ゆったりしたフュージョンって感じのElementsの第1作。
ElementsはMark EganとDanny Gottliebが結成したバンドである。この二人と言えば,Pat Metheny Groupってことになるが,このアルバムをレコーディングした1982年1月には,Mark Eganは既に脱退していたし,Danny Gottliebも同年グループを去ることになる。自分たちのやりたいことがはっきりしてきたってところだと思うが,これがバンドとしてのElementsの第1作。
このジャケではバンドとしてのイメージがはっきりしないし,裏ジャケには海パン姿で海から上がってくる二人の姿という訳のわからないデザインはさておき,フュージョンとしてはなかなかユニークなサウンドと言ってもよいように思う。この二人なら,もう少しカチッとしたサウンドにも仕立てられるはずなのだが,それなりにメリハリをつける瞬間はあるものの,全体としては穏やかというか,ゆったりした感覚が強い音楽で,緩やかに時間が流れていく感じの音楽になっているのが面白い。半ばアンビエントと言っても過言ではないのだ。
共演者として迎えているのが,Clifford CarterとBill Evans。キーボードのサウンドにはそこはかとなくLyle Mays的なところを感じさせるのは,Pat Metheny Group出身のElementsらしいところか。Bill Evansは既に復活したMiles Davisのバンドに抜擢されていた頃だが,ここでのプレイぶりはバンドに合わせておとなしいものである。
しかし,そのサウンドのユニークさはわかるもののだが,このバンドの方向性というのはこれだけでは判断できないという感じであった。そもそも私はこのアナログLPをどのように入手したのかは全く記憶にないのだが,今回,久しぶりに聞いてみて不思議なサウンドだったなぁと思った次第。星★★★。これを聞くなら後の日本でのライブ盤"Far East"を聞く方が楽しめるなぁ。
尚,本作は後に別ジャケでリリースされていて,リンク先のストリーミング音源も別ジャケ・イメージとなっている。
Recorded in January 1982
Personnel:Mark Egan(b, perc), Danny Gottlieb(ds, perc), Clifford Carter(key), Bill Evans(sax)
本作へのリンクはこちら 。
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