"The Deepest End,Live in Concert" Gov’t Mule (ATO)
Allman Brothersにも在籍したWarren Haynesのバンド,Gov’t Muleの2003年のライブ・アルバム。似たようなタイトルの"The Deep End"のライブ版と考えてよいであろうアルバムで,聞き通すのも大変,付属のDVDを見るのも大変というかなりのボリュームとなっている。
私は未聴だが,"The Deep End"はVol. 1とVol. 2があって,各々が多数のゲスト・ベーシスト+αを迎えての演奏となっている。これはオリジナル・メンバーであったベースのAllen Woodyの死去を受けて,解散も考えていたGov’t Muleが気を取り直して吹き込んだものらしい。それをライブでもやってしまおうという企画であるが,ライナーによれば,午後10:10に演奏は開始し,短い休憩を挟んで,午前3:50まで続いたというのだから,どういう体力だ?って思ってしまう(笑)。やっぱり食ってるものが違うんだろうと言いたくなるが,それにしてもである。
"The Deep End"同様,ベースはいろいろな人が次から次へと出てくるし,そこにゲストも加わって,実に賑々しいアルバムだが,ここまでやられるとお腹いっぱいで胸焼けしそうって感じでもある。まぁそれでも,彼らが繰り出す音は,私好みのものでもあるので苦にはならない。それでもCD2枚で2時間半越え,DVDは3時間越えとなると,ちょっとやそっとでプレイバックする気にならないのも事実なのだ。
これだけのミュージシャンを集めるのはさぞ大変だったと思えるが,New Orleans Jazz & Heritage Festivalに出演していたミュージシャンも搔き集めたというのが実態らしい。それにしても錚々たるメンツが集まっている。
そうした中で私が嬉しかったのはSonny Landrethが2曲に参加していることだが,収録されているのはCDに1曲,DVDに1曲である。私は映像に入っている"On Your Way Down"でのプレイぶりを見て,やっぱりこの人,無茶苦茶うまいと思ってしまった。昨今のスライド・ギタリストと言えば,ついついDerek Trucksとなるが,同じスライドでもスタイルが違うのだ。この技を見ている(聞ける)だけでも価値がある。もちろん,Sonny Landrethに留まらず,ゲストは見事な共演ぶりを示して,大いに楽しめる。
精緻な音楽という訳ではないが,こういうのも絶対ありだと思わせるに十分なライブ作。星★★★★。
Recorded Live at the Saenger Theatre, New Orleans on May 3, 2003
Personnel: Warren Haynes(g, vo), Matt Abts(ds), Danny Louis(key) with Jack Casady(b), Les Claypool(b, vo), Roger Glover(b), Mike Gordon(b, vo), Paul Jackson(b), Conrad Lozano(b), Will Lee(b), Jason Newsted(b), George Porter Jr.(b, vo), Greg Rzab(b), Dave Schools(b), Rob Wasserman(b), Victor Wooten(b) and Karl Denson(ts, fl), Dirty Dozen Brass Band Horns, Bela Fleck(banjo), David Hidalgo(g, vo), Sonny Landreth(g), Ivan Neville(key), Fred Wesley(tb), Bernie Warrell(key)
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