デンマークの叙情派ピアニスト,Søren Bebeの新作が本国より到着。
"Here Now" Søren Bebe Trio (From Out Here Music)
ブログのお知り合いの世界でも昨今注目されているのがSøren Bebeである。いかにも北欧的な叙情的な響きを持つそのピアノは,この手の音を好む日本のリスナーには確実に受けるはずだと思う。
そもそも私がこの人を知ったのは今年になってからのことである。既にこのブログでも記事にしたが,Facebookでアルバム"Echoes"を送料だけで販売というのにつられて,購入したのがその"Echoes"と"Hope"の2枚であった(記事はこちら)。更にその後,それ以前にリリースされたアルバムも3枚入手しているから,私も相当はまってしまったということになるだろう。その新作がリリースされたということで,本国から飛ばしたものが到着した。
早速プレイバックしてみると,悪く言ってしまえば,どれを聞いても同じように聞こえるのだが,そう言っては身も蓋もない。だが,良い意味でもワンパターンには中毒性があることは,私が全然音楽のタイプは違うが,Mike Sternが好きなのと重なる部分がある。
そして,本作も若干毛色の違う曲も交えてはいるものの,美的で静謐で叙情的な響きはこれまでのアルバム同様である。例えば9曲目の"Summer"なんかはフォーク的な響きを持っていて,へぇ~と思わせる。それでも全編を通して聞けば,最近はあまり使わくなったフレーズであるが,「膝を抱えて聞きたくなる音楽」と言ってもよい。この響きに静かに身を任せていれば,世の中の大概の憂さは忘れることができるのではないかと思えてしまう。心の平安をもたらすヒーリング効果さえ期待できるピアノ・トリオ。今回はドラマーがノルウェイのKnut Finsrudを迎えているが,ドラマーが変わったことの影響は全くない。今回もこちらの期待には応える作品と思う。ちょっと甘いかもしれないが,星★★★★☆としよう。
Recorded on April 17 & 18,2023
Personnel: Søren Bebe(p), Kasper Tagel(b), Knut Finsrud(ds)
アルバムのダウンロード・リンクはこちら。
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