「ナイアド:その決意は海を越える」をNetflixで観た。悪い映画ではないんだけどねぇ...。
「ナイアド:その決意は海を越える("Nyad")」(’23,米,Netflix)
監督:Jimmy Chin,Elizabeth Chai Vasarhelyi
出演:Annette Bening, Jodie Foster, Rhys Ifans, Karly Rothenberg, Garland Scott, Jeena Yi
実在のマラソン・スイマー,Diana Nyadのキューバ~フロリダ間の海峡横断という実話をもとに描いた映画で,正直言ってアメリカ人が好きそうな映画である(皮肉ではない)。Netflix製作なので,配信が基本だが,映画の賞レースでは劇場公開が求められる現状からして,一応本国では劇場でも公開されているようだが,日本での状態は定かではない。私はNetflixで観たもの。
先日取り上げた「哀れなるものたち」も強烈なフェミニズムを発露していたが,この映画もそっち系列と言ってよい。還暦を過ぎフロリダ海峡横断に挑むというのは確かに凄いことだと思うし,おそらくは本国では物凄い有名人なんだろうなぁと思うが,まだ存命中というところもあり,相当持ち上げている部分も感じられるし,最近,こういう実話ベースの映画って多いなぁなんて見ながら思っていた私であった。そして一人を除いてほぼ悪人が出てこないが,世の中そんなに綺麗ごとでは済まない部分もあるよなぁと思いながら見ていた私である。
主人公Diana Nyadを演じるAnnette Beningは劇中,泳ぐシーンが相当部分を占めていて,まぁ「努力賞」的な意味合いもあって,オスカーの主演女優賞にもノミネートされたと思えるが,この映画を締まりのあるものにしたのはJodie Fosterだろう。まぁ,監督をした二人はドキュメンタリー出身らしいので,この映画の演出具合の中途半端さは仕方ない部分もあると思いつつ,ここでのJodie Fosterの演技はこの二人の監督の技量を補ったと言えるし,これを見ればノミネートされている助演女優賞も結構有力ではないかと思う。より端的に言ってしまえば,Jodie Fosterがいなければ,単なる偉人伝のつまらない映画になっていたはずだ。儲け役は航海士,John Bartlettを演じたRhys Ifansだろうが,ありがちなシナリオの中で,この映画のMVPはJodie Fosterだと言い切ってしまおう。
主題にも書いた通り決して悪い映画ではないし,それなりに楽しめる映画ではあるのだが,「哀れなるものたち」を観てしまった後ではどうにも「緩い」と思えてしまう映画であった。Jodie Fosterに免じて半星オマケして星★★★☆としよう。
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コメント
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私は クリス・エヴァンス もいけてたと感じました!
投稿: onscreen | 2024年2月18日 (日) 01時25分
onscreenさん,こんにちは。
>私は クリス・エヴァンス もいけてたと感じました!
へっ?Chris Evansって出てました?
投稿: 中年音楽狂 | 2024年2月18日 (日) 13時15分