2025年3月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
フォト
無料ブログはココログ

« 追悼,Maurizio Pollini。 | トップページ | Herbie HancockのBlue Note音源からの好コンピレーション。 »

2024年3月27日 (水)

"Polska":10年経つと感覚も変わるってことか...。

_20240323_0001 "Polska" Możdżer Danielsson Fresco (ACT) 

記事にすることもなく,10年以上も経過してしまったのがこのアルバム。Lars DaniellsonとLeszek Możdżerのデュオ・アルバム,"Pasodobre"を取り上げた時にこのアルバムに「完全にのめり込めていなかった」なんて書いている(その記事はこちら)。久しぶりにこのアルバムを聞いていて,なぜそう思ったのかよくわからなくなって,改めてこれを書いている。

"Polska"と言えば,まさにLeszek Możdżerの母国,ポーランドのことである。ポーランドと言えばショパンの国,首都ワルシャワの空港はフレデリック・ショパン空港だしねぇ。であるから,ピアノ音楽の聖地と言ってもよいポーランドをテーマとする本作において,Leszek Możdżerの美的なピアノが炸裂すると思うのは当然で,こちらの予想通りの音が出てきていると言っても過言ではない。だから,今の私はこれっていいじゃんと思ってしまうのだが,この10年前との感覚の相違は私の加齢によるものと考えるべきなんだろう。

一部の曲においては少々のダイナミズムや,おそらくはZohar Frescoが持ち込んだであろう中東的な響きを加えつつも,基本は美的なピアノ・トリオ・アルバムであり,その白眉はタイトル・トラック"Polska"だ。美しいメロディ・ライン,ピアノ・タッチ,そして緊密なトリオのコラボレーションと,これには痺れる。

やや意外と思えるのが,最後にオーケストラをバックにしたジミヘンの"Are You Experienced?"が収録されていることだ。エピローグ的に行くならば,美感が素晴らしいLars Daniellsonの"Spirit"で締めるという選択肢もあったはずなのだが,明らかに雰囲気の異なる"Are You Experienced?"の収録には唐突感があるように感じられる。私の感覚では,この"Are You Experienced?"はボーナス・トラック的な扱いなのではないかと思える。これを喜ぶか,蛇足と感じるかはリスナー次第だが,悪い演奏とは思わずとも,私はこれはなくてもよかったように思う。そうした点も含め星★★★★。10年前の私の違和感はこのせいだったのかもしれないなぁ...。

Personnel: Leszek Możdżer(p, celesta, vib, synth), Lars Danielsson(b, cello), Zohar Fresco(perc, vo), Polish Radio Symphony Orchestra

本作へのリンクはこちら

« 追悼,Maurizio Pollini。 | トップページ | Herbie HancockのBlue Note音源からの好コンピレーション。 »

ジャズ(2024年の記事)」カテゴリの記事

コメント

中年音楽狂さんがどんな経過でこの10年前のアルバムを取り出されたかは解りませんが・・・私はこのアルバム、Leszek MożdżerやLars Danielssonのファンであるので当然購入しそして当時感想を書いています。↓
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/polska.html

 相変わらずの硬質で透明感あるピアノには聴き惚れますが、私もこのアルバムの本質には迫り切れていません。異国情緒と行ったところが先に出てきます。今聴き直しても同じです。
 ポーランド、スウェーデン、イスラエルこれだけでも奇妙な組み合わせですね。そして最後の"Are you experiencd?"ときたら"いろいろと経験しているかね"と、逆に迫られているような・・・このアルバムのテーマなのかもしれませんが(?)、ここに謎はありそうな、解らない世界です。
 この10年間あまり聴いていませんでした。それが私にとっての評価ということでしょう。

photofloyd(風呂井戸)さん,おはようございます。リンクありがとうございます。

>中年音楽狂さんがどんな経過でこの10年前のアルバムを取り出されたかは解りませんが・・・

たまたまです(笑)。特段の理由はなく,ラックを見ていてプレイバックしてみただけです。

> 相変わらずの硬質で透明感あるピアノには聴き惚れますが、私もこのアルバムの本質には迫り切れていません。異国情緒と行ったところが先に出てきます。今聴き直しても同じです。

そういう部分はあるかもしれません。特にドラマーの持ち込む異国情緒は感じられますよね。

>そして最後の"Are you experiencd?"ときたら"いろいろと経験しているかね"と、逆に迫られているような・・・このアルバムのテーマなのかもしれませんが(?)、ここに謎はありそうな、解らない世界です。

おっしゃる通り,私にとっても最後の"Are You Experienced?"はやはり違和感があります。なぜここに?ってのは謎ですよね。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 追悼,Maurizio Pollini。 | トップページ | Herbie HancockのBlue Note音源からの好コンピレーション。 »