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2023年10月31日 (火)

またも無駄遣い:Bobo Stensonの"Underwear"のCDを入手。

_20231026_0001 "Underwear" Bobo Stenson (ECM)

最近多い無駄遣いネタである(苦笑)。このアルバム,かつて日本でだけCD化されたことがある。なぜその時買わなかったのかと思うが,それは本作のアナログを国内盤ながら保有していたからだと思う。しかし,後々になって,やっぱり買っておけばよかったと思っても後の祭りで,たまに中古ショップを覗いて,必ずBobo StensonもしくはECMのコーナーをチェックしても,このCDを見かけたことはなかった。ということで,某ショップのWant Listに入れておいたら,ついに引っ掛かったもの。正直言って財布には無茶苦茶とは言わずとも,少々痛い価格であったが,ここで買い逃せば,また後悔するということで,ゲットしたもの(と思っていたら,Amazonに中古が出ていたが:苦笑)

アナログ・レコードを保有しているんだから,そっちを聞いていればいいじゃないかというご指摘はごもっともなのだが,在宅で仕事をしながらのBGMにするには,アナログは何かと面倒な部分も出てくる。だから通常はCDに世話になっている私ゆえ,やはりこのCDは保有しておきたかった。

ECMの初期(何てたって,ECM1012だ)を代表するアルバムの一枚と言ってもよいと思うが,今聞いても鮮烈な響きだったなぁと思える。まぁこのメンツだし,悪いわけがないのだが。現在のBobo Stensonと比べるのも面白い。

Recorded in May 1971

Personnel: Bobo Stenson(p), Arild Andersen(b), Jon Christensen(ds)

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2023年10月30日 (月)

Rhino編纂のForeignerのアンソロジーを久しぶりに聞く。

Foreigner-anthology "Foreigner Anthology: Jukebox Heroes" Foreigner (Atlantic/Rhino) 

Foreignerというバンドはデビューが1977年だが,その時のことはよく覚えている。英米混成のスーパー・バンドみたいなコピーだったと思うが,FMではよく聞いたものだ。だが,私が彼らのオリジナル・アルバムを買ったことは一度もなく,私が保有したことがあるのは彼らのベスト盤"Records"と,このアンソロジーだけというのが私にとってのForeignerのポジションである。だが,ベスト盤やアンソロジーを聞いていると,今でも歌えてしまう懐かしいメロディだったり,結構な佳曲が揃っていると思っている。ファンとは言えなくても,結構「懐メロ的」に好きなのだ(笑)。

このコンピレーションがリリースされたのは2000年に遡るが,その後も手を変え品を変えベスト盤は出ているが,私にはこれで十分ってところだ。こういうコンピレーションではやれデモ・テイクだ,ライブ音源だという編集が行われることが多いが,このアルバムは既発音源だけで固めているというのがある意味珍しい。その代わりと言っては何だが,Mick Jonesが所属していたSpooky Toothや,Mick Jones,そしてLou Grammのソロ・アルバムからも選曲されている。まぁ,こういう編集方針もありで,つまらないデモ音源とかよりずっとましだと感じる。

私にとっては彼らのアルバムは"4"まででいいかなと思えるが,それは私が"Records"で馴染んでいた曲がそこまでだからだが,売れ方も"4",そして"Records"がピークだったというのは紛れもない事実だろう。そういうこともあって,2枚組のこのアンソロジーでも聞くのはいつもDisc 1って気がする。ベスト盤である"Records"が彼らのアルバムで一番売れたものの一枚というのは,彼らがシングル・ヒットの多いバンドだったことの裏返しだと思うが,売れる曲には売れる理由があると改めて感じてしまう。

私の場合,やはり同時代感が強いが,このバンドにIan McDonaldが在籍していたことは何とも面白く感じる。いずれにしても,何とも懐かしく聞いてしまった私であった。今やリーダー,Mick Jonesも78歳らしい。来年にはラスヴェガスで"Foreigner: Feels Like the Last Time Farewell Tour"と題してサヨナラ・ライブをやるらしいが,本当にそれが最後かは神のみぞ知るってところか。

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2023年10月29日 (日)

クロゼットに埋もれていたMartha Argerichの蔵出しライブ音源。

_20231024_0002 "Live from the Concertgebouw 1978 & 1979" Martha Argerich (EMI)

Martha Argerichがリサイタルを開かなくなってもう40年近くになるはずだが,やはり彼女のソロを聞きたいというニーズが存在するのは間違いないところだろう。そうしたニーズに対応して,ようやく2000年になってEMIからリリースされたのがこの70年代後半のアムステルダムにおけるライブ音源であった。

私はこのアルバムをクロゼットにしまい込んでいて,保有していることは覚えていても,随分長いこと聞かずに放置してきたと思う。先日,クロゼットを漁っていたら,思わず手が止まったのが本作であった。よくよく見ると,なかなか面白いプログラムなのだ。バッハ,ショパンはわかるとして,そのほかがバルトーク,ヒナステーラ,プロコフィエフ,更にアンコール・ピースではあるがスカルラッティだもんなぁ。

私としては特にバルトーク,ヒナステーラ,プロコフィエフが面白く,これらはマジでエグいと言ってもよい。正確無比ではありながら,ダイナミズム溢れる演奏に,おぉっ,Argerichだ!と独り言ちていた私である。何でも弾けてしまうMartha Argerichってところだが,何を弾いても強烈なパッションを感じさせるのがこの人らしいと思った。こういうCDをクロゼットに仕舞い込んではいかんと反省。もはや40年以上前の音源なので,音としては完璧ではないが,そんなことは一切気にならないと思わせた。星★★★★☆。ということで,クロゼットからの救出決定(笑)。

Recorded Live at the Concertgebouw, Amsterdam on May 7, 1978 and April 22, 1979

Personnel: Martha Argerich(p)

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2023年10月28日 (土)

Mick Hucknallの"American Soul":ソウルを愛するのはわかるけどねぇ...。

_20231024_0001 "American Soul" Mick Hucknall (Atco)

このアルバムがリリースされて10年以上の時間が経過しているが,その間にプレイバックした回数はごく限定的だったと思う。Simply Redのと言った方が通りがよいMick Hucknallがバンドを解散後,ソロ・キャリアのスタートとしてリリースしたのが本作であった。

Simply Redが"If You Don't Know Me By Now"をヒットさせたのは89年だったが,私がNYCに居住していた90年代初頭にもまだまだ盛んにFMでエアプレイされていたのも懐かしいし,同曲が収められた"A New Frame"や次作"Stars"はよく聞いた。だが,私がSimply Redを聞いていたのはそこ止まりであり,本作が出た時はへぇ~と思って購入したと記憶している。だが,冒頭に記したように,このアルバムを頻繁にプレイバックしてこなかったのは,このアルバムの軽さゆえだと思う。

ソウル・ミュージックへの愛着を示すのはいいだろうが,私にとってここでのMick Hucknallの歌は,エモーションが決定的に不足している。「歌のうまい兄ちゃんが,ソウル・ミュージックを歌ってみました」という感覚すら覚えるが,これを聞くならカヴァーされている本家のディープなソウル・ミュージックを聞いている方がはるかによいと思ってしまうのだ。

なので,聞いていても全然面白いと思えない。最後にAntony & the Johnsonsの"Hope There’s Someone"を持ってくる目配りは否定しないが,本作を私は認めたいとは思わない。どうせなら最後の2曲("It’s Impossible"と"Hope There’s Someone")のような曲を中心にして,ソウルにこだわらなければもっと評価したのに...ということで,本作は星★★がいいところ。次の売却対象にすること間違いなし(笑)。

Personnel: Mick Hucknall(vo), Geoff Holroyde(ds), Roman Roth(ds), Steve Lewinson(b), Andy Wright(b, key, perc), Gavin Goldberg(g), 鈴木賢司(g), Peter J. Vettese(key), Dave Clayton(key), Mark Cotgrove(perc), Barnaby Dickinson(tb), Greame Flowers(tp), Andy Ross(sax), Mark Jaimes(g), Danny Saxon(key), Patrick Murdoch(g), Roachie(key, vo), Vezio Bacci(b), Isobel Griffiths Ltd(brass), The London Session Horns(brass)

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2023年10月27日 (金)

Eric Stewartが一時復帰した時期の10CCの東京でのライブ盤。

_20231023_0001 "Alive" 10CC (Polydor)

今でも現役で頑張る10CCで,来年には過去の音源を総括した14枚組のボックス・セットのリリースを控えているのだが,今回紹介するこのライブ音源はそこから洩れているようだ。このライブ盤は"...Meanwhile"で一時期Eric Stewart入りで復活した10CCが日本でレコーディングしたもので,既にそれから30年の時が経過している。この音源が吹き込まれたメルパルクホール東京(郵便貯金会館)も五反田ゆうぽうと(簡易保険ホール)ももはや存在しないことに時の流れを痛感する私である。しかし,来年予定しているツアーではRoyal Albert Hallでのライブも予定されているようで,今でも英国内での人気がうかがえる10CCだ。

私はなんだかんだ言って10CCの音楽って結構好きだと思うが,ポップな感覚と手堅い演奏能力を備えたバンドであったとつくづく思うし,今聞いてもいい曲が揃っていると思ってしまう。このアルバムとて,新しいレパートリーは3曲だけで,往年のヒット曲満載なのはまぁ仕方ないところだろう。異色と言ってよいのはBeatlesナンバー,"Across the Universe"と"Paperback Writer"が含まれていることだが,この再結成前にEric StewartがPaul McCartneyとコラボしていたこともあるだろうし,確実に彼らはBeatlesの影響下にあったであろうことを踏まえれば驚きはないし,結構はまっている。

私が彼らのライブをビルボードライブ東京で観てから8年以上経過しているが,その時にも感じたライブ・バンドとしての矜持をここでも感じることができるのがいいし,往年の名曲ではまたまたついつい一緒に歌ってしまった私であった(爆)。懐メロと言ってはいけないが,若かりし頃の同時代感を改めて感じさせてくれたライブ盤であった。星★★★★。

Recorded Live at メルパルク東京ホール on March 22 and at 五反田ゆうぽうと on March 24,1993

Personnel: Eric Stewart(vo, g, key), Graham Gouldman(vo, Stephen b, g), Rick Fenn(g, b, vo), Stewart Tosh(perc, ds, vo), Stephen Pigott(key), Gary Wallis(ds)

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2023年10月26日 (木)

Blue Note東京での演奏の記憶も新しいSF Jazz Collectiveのライブ音源。

Sf-jazz-collective-2022"New Works & Classics Reimagined" SF Jazz Collective (SFJazz)

先日のBlue Note東京でのライブも素晴らしかったSF Jazz Collective。ライブ参戦前にもこの音源はストリーミングで聞いていて,コンテンポラリーな響きにワクワクしながら,ライブの場に向かった。Blue Noteでの演奏では第一部が新曲,第二部が過去の偉人にオマージュした演奏ということで,本作と同様"New Works  & Classics Reimagined"ってことになる。これが彼らの活動の基本線と考えてよいだろう。

以前にも書いたが,SF Jazzのサイトではこの音源がCDとしても販売されていて,それがBlue Noteでも売られていたので2021年盤ともども入手してきたが,改めてCDで聞いてみると,実にスリリングな演奏で,Blue Noteでの演奏が蘇る。

本作で言うNew Worksは8曲中6曲で,Warren Wolf以外のメンバーのオリジナルが収められている。そのWarren Wolfも最後に収められた"Prelude~Someday We'll All Be Free"では"Prelude"の作曲とメドレーのアレンジメントを担当しているから,実に民主的な取り組み姿勢が貫かれていると思える。そうした姿勢はライナーにも表れていて,各々の担当曲にそれぞれがコメントを寄せていて,こういうのはストリーミングだけではわからないから,媒体はやっぱり重要なのだ。そしてその曲解説が実に興味深いのであった。"Someday All Be Free"はDanny Hathawayの曲だが,Warren Wolfはシンセサイザー(MiniNova Novation)にトーキング・モジュレーター(ElectroSpit)を加えて,Roger Troutman的な音を付加しているなんて書いているのが面白い。なるほどねぇって感じで,これが無茶苦茶カッコいいのだ。

メンバーは相応の実力者揃いだが,それでも私の耳はクリポタとKendrick Scottに向いてしまう。そしてやはりここでもクリポタのソロは図抜けているし,Kendrick Scottのドライブ感は見事なものだ。そして驚きなのはこのバンドがパーマネントなものではないということである。このCollectiveとしての活動は秋口に招聘されて,そこでの徹底したリハーサルを経て,SF Jazz Centerでの4日間の演奏をライブ・レコーディングするというのがルーティンとなっているようだが,それでこの演奏というのが素晴らしい。才能ある人たちが集まれば傑作ができてしまうことが多いというのはジャズ界の伝統と言ってもよいが,それは現代においても脈々と息づいているということだ。

この音源を歴史的傑作と呼ぶつもりはないが,現代ジャズの一つの理想的な取り組みを感じさせる音源として星★★★★☆としよう。本作に収められた"Smokey"の映像がYouTubeに上がっていたので,貼り付けておこう。

Recorded Live at SF Jazz Center in Fall, 2022

Personnel: Chris Potter(music director, ts, ss, b-cl), David Sánchez(ts), Mike Rodriguez(tp, fl-h), Warren Wolf(vib), Edward Simon(p, el-p), Matt Brewer(b), Kendrick Scott(ds)

2023年10月25日 (水)

Amazon Primeで見た「ファイナル・カウントダウン」

Final-countdown 「ファイナル・カウントダウン("The Final Countdown")」('80,米,UA)

監督:Don Taylor

出演:Kirk Douglas, Martin Sheen, Katharine Ross, James Farentino, Charles Durning

先日,家人が出掛けている間にAmazon Primeで見たのがこの映画である。「ファイナル・カウントダウン」と言えば,Europeの同タイトルの曲を思い出してしまうが,両者には何の関係もない。映画の方はタイム・スリップもので,USS Nimitzが現代から真珠湾攻撃直前に突然タイム・スリップしてしまうというもの。こうなると日本軍の奇襲を知っているUSS Nimitzの行動によっては,タイム・パラドックスが発生してしまうが,さて...という展開である。

私がこの映画を見たのは今回が初めてだったが,この映画を製作したBryna ProductionsってのはKirk Douglasの会社だったらしい。クレジットはされていないが,この映画でも製作総指揮って役割も兼ねているとのことだ。こういうのを知るとへぇ~って感じだが,米国海軍全面協力を取り付けたのもKirk Douglasってところか。

詳しく書くとネタバレになるので控えるが,タイム・パラドックスは全面的とは言わないが,そこそこうまく回避したってところか。エンディングに向けての展開は少々無理があるとは思うが...。役者陣では艦長役のKirk Douglasはさておき,Martin Sheenは出番は多いものの,大した活躍もなく,どちらかと言えばJames Farentinoが一番のもうけ役ってところだろう。まぁ,こういう映画は肩ひじ張らず見ればいいって感じでちょっと甘めの星★★★☆。

本作のBlu-rayへのリンクはこちら

2023年10月24日 (火)

またもブートの話:今日はZawinul Syndicate。

Zawinul-syndicate "Lugano 1989" Zawinul Syndicate (Bootleg)

これは随分前に入手したブートレッグ。私はJoe Zawinulの業績を認めつつも,やっぱりこの人はWeather Reportだと思っているのは事実だ。そうは言いつつ,WR解散後のアルバムも結構保有しているから,やはり注目はしてきたということではあるのだが,その程度である。

そんな私がなんでこのブートを買う気になったかと言えば,それは偏にスコヘンことScott Hendersonの参加ゆえなのだ。Scott HendersonはZawinul Syndicateのアルバムでは"The Immigrants"と"Black Water"にゲスト的に参加していたから,ライブにも参加していても不思議はない。また,1989年ならば既にTribal Techでもアルバムをリリースしている時期で,そのスコヘンがライブの場でJoe Zawinulとどういう音楽をやっているかに興味があったからこその購入であった。

結論からすれば,スタジオ音源よりも露出度が高く,スコヘンのファンなら大いに楽しめてしまうと思う。Disc 2の冒頭には"Monk’s Medley"としてまさにThelonious Monkの曲をメドレーでやっているのだが,音はスコヘンそのものながら,かなりオーセンティックなジャズ・スタイルでの演奏が聞けるのも珍しいと言えば珍しいのだ。まぁ,リズム隊にもソロ・スペースを与えるのがいかにもライブらしいところではあるが,若干の冗長感は否めないものの,タイトなフュージョンとして結構楽しめる音源ではある。また,まだワールド・ミュージック感もそれほど強くないのも私には丁度いいってところ(笑)。

面白いのはヴォーカルにCarl Andersonが入っているのは,WRでのアルバムでの共演歴からしてわかるとして,そこにLalah Hathawayが加わっていることだ。これにはへぇ~となるが,よくよく聞いてみると,ラストのミュージシャンの紹介では彼女の名前ではなく,Leata Galloway(?)と呼ばれているように聞こえるから,これはブート屋の完全誤植であろう。こういうところはいかにもブートである(きっぱり)。それでもパーカッションにBill Summersが加わっているのも珍しいし,ブートってのはやはりこういう珍しさも重要だよなと思う。それでしょうもない音源をつかまされることも多々あるが,それでも買ってしまうのが「性」ってやつだな(苦笑)。

Recorded Live in Lugano on July 1, 1989

Personnel: Joe Zawinul(key), Scott Henderson(g), Gerald Veasley(b), Cornell Rochester(ds), Bill Summers(perc), Leata Galloway(vo), Carl Anderson(vo)

2023年10月23日 (月)

更にCarla Bleyを偲んで。

_20231020_0001 "Dreams So Real" Gary Burton (ECM)

亡くなったCarla Bleyを偲ぶのであれば,彼女のアルバムを聞くのももちろんいいのだが,作曲家としてのCarla Bleyの業績を振り返るべく聞いたのがこのアルバム。

本作がレコーディングされたのが1975年12月,リリースはその翌年であるから,私が初めてCarla Bleyを聞くことになるのはそれよりずっと後のことであった。Carla Bleyに「怖い」というイメージを持つに至った私ではあるが,それよりずっと前に,ここに収められたような曲を書いていたということを知れば,個人の持つイメージで判断することがいかに危険かということがわかる。

冒頭のタイトル・トラックからして,Gary Burton Quintetの演奏の響きと相まって,夢見心地になるような美しい曲である。確かに2曲目の"Ictus~Syndrome"の前半や,5曲目の"Doctor"等にはややアブストラクトな響きも感じられる。しかし,全体を通しては基本的に美しい曲が並んでいて,こういうのから聞いていれば,Carla Bleyの印象は違うものになっていたはずだ。

ここに収められている曲を,例えばCarla Bley Big Bandの演奏と比べると,Carla Bleyの音楽が持つ多様性が際立つように思える。以前,このブログで取り上げたホリデイ・アルバム,"Jazz to the World"では,Michael Franksが歌う"Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!"のバックでピアノを弾いているのがCarla Bleyなのには驚いたことがあるが,実に多才な,そして活動の枠にとらわれない人であった。改めてではあるが,惜しい人を亡くしたと思う。

Recorded in December, 1975

Personnel: Gary Burton(vib), Mick Goodrick(g), Pat Metheny(g), Steve Swallow(b), Bob Moses(ds)

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2023年10月22日 (日)

出た!Rolling Stones18年ぶりのオリジナル・アルバム。

_20231021_0001 "Hackney Diamonds" Rolling Stones (Polydor)

Rolling Stonesがオリジナルのアルバムを出したのは2005年の"A Bigger Bang"まで遡る。間にブルーズ・アルバム,"Blue & Lonesome"を挟んだとは言え,実に久しぶりのオリジナル・アルバムである。その後,Charlie Wattsが亡くなり,今年で80歳になるMick JaggerとKeith Richardsであるから,こちらもこの新作には期待半分,不安半分みたいなところがあったのは事実だ。

しかし,まずストリーミングで聞いて,ミキシングのせいもあろうが,Mick Jaggerの声質が若干変わったようにも思える一方,実に声がよく出ていると感じられたのには正直驚いてしまった。ストリーミングで済ませてもよかったが,これを聞かされては,やはり媒体を仕入れるしかないと思わせるほど,この年齢の爺さんたちがやる音楽としては実にパワフルなのだ。

一方,Charlie Wattsの生前のドラムスを2曲収め,そのうちの1曲である"Live by the Sword"にはBill Wymanまで参加しているし,迎えたゲストも豪華とあっては,私はMick JaggerとKeith Richardsが本作をラスト・アルバムとして世に問うつもりだったのではないかと思ってしまった。年齢的にも今後新作を期待するのは難しい部分もあるはずなので,あながちはずれていないようにも思えるが,いずれにしてもこれはかなり気合を入れて作ったアルバムだと思える。いつもならばプロデューサーとしてGlimmer Twinsがクレジットされるところ,今回はAndrew Wattに任せて,Glimmer Twinsの名前がないところに曲作りと演奏に集中したってところかもしれない。

メディアも驚きをもって迎えた新作であることは評価の高さからも見て取れるが,枯れることなく,ここまでラウドにロックしてくれれば,何の文句も出ない。これは星★★★★★とする以外はない見事なアルバムであった。今後私も歳を重ねるに際してはかくありたいと思わせる素晴らしき老人たちだ。

Personnel: Mick Jagger(vo, g, perc, hca), Keith Richards(g, vo, b, p), Ronnie Wood(g, b, vo), Charlie Watts(ds), Bill Wyman(b), Steve Jordan(ds), Andrew Watt(vo, b, g, key, perc), Matt Clifford(p, el-p, key, org), Elton John(p), Paul McCartney(b), Benmont Tench(org),  Lady Gaga(vo), Stevie Wonder(p, el-p, synth), James King(sax), Ron Blake(tp), Karlos Edwards(perc) with Strings

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2023年10月21日 (土)

追悼,Carla Bley。

Carla-bley

Carla Bleyが去る10/17に亡くなった。脳腫瘍による合併症だったそうだ。享年87歳。以前にも書いたことがあるが,私が勝手に抱いていたCarla Bleyのイメージは「怖い」というものであった。それはアルバム"Escalator over the Hill"や,Liberation Music Orchestraでの音楽のイメージがあったからであるが,そうしたアバンギャルドとも思えるイメージは,彼女の一面に過ぎず,実に豊かな音楽性を有する人であった。Carla BleyがECMレーベルでSteve Swallow,Andy Sheppardとのトリオで吹き込んだ3枚のアルバムは深淵という表現が適切と思えるものだった。

そんなCarla Bleyを偲んで私が聞いていたのが"The Lost Chords Find Paolo Fresu"だったが,ここにはPaolo Fresuというラッパの響きも相まって,ロマンティシズムさえ感じさせるCarle Bleyの音楽が収められていた。まさに多様な音楽性を持ちながら,長きに渡って強烈な影響力を持つ人であった。優れたミュージシャンがまた一人世を去った...。

R.I.P.

2023年10月20日 (金)

Tedeschi Trucks Band@東京ドームシティホール参戦記。

Ttb-at-tokyo-dome-city

Tedeschi Trucks Bandの来日はコロナ禍もあって,4年ぶりになるそうだ。私が最初に彼らのライブを初めて見たのが渋谷公会堂,その次が武道館,そして今回は東京ドームシティホールである。このホール,客席とステージが近く感じられるなかなかライブを見るにはいいホールで,私がここに来たのは最初がJohn Mayer,そして2度目がJeff Beckだったが,それ以来のこととなる。

Setlist-of-ttb ライブの冒頭からDerek Trucksのギターはキレキレで,おぉ,これだけでも来たかいがあったと思っていた私であった。Susan Tedeschiの声も以前よりいい具合に枯れた感じが出てきたような気がして,ヴォーカルもナイスだったと思う。レパートリーは新旧を取り混ぜたものと思うが,アンコール前には最近よくやるらしい"Beck’s Bolero"で盛り上げて,彼ららしい演奏を楽しめた。そうは言ってもやはり私の目はDerek Trucksの技に釘付けだったのだが。尚,FBに当日のセットリストの写真がアップされていたので,貼り付けておこう。"Beck’s Bolero"は"I Want More"の後にやったはずだが,即興的に演奏したってことか?

そうした演奏を楽しもうとする私にとって,今回は二つの大きな問題があった。第一はテナー・サックスのKebbi Williamsである。前日に聞いたのが超絶のChris Potterであったこともあるが,あまりにも技巧に乏しく,テクニックもないその吹奏ぶりには完全に呆れていた私である。単なる下手くそにしか聞こえなかったこともあり,私はSusan TedeschiとDerek Trucksに声を大にして言いたい。Kebbi Williamsにソロを吹かせるのはやめて,ホーン・セクションの一員に留めるべきだと。そのソロの後のホーン・セクションのジャム・バンド的なアドリブもつまらないこと甚だしく,コンサートの勢いを削いだ瞬間だった。その後もKebbi Williamsがソロを吹く際にはげんなりしていた私であった。

第二に,バンドの責任ではないが,私の横にいた客である。今回は写真撮影は禁じられていないから,多少の撮影はよかろう(因みに私がライブ中に撮影した写真は上の一枚だけだ)。しかし,ライブの最中,のべつまくなしに写真を撮りまくり,その都度,そいつの肘が私に当たっているのも全く気にしないし,撮影していない時の携帯のスクリーンも光りっぱなしでは,音楽に集中したいほかの聴衆(つまり私)にとって迷惑でしかない。お前はライブに音楽を聴きに来たのではなく,写真を撮りに来たのか?という感じであった。プレイヤーにも失礼,かつオーディエンスに対する配慮にも欠けた私の隣の客は絶対に許せない。そうした怒りもあって,演奏を楽しむ気分を大いに害された私である。

ということで,今回のライブを心底楽しめたかと言えば,上述の二つの瑕疵によって,そうではなくなってしまったのは非常に残念であった。しかし,Tedeschi Trucks Bandに関しては,ホーン・セクションには問題はあったし,ドラムス陣は少々ニュアンスに欠けるきらいはあったものの,それ以外の演奏は見事なものであったと言っておく。

Live at 東京ドームシティホール on October 18, 2023

Susan Tedeschi(vo, g), Derek Trucks(g), Gabe Dixon(key, vo), Brandon Boone(b), Tyler Greenwell(ds, perc), Isaac Eady(ds, perc), Mike Mattison(vo, g), Mark Rivers(vo, perc), Alecia Chakour(vo, perc), Kebbi Williams(ts), Ephraim Owens(tp), Elizabeth Lea(tb)

2023年10月19日 (木)

SF Jazz Collective@Blue Note東京参戦記。

Sf-jazz-collective

クリポタことChris Potterが現在音楽監督を務めるSF Jazz Collectiveが来日するとあって,Blue Note東京に駆け付けた。SF Jazz Collectiveは流動的なメンバーによる活動を2004年以来行ってきており,クリポタが音楽監督になったのは2021年からのはずだ。メンツは超豪華って感じではないものの,実力者揃いであることは間違いない。もちろん私のねらいはクリポタではあるが,Kendrick Scottも推しているミュージシャンなだけに期待も大きかった。それゆえ財布には痛いが,1st,2nd通しでの参戦となった。

1stはSF Jazz Collectiveの結成20周年を記念した7部構成の新曲の組曲を演奏し,2ndは過去の偉人にオマージュした曲の数々という構成は,1st,2ndで同じ構成でやるミュージシャンも多い中,SF Jazz Collectiveの取り組みを知らしめるという意義も大きかった。演奏はそれぞれ楽しめたが,やはりクリポタのソロは実に強力であった。また,クリポタに限らず,各人のソロも聞きどころが多く,レベルの高さを感じてしまったのであった。バンドの特性上,クリポタ以外のミュージシャンにもソロ・スペースが与えられる中,ここはバンドとしての演奏を楽しむべきだと感じたが,そうした中で全編に渡ってバンドをドライブし続けたKendrick Scottが実によかった。

曲としては2ndでやった"In a Silent Way"と"Directions"の組み合わせは悶絶ものであった。あれは反則と言ってもよく,特に"Directions"のパートで私はもちろんだが,聴衆は燃えに燃えたはずだ。とにもかくにも大いに楽しめた一夜であった。

20th_anniv_sfjc_tshirt_front_back ライブ参戦前にはこのメンツで吹き込んでいたライブ音源を聞いて予習はしていたが,その音源がSF Jazzのサイトでは媒体が売られていることがわかっていて,現地で売っているかもしれないと思っていたら,案の定だったので,すかさず開演前にゲットした私である。本国から飛ばすのよりおそらく安価で入手できたのは嬉しかった。演奏があまりによかったので,Tシャツまで買って更に大散財してしまったのであった。でもよくよく見れば,サイトで買うよりこっちも安かった。因みに媒体は21年版が5,000枚限定,22年版が500枚限定のようだ。こういうところにストリーミングへの移行が進んでいるのを感じてしまう。

尚,上の写真はSF Jazzのサイトから,下の写真はBlue Note東京のサイトから拝借。

Live at Blue Note東京 on October 17,2023, 1st/2ndセット

Personnel: Chris Potter(music director, ts, ss), David Sánchez(ts, perc), Mike Rodriguez(tp, fl-h), Warren Wolf(vib), Edward Simon(p, key), Matt Brewer(b), Kendrick Scott(ds)

Sf-jazz-collective-at-blue-note-1

2023年10月18日 (水)

加賀恭一郎シリーズの新作読了。

Photo_20231015122401 「あなたが誰かを殺した」東野圭吾(講談社)

私は東野圭吾の本は何でもかんでも買うという訳ではないが,最近はガリレオと加賀恭一郎のシリーズは出るたびに買っている。この加賀恭一郎のシリーズでは「新参者」が圧倒的によかったと思うが,まぁどれを読んでも安定感のある読み物にはなっていると思う。その新作だが,いつもの加賀恭一郎シリーズに通奏低音のように流れる「人情」的な要素が今回は希薄で,加賀恭一郎がクラシックな名探偵物のような謎解きを行っていくのは,今までと様子が異なるという感じである。加賀恭一郎が本作ではいくら休暇中という設定だからと言って,こんな活動がOKなのかねぇというところから違和感はあるが,まぁそれはよかろう。

あまり細かく書くとネタバレになるので控えるが,さすがにこの設定には無理があるのではないかというのが正直なところであった。もちろん,ページをめくらせるストーリーテリングのうまさは健在ではあるが,登場人物の相関関係にはそんな訳ないだろうと感じていたのも事実。その辺りも減点対象となり,今回は星★★★ぐらいでいいと思う。まぁ面白く読めることは事実だが,やはりこの設定は強引過ぎたな。

本作へのリンクはこちら

2023年10月17日 (火)

またも無駄遣い。"Aja"のアナログ盤を入手。

Aja_20231014095401"Aja" Steely Dan (ABC→Geffen)

私は決して音にこだわりを持つ人間ではないが,オリジナル盤の入手をしたいと思わせるアルバムはある。単なる保有欲である(爆)。以前記事にしたYesのUSオリジナル盤もそんな一枚であったが,今回はSteely Danである。但し,今回はオリジナルではなく,Geffenから再発されたリマスター音源なので,価格としては大したことはない(でももちろんCDよりは高い)。まぁ,それでもDonald Fagen自身が監修したものだから,音も相応のものという期待はあった。

振り返ってみれば,"Aja"はこれで何枚目か?初めて入手したのは高校時代の輸入盤アナログ。その後,レコードを輸入盤CDに置き換えて,更にリマスター紙ジャケ盤を入手して輸入盤を売却。最後に買ったのがSHM-CD版の国内盤で,音的にはそれで満足してもよかったのだが,そこへ来て今回のアナログ盤である。こういうのはアホと言われればその通りだし,無駄遣いだと言われれば返す言葉もない。

ただ,一つ言い訳をするならば,この"Aja"というアルバムは,山口小夜子を使ったこのジャケットを12インチ・サイズで愛でるということも重要なのだ。この美感はさすがにCDでは出ない。そういうこともあって,今回のアナログ入手に至ったとは言え,やはり我ながらバカにつける薬はないってところか。だが,タイトル・トラックのSteve Gaddのドラムスのキレは,SHM-CDと比べてもこのアナログの方がいいように聞こえたのは気のせい?ということで自己正当化するのであった(笑)。

音楽については多くを語る必要はない,誰しもが認める大名盤。いつ何時聞いても素晴らしい。

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2023年10月16日 (月)

「アイ・イン・ザ・スカイ」と言ってもAlan Parsons Projectではない。映画の方ね(笑)。

Eye_in_the_sky_2015_film_poster 「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 ("Eye in the Sky")」(’15,英/加/南ア)

監督:Gavin Hood

出演:Helen Mirren, Aaron Paul, Alan Rickman, Bakhad Abdi, Kate Liquorish, Aisha Takow

休日にAmazon Primeで見たのがこの映画。"Eye in the Sky"と言えば,私の年代はどうしてもAlan Parsons Projectのアルバムを思い起こすのが普通だが,これは英国産のサスペンスフルな映画で,これはかなりの拾い物だと思った。

長年追跡するテロリストを捕獲か殺害かでもめる一方,刻々と迫る自爆テロの危機回避のための攻撃の可否の判断の中での「究極の選択」に向けて,サスペンスを盛り上げるというのは定石通りの展開と言ってもよいが,結構これがキリキリした展開で,しっかりしたドラマになっているのがよかった。

見ていて疲労感さえ覚えるのはこのシリアスさ,重苦しさゆえであるが,それをどう受け止めるかによって,評価は変わるかもしれない。しかし,私にとっては実に見応えのある映画だったと評価したい。軍部と政権の意見の食い違いとか,政治家の責任逃れとかリアルと言えばリアルな世界なんだろうと思わせる部分もあるが,最後は何が本当の正義なのかよくわからなくなってくるほろ苦さも印象的であった。こういう映画はもう少し知られてよいと思った。ただ邦題の副題(世界一安全な戦場)で映画のテーマがよくわからなくなり,損をしていると思うのは私だけ?星★★★★☆。

それにしてもHelen Mirrenってなんでもできるねぇと改めて感心。

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2023年10月15日 (日)

Jeff Lorber Fusionの新作がリリースされた。相変わらずのサウンドだ。

_20231013_0001"The Drop" Jeff Lorber Fusion (Shanachie)

先日,Mike Sternとも来日を果たしたJeff Lorberであるが,彼がバンマスであるJeff Lorber Fusionの新作がリリースされた。今回は国内盤での入手となったが,昨今の円安により,輸入盤と国内盤の価格の逆転現象が起きているのはどうもなぁと思いつつ,ストリーミングで済ませるという手もあったが,やっぱり買ってしまった(苦笑)。

このブログでも何度か書いているが,Jeff Lorber Fusionの音楽の魅力はいい意味での中庸なところだと思っている。ハード・フュージョンではないが,決してスムーズ・ジャズには流れない。こちらが想像しているJLFらしい音がちゃんと出てくるところがいいのだ。

私はCD購入前にストリーミングで本作を聞いていたのだが,その時の印象としては,冒頭のタイトル・トラックが「ゆるい」というものだった。2曲目以降はいつものJLFという感じの音になるが,この「ゆるさ」に実はめげてしまいそうになった私である。今回,媒体で入手しても,その印象はあまり変わらず,これをトップに持ってきたのは正直失敗だと感じている。

全編を通じてJLFらしい音と言えばその通りなのだが,もう少しタイトな感覚があってもいいように思えるのも事実。しかし,ギターにSnarky PuppyのMark LettieriやベースのCornelius Mims等の新戦力も迎えても,出てくる音はやっぱりJLFになってしまうところが,安定のJLFサウンドってところだろう。だからわかっていても,彼らの音楽からは離れづらいのだ。それでも今回は星★★★☆ってところ。

Cornelius Mimsを迎えたとは言っても,Jimmy Haslipがベースを弾いている曲もあるし,Cornelius Mimsがベースを弾いている曲でも,6弦ベースでメロディ・ラインを弾いていたりする。確かにベーシストとしての存在感は低下しているが,その分,Jeff Lorberとの共同プロデュースに精を出したということかもしれない。しかし,2曲目の"Altered State"ではJimmy Haslipは6弦ベースとクレジットされているが,出てくる音はほぼギター。これって本当にJimmy Haslipなのかと思ってしまう。

そして,本作でもドラムスはGary Novakが全面参加であるが,前作"Space Time"にはジャケットに登場していたGary Novakが今回は写っていないのはなんでなのかと思ってしまった。ほぼレギュラーなんだから顔出ししてもよさそうなのに,これは不思議だ(笑)。

いずれにしても,結局好きなんで買ってしまう私だが,多分そういうかたちで今後も続いていくんだろうな。

Personnel: Jeff Lorber(p, el-p, key, synth, g), Jimmy Haslip(b), Mark Lettieri(g), Paul Jackson Jr.(g), Cornelius Mims(b), Gary Novak(ds), Randal Clark(as, ss), David Mann(horn)

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2023年10月14日 (土)

Jewelの21年ぶりの来日ライブを観に行った。

Jewel-at-blue-note 私はJewelがデビューして以来,結構長期に渡って応援してきたが,カントリー・フレイヴァーが強まってからは彼女のアルバムはほとんど聞いていなかった。しかし,突然,本当に突然Jewelが来日するという情報を得て,すかさずBlue Noteの席を予約し,行ってきた。そもそも予約開始が9/23で,ライブは10/12というのが相当のShort Noticeであることは明らかで,このライブが突然決まったものだと想像している。Jewelが来日するのは21年ぶりということで,次があるかどうかもわからないから,やはり聞いておかねばと思ったのだった。

実はこれだけのShort Noticeゆえ,客入りを心配したのは杞憂に過ぎず,客席はFull House状態で,そしてインバウンドか,駐在者かはわからないが,白人客の比率がかなり高いのが面白かった。まぁ,日頃やっているのがカントリー色が強いから,それもうなずける話だが,満席には驚いた私であった。

そしてライブが実によかった。後半は客席からのリクエストにも応じて歌っていたが,その歌声は今やアラフィフとなったとは思わせない,以前と変わらぬものだったし,ギターの腕前も見事なものだった。ギター1本でのライブには相応の技が必要になると思うが,スタンダードとオープン・チューニングのギター2本で聞かせた演奏能力は私の想像を超えていた。私が嫌う"0304"から"Intuition"もやっていたが,ギター1本で歌うその曲さえよく響くのは,アルバムのプロダクションが悪かったことの裏返しだと思ってしまった。

これまでJewelは贔屓にしながらも,私は彼女にリクエストをするほど聞き込んでいなかったのを強く後悔したが,それでもあまりの素晴らしさに,ついついスタンディング・オヴェイションしてしまった。私は天邪鬼というか,皮肉屋なところがあるので,何でもかんでもスタンディング・オヴェイションするのをよしとしていないが,そんな私が自然に立ってしまったというのが今回のライブ,歌唱,演奏であった。

いずれにしても,改めて彼女のアルバムをちゃんと聞き直そうと思った一夜となった。

(追記)Blue Note東京のサイトでステージの模様の写真とセットリストがアップされていたので,貼り付けておこう。

Personnel: Jewel(vo, g)

Live at Blue Note東京 on October 12, 2023 2ndセット

Jewel-live-at-blue-note
1. OVER THE RAINBOW
2. NEAR YOU ALWAYS
3. HANDS
4. STANDING STILL
5. SINGLE MOM
6. GRATEFUL
7. BREAK ME
8. INTUITION
9. ALIBIS
10. SATELLITE
11. ANGEL STANDING BY
12. ALMOST
13. LIFE UNCOMMON
14. CARNIVORE
15. FOOLISH GAMES
16. MY FATHER'S DAUGHTER
17. YOU WERE MEANT FOR ME
  – Q&A SESSION –
18. WHO WILL SAVE YOUR SOUL
EC. CHIME BELLS

2023年10月13日 (金)

瑞々しいとしか言いようがないDan Fogelbergの”The Innocent Age”。

_20231012_0001"The Innocent Age" Dan Fogelberg (Full Moon/Epic)

このアルバムはDan Fogelbergが1981年にリリースした2枚組だが,どこから聞いても瑞々しいとしか言いようがない名曲揃いの傑作だと思う。フォーク,ロック,ポップスを絶妙にブレンドした名曲群は,リリースから40年以上経って,初めて聞いた時が20歳前後だった私が還暦を過ぎた今でも,当時を思い起こさせてくれる。こんな私にも「無垢な時代」があったのだなぁなんて感慨に耽ってしまう(爆)。

シングルも何枚もチャート・インしたことでもわかるが,Dan Fogelbergとしては人気もピークと言っていい時期だったかもしれないが,何よりもここに収められた曲が時代を越えてアピール度が高い。イントロから引き込まれてしまう冒頭の"Nexus"にJoni Mitchellがゲスト参加していることも,私の印象を強める理由の一つかもしれないが,Dan Fogelbergの多重録音をベースとしながら,Joni Mitchellのみならず,迎えたゲストがまた適材適所なのだ。

私がDan Fogelbergの音楽に初めて触れたのは高校時代に聞いたTim Weisbergとの"Twin Sons of Different Mothers"であった。あれはあれで懐かしいとは言え,企画アルバムだと思うので,私が本当にDan Fogelbergの本質的な魅力を感じたのはこのアルバムなのだ。私の中でDan Forgelbergのアルバムと言えば,本作を置いてほかにはないと言い切ってしまおう。今聞いてもすこぶる魅力的な作品。星★★★★★。

Personnel: Dan Fogelberg(vo, g, p, el-p, synth, dulcimer, sitar, b, perc), Mike Finnigan(org), Mike Utley(p, el-p), Al Perkins(pedal steel), Kenny Passarelli(b), Norbert Putnam(b), Russ Kunkel(ds), Don Alias(perc), Motor City Marty(perc), Joe Lala(perc), Marty Lewis(tambourine), Michael Brecker(ts, ss), Tom Scott(ts), David Duck(fr-h), Jerry Hey(piccolo, tp), Jimmie Fadden(hca), Gail Levant(harp), Sid Sharpe(vln), Jesse Erlich(cello), UCLA Band(brass), Joni Mitchell(vo), Richie Furay(vo), Mike Brewer(vo), Don Henley(vo), Emmylou Harris(vo), Glenn Frey(vo), Chris Hillman(vo), Heart of Darkness Chorale(chants), Sid's Raiders(cho)

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2023年10月12日 (木)

Stevie Ray Vaughan:これぞブルーズ・ロック!

_20231010_0001 "Couldn’t Stand the Weather" Stevie Ray Vaughan and Double Trouble (Epic)

私がStevie Ray Vaughanという名前を知ったのは,David Bowieの"Let’s Dance"であった。「戦場のメリークリスマス」の影響もあって,当時のDavid Bowieのライブはチケットを取るのもマジで大変だったが,その時に"Let’s Dance"がヒットしていたのも懐かしい。

それから幾星霜,私はStevie Ray Vaughanの音楽とは全く無縁だったが,本作のLegacy Editionはどうしてゲットしたのか記憶が曖昧だが,今も昔も私が保有している彼のアルバムはこれのみ。改めて聞いてみれば,見事なまでのブルーズ・ロックである。ロック好きにもブルーズ好きにも受け入れられること必定というサウンドだが,このLegacy Editionでは,オリジナル音源に加えてディスク1にはボートラが11曲,ディスク2にはライブ音源13曲という大盤振る舞い。スタジオ録音でも,ライブ音源でも全くブレのない怒涛のようなブルーズ・ロックを浴びれば,大概は快感を得られるだろう。

トリオという最小編成で演奏されているにも関わらず,音が分厚いのは偏にStevie Ray Vaughanのギターゆえというところだろうが,この技はやはり一級品だったと思わざるをえない。そんなStevie Ray Vaughanは35歳の若さで不慮の死を遂げたが,彼が生きていればどんな活躍をしたかと思うと実に惜しい。そんな思いを抱かせるアルバムである。Legacy Editionの追加音源を含めて星★★★★★としてしまおう。できればこのLegacy Editonをお聞きになることをお勧めしたい。

Recorded in January 1984 and Live at the Spectrum, Montreal on August 17, 1984

Personnel: Stevie Ray Vaughan(g, vo), Tommy Shannon(b), Chris "Whipper" Layton(ds) with Jimmy Vaughan(g), Fran Christina(ds), Stan Harrison(ts)

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2023年10月11日 (水)

Joni Mitchellのアーカイブ・ボックス第3弾が届く!素晴らし過ぎてまじで感動。

Joni-mitchell-archive-3 "Archives Volume 3: The Asylum Years 1972-75)" Joni Mitchell (Rhino)

奇跡の復活を遂げたJoni Mitchellである。そのJoni Mitchellのアーカイブ・ボックスはこれまでの2作も素晴らしいものであったが,その第3弾がリリースされた。今回はCD5枚組という強烈なボリュームである。デモ音源,アーリー・テイクにライブ音源を加えているが,これがまた輪を掛けて感動的。

アルバムとしては"For the Roses","Court And Spark",そして”Hissing of Summer Lawn"の時期になるが,その時期にリリースされたライブ盤,"Miles of Aisles"の別ヴァージョンと言ってよいライブ音源もちゃんと含まれている。”Miles of Aisles"にはここでの音源(1974年3月3日)の前日と翌日の曲も入っていたが,ここでの演奏では,クレジット上はL.A. Expressのピアノ奏者がLarry NashからRoger Kellawayに代わっているが,その日だけのトラだったってことなのか?いずれにしても,ほかのライブ音源同様ファンとしては実に貴重。

このボリュームゆえ,まだすべてを聞いたわけではないが,Neil Young & the Stray Gatorsをバックにした"You Turn Me on I’m a Radio"なんてもろにデモ音源って感じではあるが,いきなりNeil Youngのハーモニカに導かれて歌われるこの曲は何ともユニークで,思わずほぉ~っとなってしまう。

とにかく貴重音源満載,音楽を超越した文化的な宝とさえ言いたくなってしまうような素晴らしいボックス・セット。星★★★★★。早く全部聞かねば!たまらん。

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2023年10月10日 (火)

Amazon Primeで「スキャナーズ」を見た。

Scannersposter 「スキャナーズ ("Scanners")」('81,加)

監督:David Cronenberg

出演:Jennifer O'Neill, Stephen Lack, Patrick McGoohan, Lawrence Dane, Michael Ironside

私はDavid Cronenbergの映画は「デッドゾーン」と「クラッシュ」ぐらいしか見ていないはずで,この映画は初めて見たのだが,ストーリーは,ミュータントとスキャナーの違いはあるが「X-Men」に近い部分もあるなぁと見ながら感じていた。

役者陣ではMichael Ironsideが強烈だが,見ていて「ダークナイト」のHeath Ledgerを思い起こしていたのであった。一方,キャストのトップに出てくるのはJennifer O’Neillなのだが,役としては明らかに脇なのにはなんでやねん?となるところ。この人は「おもいでの夏」の印象が強すぎて,その後出演作に恵まれなかったのは惜しかった。主役は明らかにStephen Lackだが,一番セリフが多いのはPatrick McGoohanで,相変わらずの渋さであった。

まぁ40年以上前の映画なので,特撮なんかには時代を感じさせるところもあるのはご愛嬌として,この映画にはCronenberg自身が書いたシナリオに適当さがあるのが難点。ストーリーはさておき,シナリオの細部にはもう少しこだわるべきところがあったはずだというところだ。まぁ,時間つぶしにはなるが,決して褒められた映画ではない。まぁそれでも続編も作られているのだから,David Cronenbergにとってはそれなりにメリットもあった映画だったろうな。星★★☆。

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2023年10月 9日 (月)

何でも歌えるJoe Cockerということを実証したライブ・アルバム。

Joe-cocker "Mad Dogs & Englishmen" Joe Cocker (A&M)

Joe Coccker畢生の傑作のデラックス・エディション盤である。主題の通り,ロック,ソウル,フォーク畑のレパートリーを自分の色で歌い上げてしまうJoe Cockerの歌手としての物凄さを感じさせるとともに,そのバックを支えるミュージシャンの演奏に興奮することを避けられない。

ドラマー3人を擁するバック・バンドも凄いが,バックを支えるコーラス隊の分厚さも特筆に値する。Leon Russellのギターのカッコよさも素晴らしい。しかし,何よりもこのアルバムの魅力はJoe Cockerの歌に尽きる。このデラックス・エディションは曲も追加して,コンサートの曲順に近いかたちに並べ替えるとともに,スタジオ音源等も追加したものだが,やはり聞きものはライブ音源。追加された曲はJoe Cocker以外がリードを取ったものが中心だが,全編を通じてJoe Cockerが実に素晴らしい歌手だったということを実感できること間違いなし。星★★★★★以外ない。最高だ。

Recorded Live at Filmore East on March 27 & 28, 1970 and at Santa Monica Civic Auditorium on April 17, 1970

Personnel: Joe Cocker(vo), Leon Russell(g, p, vo), Don Preston(g, vo), Chris Stainton(org, p), Carl Radle(b), Jim Gordon(ds), Jim Keltner(ds), Chuck Blackwell(ds, perc), Sandy Konikoff(perc), Bobby Torres(perc), Jim Horn(sax), Bobby Keys(sax), Jim Price(tp), Rita Coolidge(vo), Donna Washburn(vo), Claudia Lennear(vo), Denny Cordell(vo), Daniel Moore(vo), Pamela Polland(vo), Matthew Moore(vo), Nicole Barclay(vo), Bobby Jones(vo)

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2023年10月 8日 (日)

「あまちゃん」ロスの私が「幻の157回」を見てまた泣く...(笑)

157_20231006160201

「あまちゃん」の再放送が終わってしまい,毎日の楽しみがなくなって完全な「あまちゃん」ロスだということは先日書いた。しかし,その「あまちゃん」には「幻の157回」があることを遅ればせながら知った。これは2013年の紅白歌合戦の出し物としての企画だった訳だが,確か放送時には見た記憶はあったが,すっかり忘れていた。しかし,今となってはやっぱり見たい。Blu-rayのオマケにもなっていないのは肖像権の問題とも思うが,どうせならボックスのオマケに入れて欲しかったと思うのは私だけではあるまい。

その映像を「ある筋」(笑)から入手して見て,改めて号泣してしまったのだが,これが実に素晴らしい好企画。NHKもやればできるんだから,毎年ちゃんと企画すればいいのにと思ってしまった。ということで,画面からキャプチャーした上の画像はGMTスペシャル・ユニット Featuring アメ横女学園が「暦の上ではディセンバー」を熱唱中の模様。松岡茉優も足立梨花もちゃんといるのがいいねぇ。下の画像はもちろん「潮騒のメモリーズ」だ。くぅ~っ。

Photo_20231007131501

2023年10月 7日 (土)

Wayne Shorter全面参加とは露知らずだったJLCOとの共演ライブ。

The-music-of-wayne-shorter "The Music of Wayne Shorter" Jazz at Lincoln Center Orchestra with Wynton Marsalis (Blue Engine)

ブログのお知り合いがアップされていて,その内容を認識して慌てて入手したアルバム。このジャケは一体なんじゃ?と思ってしまうこともあるが,そもそもWynton Marsalisがやっていることは間違っていないとしても,どうもシンパシーを感じることができないのも事実である。なので,JLCOでの活動については全然ウォッチしていないし,このアルバムのことすら知らなかったというのが正直なところだ。JLCOがWayne Shorterの音楽をやっているだけなら,多分買っていないが,Wayne Shorter本人が全面参加し,ソロイストとしても活躍していると知っては,これは買わない訳にはいかない。

Wayne Shorterは今年3月に亡くなったが,そのキャリアを通じて素晴らしい音楽をデリバリーしてくれた。Wayne Shorterの書いた曲をビッグバンドにアレンジし,そこにWayne Shorterのソロが乗るという取り組みは実に興味深い。そもそもWayne Shorterはコンボでの活動が中心であり,ビッグバンドとの共演はあるのかもしれないが,私の記憶にはない。JLCOのメンバーが施したアレンジメントは,コンベンショナルな感じで驚きはないものの,楽曲へのリスペクトを感じさせるもので,これは好感が持てるし,JLCO各人のアレンジメント能力の高さにも驚かされる。

選曲も初リーダー作,Jazz Messegers時代,Blue Noteでのソロ・アルバム,"Native Dancer"や"Atlantis"に至るまでの幅広いものだが,Wayne Shorterらしい曲ばかりで,個性がはっきりしていると感じさせる。ソロイストとしても,やはりほかのメンツとは明らかに違うと思わせるスタイリストだったなぁと思わせるに十分な演奏であった。

あやうくこういう音源を見逃すところだったというのは,私の不勉強ゆえではあるが,これは聞けてよかったアルバムであった。そうは言っても,やっぱりコンボでの演奏の方が魅力的ではあるが,Wayne Shorterゆえに星★★★★☆には値する。

Recorded Live at Rose Hall, Lincoln Center on May 14-16, 2015

Personnel: Wayne Shorter(ts, ss), Serman Irby(as, ss, fl, piccolo, cl), Ted Nash(as, ts, fl,  a-fl, piccolo, cl), Victor Goines(ts, cl), Walter Blanding(ts, ss, cl). Paul Nedzela(bs, as, b-cl), Ryan Kisor(tp), Kenny Rampton(tp), Marcus Printup(tp), Wynton Marsalis(tp), Vincent Gardner(tb), Chris Crenshaw(tb), Elliot Mason(tb), Dan Nimmer(p). Carlos Henriquez(b), Ali Jackson(ds)

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2023年10月 6日 (金)

未発表音源でもこのレベルの高さ:Little Featは素晴らしいバンドであった。

_20231005_0001 "Hoy-Hoy!" Little Feat (Warner Brothers)

これはLowell Georgeの死後にデモやライブ等の未発表音源をコンパイルしてリリースされたアルバムだが,拾遺的なアルバムだからと言ってバカにしてはいけない。収められた数々の演奏は非常に楽しめるもので,実に素晴らしい。私もWarner時代のボックス・セットを買ったものの,優先順位は低いままにしていたことを思わず悔やんだと言っては大げさか。しかし,それほど聴きどころの多いアルバムであった。

まぁハイライトはLowell Georgeへのトリビュート・イベントでLinda Ronstadtがリード・ヴォーカルを務めた"All That You Dream"であることは衆目の一致するところだろうが,それはそれで素晴らしいと思いつつ,収められた演奏のクォリティの高さはまさに一級品と言ってよく,バンドとしての実力の高さを実証するものだと思った。ポピュラリティには恵まれなかったかもしれないが,まさにアメリカン・ロックを代表するバンドの一つだったと評価すべきだ。改めていいバンドであったと思わずにはいられない。

もちろんオリジナルのアルバムから聞いていくべきだとは思うが,だからと言ってこのアルバムを無視するのはあまりにもったいないということで,拾遺集ではありながら星★★★★☆としよう。

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2023年10月 5日 (木)

ヴォコーダーの響きが懐かしい"Sunlight"。

_20231004_0001"Sunlight" Herbie Hancock (Columbia)

これは懐かしいアルバムである。ヴォコーダーという「オモチャ」を入手したHerbie Hancockが,ヴォーカルに挑んだアルバムとして当時話題になったが,それももはや45年前のことである。時の流れは恐ろしいと感じるのが高齢者の常であるが,もうそんなになるかと改めて感じてしまう。

当時,Herbie HancockはVSOPやChick Coreaとのデュオに精を出していて,これは久々のファンク・アルバムとなったものだが,ファンクと言っても,ヴォコーダーの使用ゆえかなり軽いサウンドと言ってもよい。それでもその後の来日時に吹き込んだ"Direct Step"や,笠井紀美子との共演盤でも再演した曲を含んでいて,曲にはHerbie Hancockも相当の自信を持っていたのだろうと思わせるものとなっている。

ただ,そうした適度な軽さを持つ中で,最後の"Good Question"だけが明らかに浮いている。この曲に聞かれる異質のヘヴィーさがアルバムとしてのトーンを乱していると感じてしまうのだ。プロダクションという観点では,ジャコパスとTony Williamsを迎えたこの曲が目玉になってしまう可能性もある訳だが,むしろこの曲はアルバムのトーンを最後の最後に混乱させているのではないか。それぐらい強烈な響きを持っていて,それが私には強烈過ぎると感じてしまうのだ。

ある意味,一貫性というものを無視した構成となってしまったのはこの"Good Question"ゆえだと改めて感じてしまった。"Good Question"こそがこのアルバムのハイライトだと言う人もいるだろうが,それもわからないではないとしても,どんなにいい演奏でも,私からすればこの異質な響きは画竜点睛を欠いたという感が強いのだ。そうした感覚からすれば星★★★★ってところだと思う。因みに全5曲中4曲でSantanaでもお馴染みのRaul Rekowがコンガを叩いているのは意外な人選であった。

Personnel: Herbie Hancock(key, el-p, synth, vo), Bennie Maupin(ss), Wah Wah Watson(g), Ray Parker Jr.(g), Paul Jackson(b), Byron Miller(b), Jaco Pastorious(b), Leon ’Ndugu’ Chancler(ds), James Levi(ds), Harvey Mason(ds), Tony Williams(ds), Bill Summers(perc), Raul Rekow(conga), Baba Duru(tabla), Patrick Gleeson(synth) with horns and strings

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2023年10月 4日 (水)

デフレパ!

_20231002_0002 "Vault: Greatest Hits 1980-1995" Def Leppard (Mercury)

突然のデフレパことDef Leppardである。私は別にデフレパのファンでも何でもないので,保有しているのはこのベスト盤だけなのだが,このブログにデフレパが出てくると思う人もあまりいないだろうな(笑)。

このアルバムを買った時のことはよく覚えている。あれは95年の後半か96年の前半だったと思うが,私がシンガポール出張していた時のことだ。仕事が終わって,現地のCDショップを覗いていた時に,店頭でプレイバックされていたのがこのアルバムとEddi Readerの初リーダー作であった。Eddi Readerに関しては一発で気に入ってしまったのだが,かたやこのデフレパの方は,なんとライブCDがオマケでついていて,値段もそれほどでもなかったのが購入理由だ。その時,店頭でプレイバックされていたのがそのオマケのライブCDの方で,それが結構カッコいいねぇと思ったはずだ。

それから四半世紀以上が経過しているが,このアルバムは結構何度もプレイバックしてきた。特にライブCDの方がプレイバック頻度は高かったように思うが,デフレパというバンドは結構メロディアスなハードロックというのが私の感覚である。これだけベスト盤をプレイバックしているのだったら,ほかのアルバムの購入に走ってもよさそうなものだが,そうならなかったのは今にして思えば不思議だ。

このベスト盤を聞いて意外に思ったのが,懐かしやSweetの"Action"を彼らがカヴァーしていたことであった。"Action"は日本でもそこそこヒットした記憶があって,いきなりこの曲が流れてきたときには正直びっくりしてしまった。私がまだ中学生の頃,この曲はFMでよく聞いたなぁという記憶が蘇ったのも懐かしい。

いずれにしても,ハードロックは車を運転していると,ついついアクセルを踏み込ませる効果があったが,このアルバムも往時にはそういう効果を発揮したのであった。特にボーナスのライブCDの方がそうだったと回顧してしまうのも私も歳をとった証拠である。まあ,それでも今でも売らずに保有し,まだまだプレイバックしているのだから,結局好きなんだろうな。ってことで,ボーナスCD込みで星★★★★★にしてしまおう。

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2023年10月 3日 (火)

改めて聞いても実に面白いReichの"Drumming"。

_20231002_0001 "Drumming" Steve Reich & Musicians (Deutsche Grammophon)

このディスクに収められたPart 1~4から成る"Drumming"は演奏時間が80分を超える大作だが,パーカッション・アンサンブルだけのPart 1の演奏は,普通の人にとってはなかなかハードルが高い音楽だと思う。一方,私のようなSteve Reich好きにとっては,この微妙にリズムがずれていくミニマルな感覚が心地よくさえ思えてしまうのだ。それでもPart 2 に転じてマリンバでの演奏になると,いかにもReich的なサウンドと言うべき響きに更に心地よさが増す。

この2枚組には"Drumming"に加えて"Six Pianos"と"Music for Mallet Instruments, Voices and Organ"も併録されており,全編を聞き通すには2時間以上を要するので,なかなかプレイバック頻度は高まらないのも事実だ。しかし,久々に聞いてみて,ミニマル音楽の「聴き流し」の快感を覚えた私であった。仕事の邪魔には一切ならないところはアンビエントと言ってもよい。いずれにしても,やっぱり私はReichの音楽が好きなのねぇと再確認。

因みに"Drumming"は,Nonesuchレーベルからもリリースされているが,そちらでは演奏時間が57分弱と大幅に短くなっているのはどういう訳かはわからない(CD1枚に収録するため説もあり)。まぁそっちも"Phases"というボックス・セットに入っているので,そのうち聞いてみることにしよう。

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2023年10月 2日 (月)

二度目の「あまちゃん」ロスの私...。

Photo_20231001162901

「あまちゃん」の再放送が終わってしまった。本放送時は遅れてきた「あまちゃん」ウォッチャーだった私だったが,今回は初回からずっと見てきた。泣き笑い交えたストーリーには今回もはまってしまったが,後半では震災も描きながら,全編を通じてのポジティブな筋書きは見ていて心地よかった。そして見れば見るほど素晴らしいキャスティングであった。

また見たくなればBlu-rayで見ればよいのだが,毎日見るという習慣性こそが大事だと改めて思ったこの半年であった。

10年前も「あまちゃん」ロスだと言っていた私だが,二度目の「あまちゃん」ロス確実だ。この喪失感は「大奥」で埋めるか(笑)。

2023年10月 1日 (日)

"Undercurrent"のMoFiからのアナログ盤をゲットした。

Undercurrent "Undercurrent" Bill Evans & Jim Hall (United Artists→Mobile Fidelity)

既にこのアルバムについてはこのブログでも記事にしている(記事はこちら)。私の中では最初に入手した国内廉価盤の音の悪さしか印象になかったこのアルバムをその折に超久しぶりに聞いて,かなり印象が変わっていた。そこへブログ/FBのお知り合いがこのMobile Fidelityからのアナログ盤の音の良さを褒めているのを見て,おぉ,そうかぁということで,私も買ってしまった。

ここでやはり気になるのは"My Funny Valentine"におけるJim Hallのギター・カッティングだが,これが実に生々しいのだ。Artist House盤のRed Mitchellとのデュオでも聞けたカッティングの音が蘇るという感じだ。私のしょぼいオーディオ・セットでもわかるというのは,先日記事にしたYesの「危機」のUSオリジナルでも同様だったが,改めてここでの音を聞いて,昔聞いた国内盤は一体何だったのか?と言いたくなるような音で再生されてはこれはたまらん。

Mobile Fidelityからのアルバムは結構高いのが通常で,本作もMoFiのサイトでは$29.99である。現在の円安に加えて現地からのS&Hを含めれば,更に値が張ってくるはずが,それを考えればかなりお手頃と言ってよい価格で国内のショップから入手できたのは実によかった。改めてご紹介に感謝したい。文句なく星★★★★★である。素晴らしい。

Recorded on April 24 and May 14, 1962

Personnel: Bill Evans(p), Jim Hall(g)

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