ラックを漁っていたら出てきたPat Metheny Groupのリミックス盤。
"Across the Sky" Pat Metheny Group (Geffen)
保有していることは記憶していても,全然聞かないCDってのもある。今回,ラックを漁っていて見つけたのがこのEP。Lyle Maysが亡くなって,Pat Metheny Groupの復活はなくなったが,彼らのアルバムは全て保有するファンとしては,彼らの音源をリミックスるとどうなるのかという興味で購入したはずである。アルバム"Imaginary Day"から"Across the Sky"のオリジナル・テイクとリミックス・ヴァージョン,更に"Roots of Coincidence"のリミックス・ヴァージョンの3曲を収めたものだが,これがまた微妙なのだ。
"Across the Sky"はPat Methenyらしい美しい曲であり,その魅力についてはどうこう言わなくてもよい。しかし,ここにGoldieが施したリミックスをファンが面白いと思えるかと言えば,そんなことはないだろう。原曲の姿をとどめないと言っても過言ではないところまで手を入れることはリミックスにはよくあることとは言え,やり過ぎ感は否めない。リミックスとは「再創造」と解釈することもできるが,これでは単なる「破壊」ではないのかと思えてしまう。それはもともとがハードな曲調だった"The Roots of Coincidence"にも当てはまる。こちらのリミックスでも原曲のかけらも感じない。こういう取り組みは原曲に対する「リスペクト」があってこそ面白いものが出来上がると思えるが,ここでのリミックスにはそうした「リスペクト」を感じない。
こうした反応は私が歳を取った古臭いリスナーだからというところもあるだろうが,面白くないものは面白くないのだ。売却しても二束三文にしかならないから保有しているようなものだと諦めることにしよう。こんなものを聞く暇があるなら,オリジナルのアルバムを聞いている方がずっとまし(きっぱり)。お好きな方だけどうぞ。
« 更にアクション大作となった「デューン 砂の惑星PART 2」。 | トップページ | Original Loveのベスト盤:私にしては珍しいアルバムを取り上げよう。 »
「ジャズ(2024年の記事)」カテゴリの記事
- 2024年の回顧(音楽編:その2):ジャズ編(2024.12.29)
- Arild Andersenのソロ作:ECMでしか成り立たないよなぁ。(2024.12.27)
- Archie Sheppの"Montreux" 2 in 1:終曲のフェード・アウトが痛い...。(2024.12.26)
- 師走にボサ・ノヴァでくつろぐ。(2024.12.25)
- McCoy TynerとJoe Hendersonの凄い発掘音源。マジで物凄い!(2024.12.21)
コメント
« 更にアクション大作となった「デューン 砂の惑星PART 2」。 | トップページ | Original Loveのベスト盤:私にしては珍しいアルバムを取り上げよう。 »

































































パット・メセニーには35年ほど前に一時嵌ったことがあります。不思議な音楽空間が大好きでした。今度是非、聴き直してみようと思います。気づきを頂き感謝です。
投稿: ローリングウエスト | 2024年4月 2日 (火) 06時13分
ローリングウエストさん,おはようございます。
>パット・メセニーには35年ほど前に一時嵌ったことがあります。不思議な音楽空間が大好きでした。
35年前というと,"Still Life (Talking)"や"Letter from Home"の頃ですかね。前者は本当の傑作だったと思います。私は彼らのアルバムは全て保有していますが,一番好きなのは"Travels"です。"Still Life (Talking)"ももちろん愛聴しております。是非今一度お楽しみ下さい。但し,今回ご紹介のEPは不要です(笑)。
投稿: 中年音楽狂 | 2024年4月 2日 (火) 07時17分
ジャズやロックで名盤を越えるものを見つけるのはなかなか難しいという1例報告ですね。
60年代後半に、ロックの世界でわくわくする進化を体験した人間はHotel Californiaで終わっちゃったなあという感じ。
モダン・ジャズはその10年前。
拓郎や陽水など日本のフォークにハマリ、フレンチポップへも。
演歌へは行かなかったなあ(笑)
拓郎ファンだから森進一ベストは例外的に購入(笑)
クラシックへも再突入しようと、メルカリでクラシックなどCD処分品、160枚7000円の箱を何箱も買って、
ベートーベン、モーツァルトなど普通のクラシックはともかく
ロックのオールディーズ詰め合わせ、Nat King Coleなどのボーカルもの、マントヴァーニや映画音楽詰め合わせ、Bill EvansやMiles Davisなどの有名ジャズ盤に混ざって
顔も名前も曲も不明で、ジャンル分けできず、さらに何語かも不明なものが(笑)人様より雑食性の僕もさすがに。
カンツォーネやフォルクローレやイタリア民謡集はまだいいとして
クロアチアのボーカルグループ。中国のオーケストラ。
アラブ世界では知らない人はいない歌姫。知るか。
北欧の現代音楽。
ドイツのビアパブで楽しげに飲むときの音楽VOLKAMUSIC
日本のマリンバ合奏団。
どこかわからない国の合唱団。
胡弓による西洋名曲集
パンフルートによる西洋名曲集などなど
そんなものどこで手に入れたというものまで
音楽世界が広がるなあ(笑)
General Electric ジャック・ウェルチの講演集8枚組なんてのもあるぞ(笑)
クラシックについては、クラシックの世界は広く深いなあ。
ディランがエレベーターで流れてるような音楽とディスったものって、仕事のBGMとしてはいいなあ。
投稿: MRCP | 2024年4月 6日 (土) 12時22分
MRCPさん,こんにちは。
>ジャズやロックで名盤を越えるものを見つけるのはなかなか難しいという1例報告ですね。
恐縮ながら,そういうつもりではありません。オリジナルが優れているものを,いじくりまわしてもいいものが生まれなかった悪例と言うことで取り上げました。
>クラシックについては、クラシックの世界は広く深いなあ。
>ディランがエレベーターで流れてるような音楽とディスったものって、仕事のBGMとしてはいいなあ。
いろいろな音楽をお聞きの中で,最近フィットするのがクラシックのようにお見受けしますが,クラシックにも名演もあれば,駄演もありますので,何でもOKとはいきません。仕事のBGMにもフィットするものもあれば,そうでないものもありますから,あくまでも人それぞれということですね。
投稿: 中年音楽狂 | 2024年4月 7日 (日) 14時22分
オリジナルをいじり回したら、さらに良いものが出来ちゃった例を知りませんが、何かありますか(笑)
ジャズやロックが嫌いになったわけじゃなく、
TPOで聴く音楽を変えているだけです。
寝るときはBrahms at bedtimeというコンピが寝やすいとか
夜2時過ぎてへこたれた時は、全盛期の拓郎で、そら行くぞとか
ドイツのオッサンがビール飲むときの音楽なんて、多幸感が。
Doobie Brothersはノリがよくて仕事がはかどる
ドビュッシーで夢見心地になると、仕事しにくいなあとか色々(笑)
気分転換には今まで聴いたことない幅広い音楽が(笑)
好奇心が失われたらおしまい。
クラシック音楽は年月で淘汰されているので、クソをつかむ確率が少ないといえます。
エリーゼのために だって
アントルモンとグルダでは全く違うし 深い。
年取って、聴く音楽が広がっていくなと思うものの、近頃の歌謡曲でまともなものを探すのも馬鹿馬鹿しいなとか、やっぱり演歌はいやだなとか、黒人が粋がってウダウダいうの聴きたくないなとか、嫌いなものはたくさんあります。
投稿: MRCP | 2024年4月 8日 (月) 01時49分
MRCPさん,おはようございます。
>オリジナルをいじり回したら、さらに良いものが出来ちゃった例を知りませんが、何かありますか(笑)
おっしゃる通り,リミックスでオリジナルを越えるものはないでしょうが,まれではありますが,面白いものはあると思います。また,サンプリングで新しい音楽の一部になることもありますので,私は全面的に否定するつもりはありません。
>TPOで聴く音楽を変えているだけです。
私も含めて,皆さん同じだと思います。例えばロックを聞いていても,その時の気分でヘヴィメタルに行きたくなることもあれば,Doobie Brothersに行きたくこともありますので。ジャンルについても同じですね。
>好奇心が失われたらおしまい。
異論ありません。
>クラシック音楽は年月で淘汰されているので、クソをつかむ確率が少ないといえます。
>エリーゼのために だって
>アントルモンとグルダでは全く違うし 深い。
MRCPさんがおっしゃっているのは曲そのもののことですね。しかしクラシックにおいても,どんな名曲でもとんでもない駄演もあります。一方,名演と言われるものにもそれぞれの嗜好によって,合う,合わないは確実に存在します。なので人それぞれだと思っています。
投稿: 中年音楽狂 | 2024年4月 9日 (火) 07時35分
サイモンとガーファンクルのサウンド・オブ・サイレンスの例がありますね。勝手にフォークロック、商業的に成功した。(笑)
チェット・ベイカーにプロデューサーが勝手にギターをダビングして、いいじゃんこれ、何てのも探せばいくらでもあるんだろうなあ。
投稿: MRCP | 2024年4月 9日 (火) 11時04分
MRCPさん,こんばんは。
>サイモンとガーファンクルのサウンド・オブ・サイレンスの例がありますね。勝手にフォークロック、商業的に成功した。(笑)
>チェット・ベイカーにプロデューサーが勝手にギターをダビングして、いいじゃんこれ、何てのも探せばいくらでもあるんだろうなあ。
まぁ数少ない成功例みたいな感じですかね。S&Gにしろ,Chet Bakerにしろ,どっちがいいかは聞き手の好みでしょうが,手を加えた方がよりポピュラリティを得たってところでしょうか。
投稿: 中年音楽狂 | 2024年4月 9日 (火) 18時18分