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2024年3月11日 (月)

Hannibal Marvin Petersonのライブ・アルバム:騒々しいねぇ(笑)。

_20240309_0001"Hannibal in Berlin" Hannibal Marvin Peterson (MPS)

現在はHannibal Lokumbeと改名したHannibal Marvin Petersonのライブには私は一度だけ接したことがある。それは1984年のLive under the SkyでGil Evans Orchestraの一員として来日した時だったが,その演奏は既に頭がおかしくなっていた(?)Jaco Pastoriusのせいで無茶苦茶なものになってしまった苦い記憶がある。そうした中で,Hannibal Marvin Petersonが聞かせたソロは素晴らしい切れ味を示し,唯一の好印象として残っている。振り返ってみれば,Gil Evansとの共演ではPublic Theaterでのライブもよかったなぁ。

そのHannibal Marvin Petersonの活動のピークは70年代ってことになると思うが,本作は76年にタイトル通りベルリンで吹き込まれたライブ盤である。Hannibalと言えばオリジナルを演奏しているイメージが強いが,本作ではオリジナルは1曲だけで,ほかはスタンダードや著名なジャズ・オリジナル,更にはトラディショナル曲をやっているのが珍しい。やっている曲はそうでも,Hannibalの吹きっぷりは全然変わらず,激しくもいい意味で騒々しい。更にゲスト的に加わるのがGeorge Adamsでは更に騒々しいこと必定である(笑)。しかもこの二人で"My Favorite Things"もやってしまうところが何とも...(爆)。

時として,こういう熱いジャズを身体が求める時もあるので,私としては久しぶりにこのアルバムを聞いて,こっちも熱くなってしまった訳だが,こういうのを暑苦しいと感じるリスナーがいても不思議ではない(そっちが普通か...?)。上品なピアノ・トリオなんかを好む人たちには,結構苦痛にさえなるかもしれないが,全方位型の私にとっては全く問題なしである。まぁハイノート連発の一本調子だと言われればその通りなのだが,この暑苦しさはある意味快楽を生むってこともあるのだ。星★★★★。それにしても,昨今のHannibalの中古品の価格高騰は異常だな。

Recorded Live at the Philharmonie, Berlin, on November 3, 1976

Personnel: Hannibal Marvin Peterson(tp), George Adams(ts), Michael Cochrane(p), Didier Murray(cello), Steve Neil(b), Allen Nelson(ds)

本作へのリンクはこちら

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ジャズ(2024年の記事)」カテゴリの記事

コメント

以前のコメントから、ジャケに惹かれたものを中心にブログを参考に色々聴いています。

元々はみなさんそうだとは思いますが、私もアメリカのスタンダードなジャズから入り、様々な音楽を聴いてく中で、ecmの様々な音楽に惹かれました。

最近は聴いて惹かれるのはecm物ばかりですが、ジャズ仲間とたまに会話したりすると、私以外全員がスタンダードなジャズを聴いています。私も久しぶりに定番のジャズを聴き返したりしてますが、なかなかいいなと感じれるものがありません。

例えば、昔好きだったキースジャレットやビルエバンスも音の数が多いなとか、空気感がいまいちピンと感じなくなっています。

ブログにはスタンダードなジャズの記事も沢山ありますが、わたしと同じような感覚や好きだったジャズも聞き辛くなったようなことはありませんか?

是非ご意見聞いてみたいです

レンさん,おはようございます。

>ブログにはスタンダードなジャズの記事も沢山ありますが、わたしと同じような感覚や好きだったジャズも聞き辛くなったようなことはありませんか? 是非ご意見聞いてみたいです

音楽の嗜好は歳を重ねることで,変わってくることがあることは事実です。以前いいと思っていたものに魅力を感じなくなることもあることは私にもあります。

しかしながら,例えばスタンダードもしくはコンベンショナルなジャズ・アルバムを聞いた場合,私の場合,「温故知新」になることが多いように思います。保有するアルバム枚数が増えてくれば,そんなに頻繁にプレイバックする訳ではないので,むしろたまに聞くと「こんな音楽だったかな」というような感じ方の方が多いように思います。もちろん,つまらん!と思うアルバムもありますが,新たな発見があることも多々あると思っています。

一方,以前は全然関心のなかった現代音楽のピアノにこれほど自分がはまるとは思いませんでした。その契機はPeter Serkinの武満徹集でした。また,以前はブルックナーは聞いたこともありませんでしたが,昨今は生演奏にも足を運んでおり,自分も変わったなと思います。そうした意味では,趣味や嗜好は変わるので,それはそれでいいと思います。

こんばんは。回答ありがとうございました。

やはり好みが変わることもあれば、新たな発見があることもあるというのもいいですね。

感性というのは本当に不思議なものですね。私は音楽の知識などが全くなく、あまりライナーや情報もいれないせいか、シンプルに好きか嫌いかという本当に赤ん坊のような受け止め方です。今まであまり意識してなくて、そのような聴き方が普通だと思ってました。それがジャズ仲間は演奏技術や知識を通して語るので、一般的にはそれが普通なんだろうなとも気づきました。

だた自分は技術なんてどうでもいいし、知識も興味ありません。確かに技術や知識があれば知覚できる領域はない人より感じられるでしょうから、もしかしたらその方がいいのかなとも思いますけど、それ自体頭が先の聴き方なのかなとも思います。

どちらがいい悪いは勿論ありませんので、特には気にせず好きなスタンスではありたいです。

マイルスのカインドオブブルーは名盤と言われてますが、私は一般的な感性がないのか全く好きではありません(笑)

長々となりましたが、またコメントさせていただきますね。

レンさん,おはようございます。

>やはり好みが変わることもあれば、新たな発見があることもあるというのもいいですね。

はい。私にとってはそういうことになります。

>感性というのは本当に不思議なものですね。私は音楽の知識などが全くなく、あまりライナーや情報もいれないせいか、シンプルに好きか嫌いかという本当に赤ん坊のような受け止め方です。今まであまり意識してなくて、そのような聴き方が普通だと思ってました。それがジャズ仲間は演奏技術や知識を通して語るので、一般的にはそれが普通なんだろうなとも気づきました。

普通かどうかはさておき,音楽好きには一家言をお持ちの方も多いですからね。意見として相容れないこともよくあることです。「好きか嫌いか」も重要な指標ですし,Duke Ellingtonは「いい音楽か,そうでない音楽か」と言いましたが,それは個人の尺度によって変わりますので,最後は嗜好ですね。

>だた自分は技術なんてどうでもいいし、知識も興味ありません。確かに技術や知識があれば知覚できる領域はない人より感じられるでしょうから、もしかしたらその方がいいのかなとも思いますけど、それ自体頭が先の聴き方なのかなとも思います。

人それぞれですから,私はどちらでも...。

>マイルスのカインドオブブルーは名盤と言われてますが、私は一般的な感性がないのか全く好きではありません(笑)

そうですか...。私はモードの生み出す雰囲気,クールかつダークな響きが素晴らしいと思いますが,それも好みですからね。

世間では綾瀬はるか、北川景子が人気ありますが、私はどちらも特に何も感じません。勿論ブサイクとかは思ってなくて、ただ特別好きにならなかっただけです。

女性で例えたのが適切ではないかもしれませんが…。

カインドオブブルーも同じで、なんとなく好きという感情にならなかったというのが本音です…でも改めて聴き直してみましたが、確かに仰る雰囲気の魅力などは感じましたし、他のアーティストにはないマイルスの世界観というか総合的芸術のようなものが秘められているのかもと少し見方が変わったように感じます。

色々な方の記事や意見を見て、マイルスの他のアルバムもまた聴き直してみようと思います。

レンさん,こんばんは。

>世間では綾瀬はるか、北川景子が人気ありますが、私はどちらも特に何も感じません。勿論ブサイクとかは思ってなくて、ただ特別好きにならなかっただけです。

本件についてはノーコメントです。女優に関する個人の嗜好についてはとやかく申し上げることは差し控えます。

>カインドオブブルーも同じで、なんとなく好きという感情にならなかったというのが本音です…でも改めて聴き直してみましたが、確かに仰る雰囲気の魅力などは感じましたし、他のアーティストにはないマイルスの世界観というか総合的芸術のようなものが秘められているのかもと少し見方が変わったように感じます。

改めて聞いてみると,違った側面が見えるというのもよくあることだと思います。一度聞いてだめでも,時間の経過によって変わることもありますので,いろいろお試し下さい。

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