Chick Coreaの小品集と言ってよい"Children’s Songs"
"Children’s Songs" Chick Corea(ECM)
いろいろなアルバムで公開されてきた"Children's Song"を集大成したのがこのアルバムであった。私の記憶ではリアルタイムで聞いたのが"Friends"に入っていたのが最初だったように思うが,"Light as a Feather"に既に"Children Song"として1曲収録されているから,長い歴史の中で積み上げられてきたものであろう。
一番短い曲は38秒しかないし,長いものでも2分38秒であるから,まさに主題の通りの小品集である。私はこのアルバムがリリースされた時に,リアルタイムで入手していたが,その当時からへぇ~と思いつつ,Chick Coreaを聞くならこれからじゃないなぁと思っていた。もちろんピアノの響きは十分に美しいし,悪いとは思わない。でもプレイバックの回数が上がっていかないというのが正直なところであった。私が現在保有しているのは,ECMからのソロ・ピアノ作品を集成したボックス・セットであるが,買ってからこのアルバムをプレイバックしたかどうか...。しかし,一度曲集としてまとめてリリースしたくなったChick Coreaの気持ちはわからないでもない。
"Children's Songs"20曲の後に,ECMの総帥Manfred Eicherに捧げて"Addendum for Violin, Cello and Piano"が収録されているが,正直言ってしまえば,LPで聞いていた時代にこの曲を聞いた記憶に乏しい。その頃から既にプレイバック頻度が低かったことの証左であるが,まぁアルバム全体を通じてジャズと言うよりは,現代音楽的な響きが強いように思うが,当時の私はまだ現代音楽への耐性ができていなかったことも影響しているかもと今更ながら思う。
今は全然抵抗なく聞けるが,それでもこれからもプレイバック頻度が上がるとは思えないが,久しぶりに聞いてちゃんと聞けるアルバムであったことは再認識した私である。星★★★★。
Recorded in July, 1983
Personnel: Chick Corea(p), Fred Sheery(cello), Ida Kavafian(vln)
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