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2024年1月19日 (金)

Wynton Marsalisの"Hot House Flowers"の続編とでも言うべきWith Stringsもの。

_20240117_0001 "The Midnight Blues: Standard Time Vol.5" Wynton Marsalis (Columbia)

ツボにはまった時のWynton Marsalisが凄いことはわかっていても,原理主義的な日頃の言動やプレイぶりに,ジャズに熱量を求めるリスナーからは好かれないのは,本人にとってはどうでもよいことなのかもしれない。なんてたって,ピューリツァー賞も受賞した堂々たるエスタブリッシュメントなのだ。

しかし音楽を聴くだけのこっちの立場からすれば,やはりスリリングな演奏を期待してしまうというのが正直なところ。だから私がWynton Marsalisのアルバムに手を伸ばす機会はそう多くはない。私としては,兄貴のBranfordとバンドをやっている頃はよかったと思うが,そのWynton MarsalisがまだBranfordとの活動を続ける中で,"Hot House Flowers"でストリングスをバックにした見事なバラッド表現を聞かせたのが1984年のことであった。それから13年後の97年に改めてWith Stringsでレコーディングしたのが本作。ストリングスのアレンジメントは"Hot House Flowers"同様Bob Friedmanが務めていることからして,続編という扱いをしてもいいようなムーディなバラッド・アルバム。

こういうのを聞かされると,まじでうまいわぁ~と思ってしまう。そして何とも芳醇なバラッド・アルバムとして,夜に小音量でプレイバックしたくなること必定というところ。日頃はWynton Marsalisに否定的な私のようなリスナーも黙らせてしまう力を持っていると言わざるをえない。"Glad to Be Unhappy"のエンディングのソロ・フレーズなんて,バラッドに留まらない表現だと思えるし,そうした意味での満足度は高い。さすがにこのムーディさは過剰と思える部分もあるが,時と場合を選べば非常にフィット感が高まるアルバム。演奏の質の高さは保証できるので,星★★★★☆としよう。

Recorded between September 15-18, 1997

Personnel: Wynton Marsalis(tp), Eric Reed(p), Reginald Veal(b), Lewis Nash(ds), Bob Friedman(arr, cond) with strings

本作へのリンクはこちら

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