今更ながらのNick Drake。素晴らしいアルバムであった。
"Five Leaves Left" Nick Drake (Island)
わずか3枚のアルバムを残してこの世を去ったNick Drakeのこれがデビュー・アルバム。リリースされた当時は全然売れなかったが,その後,評価がどんどん上がっていき,傑作としての評価が固まったのは1990年代に入ってからのようだ。しかし,本作が再評価されるずっと前から,ブラックホークの99枚のうちの1枚に選んでいた松平維秋の審美眼は素晴らしかったと思わざるをえない。
このアルバムが持つ内省的でメランコリックな響きはリスナーの心の琴線を揺さぶるものと言ってもよいが,こうした響きがおそらくはBrad Mehldauにも影響した結果,彼のレパートリーにこれまでのところ(多分)4曲,Nick Drakeの曲が選ばれることにつながったと思える。そのうち3曲("Time Has Told Me","River Man",そして"Day Is Done")は本作に収められていることを踏まえれば,Brad Mehldauの追っかけたる私にとってもこのアルバムは極めて重要だということになる。
プロデュースを名匠,Joe Boyd,更にゲストにRichard ThompsonやDanny Thompsonを迎えていることからしても,当時のIslandレーベルの期待値の高さが表れていると思うが,残念ながらセールスにはつながらなかった。それは60年代末という時代のなせる業だったのかもしれない。しかし,この音楽が持つ魅力は時代を越えて不変だと思わせるに十分であり,素晴らしいメロディ・センスに,必要最小限の編成における的確なアレンジメントが加わって,今の耳にも魅力的に響く。ストリングスとの共演なんてまさに痺れる出来で,やっぱりこれは傑作だと改めて思わせる。星★★★★★。
Personnel: Nick Drake(vo, g, p), Richard Thompson(g), Danny Thompson(b), Tristan Fry(ds), Rocky Dzidzornu(perc), Clare Lowther(cello), Lyn Dobson(fl), Harry Robinson(arr), Robert Kirby(arr)
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