ECMのArt Ensemble of Chicago Boxから"Tribute to Lester"を聞く。
"Tribute to Lester" Art Ensemble of Chicago (ECM)
買ったものの,なかなかプレイバックする機会が少ないのがECMからリリースされた"Art Ensemble of Chicago And Associated Ensemble"という21枚組の強烈なボックス・セットだ。Art Ensemble of ChicagoがECMに残したアルバムだけでなく,メンバーが参加したアルバムを集成したという強烈なものだが,音楽としても結構ハードルが高いのも事実なので,CD棚の肥やしになっているようなものなのだが,今回その中から完全に気まぐれで選んだのがこのアルバム。買ってから一度も聞いていなかったのを反省しての意味もあった。
Lester Bowieが亡くなり,Joseph Jarmanが離脱している時期の演奏で,タイトル通りLester Bowieの追悼の意味を持ったものだが,3人編成のArt Ensemble of Chicagoがどういう響きなのかというところが注目のポイントだろう。結論から言えば,パーカッションの使い方や,多様な音楽スタイルを聞かせるのは実に彼ららしいという気がするが,従来のArt Ensemble of Chicagoとは雰囲気は若干異なる気がする。特にホーンが一人となったRoscoe Mitchellの多才さが際立つって感じがする。プリミティブな感じもあれば,讃美歌のように響く瞬間もあるし,更には「ど」フリーな展開もあるという何でもござれ状態なのだ。
本作はLester Bowieへのトリビュート作ということもあって,演奏には気合が入りつつ,緊張と弛緩をうまく組み合わせていて,実に楽しめるアルバムとなった。私はArt Ensemble of Chicagoのいいリスナーだったとは言えないが,そんな私にも訴求力十分のアルバム。こういうアルバムをちゃんと聞いていなかったことを反省して星★★★★★としよう。
Recorded in September 2001
Personnel: Roscoe Mitchell(as, ts, ss, sn, bass-s, fl, whistle, perc), Malachi Favors Maghostut(b, bell, whistle, gong), Famoudou Don Moye(ds, conga, bongo, counsel-ds, bell, whistle, gong, chime)
本作へのリンクはこちら。
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