Alan Laddが素晴らしくカッコいい「拳銃貸します」をAmazon Primeで観た。
「拳銃貸します("This Gun for Hire")」(’42, 米,Paramount)
監督:Frank Tuttle
出演:Veronica Lake, Robert Preston, Laird Creger, Alan Ladd, Tully Marshall
Amazon Primeで「ブルー・ベルベット」に続いて観たのがこの映画。Amazon Primeは古い映画も観られるのがいいところだとつくづく思う。このブログでも何度か登場している逢坂剛と川本三郎の趣味趣味書籍「さらば愛しきサスペンス映画」にこの映画が紹介されていて,観てみたいなぁと思っていたところであった。しかも原作はGraham Greeneだ。これは期待してしまう。
Alan Laddと言えばほとんどの日本人にとって,「シェーン」のイメージが強いが,上述の書籍にも書かれている通り,西部劇専門の人ではなく,いろいろな映画に出ていて,結構サスペンス映画にも出ているようだ。そのうちの一本が42年製作の本作。42年と言えば戦時中であるが,余裕でこういう映画を作っていたことに国力の違いを感じざるをえない。
それはさておき,ポスターを見てもらえばわかるが,この映画ではAlan Laddは主演の扱いではなく,オープニング・クレジットは"Introducing"として出てくるから,日本で言えば「新人」ってところか。エンド・クレジットでもAlan Laddの名前は4番目なのだが,映画を観ればわかる通り,この映画はあくまでもAlan Laddの映画であり,Veronica Lakeの映画なのだ。
主演扱いのVeronica Lakeは歌は歌うわ,手品は披露するわと器用なところを見せるが,サスペンス映画としてはやはりAlan Laddのカッコよさが光っている。Alan Laddははめられる殺し屋役なのだが,猫を可愛がるところは,後の「サムライ」でAlain Delonが小鳥を飼っているようなところと共通しているのが面白い。そして,この劇中ではAlan Laddはほとんど笑わない殺し屋をクールに演じている。そのクールさは「シェーン」とは異なっても,魅力的に映った。そして悪役が毒ガスの商売相手にするのは,戦時中を反映して日本である。そういうところに時代は感じるが,まぁそれも仕方ないというところだろう。
いずれにしても,1時間20分という尺が極めて適切にさえ思える小品ながら,ツボを押さえた佳作。星★★★★。この映画を観ていて,Alan Laddと高倉健って共通するところがあるなぁなんて漠然と思っていたのであった。
本作のDVDへのリンクはこちら。
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