ブログのお知り合いの情報を頼りに聞くようになったものも多い。Prysmもそのうちの一つと言ってもよいが,彼らのやっている音楽には相当はまったと言ってよい。今や彼らのアルバムは全保有となった私である。
変拍子も使いながら,Prysmのやっている音楽は本当にスリリングだと思わせるが,それはこのアルバムでも変わらない。とにかく思わず身を乗り出してしまいたくなるような音楽だと言えばよいだろう。トリオを構成する3者の演奏はシャープそのものであり,それを更に増幅させるような高質の録音となっていて,ほかのアルバム同様の興奮をもたらす。
そうした中で面白いと思ったのが4曲目の"Voice of Angels"。あたかも"Nefertiti"にオマージュしたような曲調で,Prysmとしてはなかなかユニーク。決してイケイケな曲調だけではないところを聞かせる。私としてはこのトリオについては惚れた弱みのようなついつい評価も甘くなってしまい,星★★★★☆。しかし,随分と彼らのアルバムも安く手に入るようになったものだ。私も本作は中古で手軽な価格で手に入れたはずだが,例外は1stのフランス・オリジナルぐらいか。
Prysmの最新作"Five"がリリースされてからもはや13年の時が経過しようとしている。このトリオの復活はもはや難しいかもしれないが,残した作品への評価は変わらない。しかし,生で聞いてみたかったという思いは募るのであった。
Recorded in April and July, 1999
Personnel: Pierre de Bethmann(p), Cristophe Wallemme(b), Benjamin Henocq(ds)
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