Banksia Trio@公園通りクラシックス参戦記

須川崇志率いるBanksia Trioが2日間のクラブ・デイトということで,その2日目に渋谷の公園通りクラシックスに行ってきた。私にとっては初ヴェニューである。山手教会の地下というユニークな場所,かつ入口は駐車場のスロープを降りて行ったところにあるというロケーションは実に不思議(笑)。キャパは最大120人前後と思われるが,立ち見も出る盛況ぶりであった。彼らを観るのは一昨年末の武蔵野市民会館小ホールでのライブ以来となるが,その間に3枚目のアルバム,"Masks"をリリースし,それもいい出来だっただけに,今回も期待のライブであった。
そして行われた演奏は静謐さ,美的なるもの,ダイナミズム,フリーなイディオム等の様々な演奏様式において,どれもが極めて高いレベルを実現していて,このトリオの実力を改めて実証したものであった。菊地雅章の"Drizzling Rain"から始まり,アンコールのWayne Shorter作"Lady Day"まで,約100分のプログラムは弛緩するところ全くなしの演奏で誠に見事であった。
当日のプログラムは正確さには少々自信はない(曲順も若干曖昧)が,次のようなものであったはず。私にとって特に印象的だったのが,Ornette Colemanの"When Will the Blues Leave"で,ここで聞かれた,ややコンベンショナルながら強烈なブルーズ感覚をこのトリオで聞けるとは思わなかった。とにかくトリオの全員が何でもできてしまう人たちなのだ。
改めて彼らが現在の日本において屈指のピアノ・トリオであることを確信した一夜となった。上の写真はご同行頂いた先輩から拝借。右は同地でのショットにモザイクを掛けたもの。モザイクを掛けているのでこれではよくわからないが,二人とも演奏への満足度が表れた表情になっている。
- Drizzling Rain(菊地雅章)
- First Dance(市野元彦)
- Untitled(新曲,須川崇志)
- 曲名失念(石若駿作曲のバラッド)
- Masks(須川崇志)
- When Will the Blues Leave(Ornette Coleman)
- Doppo Movimento(林正樹)
- Algospeak Suite(新曲, 須川崇志)
(Ec.)Lady Day(Wayne Shorter)
Live at 公園通りクラシックス on February 28,2024
Personnel: 須川崇志(b),林正樹(p),石若駿(ds)
« 不思議な編成のJohn Surmanの新作:でも昔のECMならこういう編成は結構あったような...。 | トップページ | Wolfert Brederode@晴れたら空に豆まいて参戦記。 »
「ライブ」カテゴリの記事
- Mike Stern@Cotton Club参戦記(2025.03.13)
- SF Jazz Collective@Blue Note東京参戦記。(2025.03.08)
- Nate Smith@Billboard Live東京参戦記(2025.03.01)
- Jazz Pulse@Cotton Club参戦記(2025.02.27)
- 人生初の声楽リサイタルを聞きに,お馴染みイタリア文化会館に出向く。(2025.02.02)
「ジャズ(2024年の記事)」カテゴリの記事
- 2024年の回顧(音楽編:その2):ジャズ編(2024.12.29)
- Arild Andersenのソロ作:ECMでしか成り立たないよなぁ。(2024.12.27)
- Archie Sheppの"Montreux" 2 in 1:終曲のフェード・アウトが痛い...。(2024.12.26)
- 師走にボサ・ノヴァでくつろぐ。(2024.12.25)
- McCoy TynerとJoe Hendersonの凄い発掘音源。マジで物凄い!(2024.12.21)
« 不思議な編成のJohn Surmanの新作:でも昔のECMならこういう編成は結構あったような...。 | トップページ | Wolfert Brederode@晴れたら空に豆まいて参戦記。 »
コメント