記事にするのに時間が掛かってしまったAvishai Cohenの"Shifting Sands"。
"Shifting Sands" Avishai Cohen (Naive)
このアルバムは暫く前に入手していたものだが,記事にすることなく時間が経過してしまった。聞いていなかった訳ではないのだが,どうも印象が固まらないため,暫く放置しておいたものを改めて聞いたもの。
Avishai Cohenと言えば私は"Almah"のクラシカルな響きを高く評価し,"From Darkness"もそこそこ評価したつもりだが,アルバムを買うのはそれ以来。なので,Avishai Cohenを深く追っている訳でもないのだが,一聴して,このアルバムに関してはどうも出てくるメロディ・ラインに没入できない感覚が強かった。
例えば,私はLionel Louekeのアフリカン・フレイヴァーが効き過ぎの音楽を苦手としているから,過剰なエキゾチズムみたいなものが不得意なことと関係もあるかもしれないが,ここでの音楽がそこまでエキゾチックか?と言われれば,おそらくそうでもない。だから根本的な私の違和感は,メロディ・ラインというよりも,Roni Kaspiのドラムスにあるように思える。この人のドラムスの音が,このアルバムにおける音楽にフィットしない感覚がどうも違和感の根底にあると感じられる。だからドラムス(特にタム)が目立たない"Hitragut"のような曲が耳馴染みがよいのだ。
曲によっては気にならない場面もあるので,全面的に否定する訳ではないが,どうしてもこのアルバムにそんなに食指を動かされないのはこのドラムスのせいだと考えるのが正しそうだ。もはやこうなると趣味,嗜好の問題かもなって気もするが,もう少し抑制的に叩いてくれれば評価はもう少し上がったはず。星★★★。Avishai Cohenのアルバムなら,これを聞くより私は"Almah"を聞く(きっぱり)。
Personnel: Avishai Cohen(b), Elchin Shirinov(p), Roni Kaspi(ds)
#AvishaiCohen
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