不思議な編成のJohn Surmanの新作:でも昔のECMならこういう編成は結構あったような...。
"Words Unspoken" John Surman (ECM)
私は最近は以前ほどECMのアルバムを追わなくなっているが,それでも食指が動くミュージシャンというのは存在する。John Surmanもそんな一人だ。そうは言いながら,John SurmanのECMの前作"Invisible Threads"は購入していないみたい(買ったかもしれない:爆)だし,アルバムだってそれほど保有している訳ではないのだから,結構適当なものなのだが,今回はついついこの編成につられての購入となった。何てたってJohn Surmanにギター,ヴァイブ,ドラムスというなかなかにユニークな編成なのだ。
70年代から80年代のECMなら,様々なメンツの組み合わせでのアルバムは結構あったと思うが,最近ではなかなかこういう編成は少なくなった。それでもやはりこういうのが出てくるのがECMだなぁと思わせる。
総帥Manfred EicherはExecutive Producerとなっているので,これはおそらくJohn Surmanの持ち込み音源なのだが,レコーディングはRainbow Studioだし,出てくる音も実にECMライクなのだ。静謐に流れる部分もあれば,メロディアスな曲もあって,これがなかなか面白い。ベースレスということが全く気にならないというのも,この編成の妙というところだろう。激しさは皆無な中で,淡々と音楽は流れていくのだが,結局はこのサウンドがかなり耳に残るという点では,John Surmanの術中にはまったと感じる私であった。
John Surmanも今年で80歳になるが,そのクリエイティビティにはまだ衰えはないと感じさせるに十分なアルバム。星★★★★。
Recorded in December 2022
Personnel: John Surman(bs, ss, b-cl), Rob Luft(g), Rob Waring(vib), Thomas Strønen(ds)
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