新年最初のジャズ・アルバムはジョンアバから。
"Abercrombie Quartet" John Abercrombie (ECM)
いろいろなことがあった正月休みも後半となってきたので,そろそろジャズ・アルバムでも聞こうということで取り出したのが本作。現在は"The First Quartet"というボックスで簡単に入手できるようになったが,一時期(と言っても結構長い期間),Richie BeirachがManfred Eicherともめたせいで,同じメンツによる"Arcade"並びに"M"同様廃盤の憂き目にあっていたアルバムである。だが,このメンツなので,当然廃盤にすべきような演奏ではない。そうした意味で,Manfred Eicherの頑固さが出たって感じだろうが,むしろそれだけ頑固なEicherがストリーミングをあっさり解禁したのには驚いたものだ(それで聞けるようになった廃盤アルバムも結構あったので,それはそれで嬉しかったのだが...)。
ジョンアバはECMにおいて,"Timeless"を出し,そして"Characters"を出した後にこうした編成のアルバムをリリースすることは今にして思えば意外なことではあるが,George MrazとPeter Donaldはジョンアバがバークリーに通っていた頃からの付き合いだったそうで,それを受けてのクァルテットだったということになるようだ。
改めてこのアルバムを聞いてみると,ECM的というよりは,コンテンポラリーなギター・クァルテットという感じのサウンドである。もちろん,ジョンアバのギターの音はオーセンティックなジャズ・ギターって感じではないが,緩急を交えた演奏は実に楽しく聞ける。曲は3曲ずつ,ジョンアバとRichie Beirachが分け合っているが,今聞いても,どれもが佳曲と言ってよい出来であった。星★★★★☆。
Recorded in November 1979
Personnel: John Abercrombie(g), Richie Beirach(p), George Mraz(b), Peter Donald(ds)
本作単体でのCDリリースはないので,ボックスへのリンクはこちら。
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